第1158回 2021/8/17〜23の歴史ニュース

1、受難は続く

何のせいとは言いませんが、夏休みの終わりに色々予定されていたイベントは次々と中止が決定され、

申し込んでくれていた方に電話をひたすらかける、という業務に追われていました。

小中学校も予定通り始まるのか、そんな話題が飛び交う、

落ち着かない季節になってしまいましたね。

さて今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。

2、ニュースヘッドライン

①瑞鳳殿と国立科学博物館が伊達政宗の顔を最新の技術で緻密に復元 R14 C

②東京国立博物館の東洋館で企画展「博物館でアジアの旅 空想動物園」を開催。9月14日(火)から10月17日(日)まで R5

③滋賀県立安土城考古博物館で企画展「発掘された近江―関津遺跡と関津城跡―」を開催。9月20日まで R5

http://shigahochi.co.jp/info.php?type=article&id=A0034720

④京都府では京都文化博物館など57箇所の施設を緊急事態宣言宣言の発令期間となる8月20日から9月12日の期間休止すると発表 R51

⑤イタリアはポンペイの埋葬地で、古代ローマ帝国時代の保存状態の良い骨を発見 R5 C

⑥福島県会津美里町の法用寺の金剛力士像を東京国立博物館で展示するために搬出 R10 C

⑦京都府では8月11日からの大雨で国宝と重要文化財(重文)の建造物2件を含む計6件の被害 R8

⑧ストーンヘンジのサンプルを用いて内部構造を分析 R11

3、なんとしても生き延びなくては

いかがだったでしょうか。

最もリアクションが多かったのは④の休館情報。

一年前の4月・5月第一波の頃を思い出すような閉塞感です。

すでに言い尽くされていますが、博物館施設は基本的に発話しないで鑑賞するものですし、接触も注意すれば避けることができます。

密にならないよう十分に工夫されている施設が多い中でも、休館にするというのは

やはりその施設での感染を避ける、というより施設を訪れることを目的に人が動くことを少しでも減らそうということに他なりません。

個人的に気になったのは①の伊達政宗のお顔を復元するという話題。

伊達政宗といえば若くして東北の雄として名を馳せ、豊臣秀吉や徳川家康と渡り合ったイメージがあるのでキリッとしたシャープな人相かと思っておりましたが

復元されたお顔は40代の頃、すでに太平の世になった後、ということもありますが穏やかな表情です。

子孫の当代御当主さまとどことなく似ているような写真もなんだかほっこりしますね。

そしてやはり出てしまった文化財被害の情報。

⑦では京都府内の情報を代表して挙げましたが、8月の豪雨の影響でき損してしまった文化財は広い範囲で確認されています。

当方でも今年の2月・3月にあった福島県沖地震で被害を受けた文化財の修理がようやく始まったところだというのに、

台風シーズンの本番はこれからです。

次の災害が来るまでに直しておかないと、という考えもあるし

修理が終わったばかりでまた次の被害を受けてしまうのは悲しいし。

どちらがよいかは神のみぞ知る、というところでしょうか。

せめて転んでもタダでは起きない、という精神で

修理に伴って文化財の調査が行われ、新たな事実が明らかになってくれることを願うばかりです。


本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。










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