第1090回 2021/4/27〜5/10の歴史ニュース

1、休みすぎも問題だ

GWは外出自粛を言い訳に「モンハン」と「うまぴょい」ばかりして全くだらけていたので

なかなか体も精神も通常モードに戻らなくてしんどいです。

さて今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。

2、ピックアップもとっちらかっている

①京都市北区の金閣境内で幻の塔の一部かと思われる木片が出土 R4

②中国山西省運城市垣曲県にある北白鵝墓地(周代の高級貴族の墓群)で出土した金属装飾品が話題 R39

③石川県輪島市水守町の県輪島漆芸美術館で新収蔵庫の完成式典 R14

④富山県富山市科学博物館は、明治時代に発見された鉄隕石から作られた日本刀「流星刀」を展示。5月23日まで R18 C

⑤三重県鈴鹿市の磐城山遺跡で石製模造品が出土 R10

⑥島根県松江市で明治時代の歴史学者・三浦周行の墓所が存続の危機に R2 C

⑦福岡県苅田町の国指定天然記念物「青龍窟」で、洞窟内部で火をたいて煤を付着させるなどの汚損行為を確認 R7

⑧長崎県内で聖火リレーが復元された遣唐使船に R3

⑨群馬県板倉町で発行した文化財関係の書籍を希望者に期間限定で無償配布や格安で販売 R7

⑩福岡県糸島市の御床松原遺跡から硯とみられる板状の石が約50点出土していることが判明 R9 C

3、文字を残すには

いかがだったでしょうか。

⑨の話題はすでに別稿で取り上げました。

⑩の弥生時代の硯についてはすでに何度か取り上げましたが、積極的な出土遺物の再整理によって新たな視点が提供されていきます。

硯が出土するということは、墨で文字を書いている人がいたということが想像できます。

当時の大陸にはもちろんたくさんの書物がありましたが、日本列島に住む人々が文字を使っていたかは不明確です。

リツイートしたものにリプをいただきましたが、硯があっても文字が書かれたものが出土していたのはどう解釈できるだろうか

ということ。

もちろん、木簡や布に書かれていたものが腐食して残っていないと解釈してしまうのは容易いですが、

古代になると墨書土器が多数見つかっていることから、

弥生土器に墨書があってもいいのではないかと思えますが

現在のところその痕跡は見出されていません。

個人的には文字により呪術的な意味合いが大きく、特別な時に用いられたのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

また⑥の墓仕舞いの話はここだけではなく、全国的な問題になっているのでしょうね。

たまたま明治時代の郷土の偉人だったから話題になりましたが

江戸時代から続く由緒ある墓地でも守り手がいなくなれば荒れてしまうか

人知れず片付けられてしまうのです。

近世墓の研究については一部で悉皆的な調査が行われ

石塔形態の変遷や、家族関係の復元、寺院の過去帳と照らし合わせて

飢饉や疫病による死者が多い年の抽出など様々な歴史的事実を伝えてくれる

貴重な資料になり得ることが示されています。

一方で「周知の埋蔵文化財包蔵地」になっていないことも多く、

行政による発掘調査の網から漏れてしまうことも少なくありません。

もっと近世墓研究が盛んに行われ、記録に残していけるといいですね。


本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?