第1113回 2021/6/8〜14の歴史ニュース

1、書店の灯が消える

歴史ニュースとは直接関係ありませんでしたが、とても残念なニュースが…

仙台駅前ですら専門書を買える本屋さんは無くなってしまうのでしょうか。

最近は仙台の街中すら出かける機会が少なくて

地元の町の個人書店さんにこのサービスでお願いすることが多いんですけど

https://www.e-hon.ne.jp/bec/EB/Top

買うかどうか迷っている本を実際に手に取る、ということが難しくなりますね。

さて今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。

2、ニュースヘッドライン

①和歌山県白浜町の南方熊楠記念館で特別展「熊楠が収集した雑誌展」を開催。9月1日まで R9

②滋賀県の大津市歴史博物館が真光寺所蔵の銅製観音菩薩像の対になる勢至菩薩像を発見 R23

③東京表参道の「441」で「MINO SOIL Archaeology of Mino」を開催。6月13日 R16


④イスラエル中部の都市ヤブネで、約1000年前のニワトリの卵がほぼ完全な状態で発見 R17

⑤滋賀県東近江市の「大凧会館」では、疫病退散にちなんだ伝統玩具261点が展示、7月4日まで R4

⑥沖縄県の湊川人は現代の日本人に遺伝的に直接つながる祖先だった可能性がDNA解析から判明 R7

⑦東日本で出土した古墳時代前期の水晶製の勾玉の多くが、山梨県産の原石で作られていたことが判明 R4

3、印象と展開

今回は10件集まりませんでしたが、それだけインパクトのある記事を見つけることができたのではないかと思います。

個人的には③の話題が気になります。

渋谷のアートギャラリーで「土」をテーマにした展示を行うということ自体がなんだかワクワクしますね。

目玉が「珪化木」というのも渋くていい。

考古学✖️アートでもっとこういう都会のど真ん中で、これまで対象となっていなかった客層に向けたアウトリーチできたら流れが変わって来ませんかね。

⑥の話題もちょっと真意が掴めませんが、今後の展開が気になります。

大学院生時代に、沖縄県の久米島でグスクの発掘をしたことがあるのですが

現地説明会を企画しても全然人が来てくれなくて、

実は裏で町民バレーボール大会が行われていたというオチなんですが、

地元の方にグスクの発掘調査って興味ないんですか?って聞いたんですよ。

その回答が、「原人」を見つけてくれ、だったんです。

現地の人にとって、どの時代の歴史がアイデンティティにつながっているか、という問いには興味があって

外の人の意識とは違うってこともよくあるようです。

山口県の人は幕末の長州推しが多いのかと思ったら

戦国時代の大内氏に関心が高いってことも聞いたことがあります。

会津の人は予想通り幕末の戊辰戦争が大きく印象に残っているようで、

伊達政宗が蘆名を滅ぼしたことはあまり気にしていなかったようでした。

もちろん統計を取ったわけではなく、個人的な知り合いに尋ねただけの印象論ですが、

先入観にとらわれず、地域の方の声に耳を傾ける必要がある、ということなんですね。

本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。



 



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