第930回 2020/11/10〜11/16の歴史ニュース

1、寒くなるならそのままなってくれ

今日は季節外れの暖かさで、ちょっと外で作業したら汗ばむ陽気でした。

週明けの月曜日としてははちょっとしんどい。

なんだか体調もメンタルも今ひとつな感じです。

さて、今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。

2、見つかったことと守っていくこと

①長野県長野市で徳川家光が描いた「竹に雀」の絵が見つかる R16

②中国陝西省宝鶏市で春秋戦国~秦漢時代の祭祀遺跡を発見 R8

③奈良県橿原市の藤原宮大極殿院跡の発掘調査で東脇殿がなかったことが判明 R16 C

④千葉県木更津市の金鈴塚古墳出土品を再整理し、装飾付大刀のうち5点は朝鮮半島からもたらされた舶載品であることを確認 R8

⑤ 三重県鈴鹿市国分町の古墳「富士山一号墳」が帆立貝型古墳であることが判明 R11

⑥セルビア・ベオグラードにある聖サワ教会は着工から85年たってもなお建設作業中 R11

⑦イングランド南東部、バッキンガムシャー州の村ストーク・マンデヴィルの中世の教会跡で石材に刻まれた悪霊を祓うためのものとみられる「魔女の印」と呼ばれる文様を発見 R2

⑧栃木県足利市最勝寺の金剛力士像が修復専門委員会の中で「運慶作」を否定 R13

⑨京都府八幡市で、かつて遊郭の一角をなした昭和初期の古民家が旅館としてオープン R29

⑩京都府与謝野町の古墳公園はにわ資料館で2年ぶりの弥生時代のガラス腕輪を公開 R13

3、今日はなんだか思考が働きません

いかがだったでしょうか。

皆さんの気になるニュースもありましたでしょうか。

今週は新たな発見の話題が多かったですね。

一方でもっともリアクションが多かったのは古民家リニューアルの話題でした。

もともと遊郭だったということで意匠が洒落ていたこともありますが

中国の伝統療法「火療」のサロンを経営し、さらには宿泊もはじめ、見学だけの需要もあるとみると柔軟に対応しているところはさすがです。

文化財に指定されているものではありませんが、

地域の歴史を体現した存在として残っていくことがまず価値がありますね。

個人でやっているからこその柔軟性というところもあるでしょう。

ちょっと羨ましいな。

そしてどうしても気になってしまうのはガラス釧。


文化遺産オンラインをみるとなぜか宮津市の出土となっていますが、

隣町の丹後大宮町と福岡県で出土例がみられるだけで、

完全な形での出土は非常に稀だとのこと。

全国でも数が少ないものを同じ地方で2点も出土していると

特殊な事情を想定してしまいますね。

基本的に弥生時代の日本列島にはこれを作るだけの技術はなかったでしょうから

ガラス製品は輸入品。

単に高級ブランド品を持っているというステータスには留まらず

中国大陸と強いパイプを持っている特別な存在という位置づけになるのでしょう。

しかもこの地域のリーダーはこの威信材を好む、という地域差がみられるというところまで踏み込めると面白いですよね。

ただこれも昨日紹介した分布論の罠で、他の地域でも見つかり始めると認識が一気にひっくり返る類のものかもしれません。

一点もの、珍しいもの、豪華なものについ惹かれがちですが

社会の実態はもっと地味な遺物にこそ現れているという側面もあり。

なんだか何が言いたいのかわからなくなってきたので

本日はここまで。

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。



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