第1136回 2021/7/13〜19の歴史ニュース

1、夏が来た!

子どもたちの夏休みを目前にして、すっかり真夏の気候に。

先週にすっかり梅雨らしくなって、と書いたのが遠い昔のようです。

どうぞ皆様熱中症にはお気をつけて。

さて今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。

2、ニュースヘッドライン

①文化庁は2022年度に「文化財の匠プロジェクト」を開始 R8

②佐賀県佐賀市の七ヶ瀬遺跡で弥生時代後期(1~2世紀)の集団墓地が見つかり、中国製の青銅鏡4面が出土 R6

③奈良文化財研究所の新所長に元文化庁主任文化財調査官の本中眞氏が着任 R3 C

④福井県敦賀市立博物館で特集展示「天狗党~武田耕雲斎からの手紙」を開催。8月3日まで 

⑤中国山東省済南市で元代の家族墓12基を発掘 R4

⑥2016年の熊本地震本震で倒壊し、新築再建を進めていた阿蘇神社(阿蘇市)の拝殿が完成 R7

⑦青森県八戸市博物館で根城跡の国史跡指定80年を記念する特別展「乱世の終焉根城南部氏と城」を開催。8月29日まで

⑧国立科学博物館が所蔵し重要文化財に指定されている「蘇言機」が日本音響学会の認定する「音響遺産」に選ばれる R7

⑨伊達政宗が最上義光に宛てた書状を新たに発見 R3

3、意外と時代に敏感

いかがだったでしょうか。

貴方の気になる話題もあったでしょうか。

個人的にはなんといっても⑨の新発見。

母親の実家である最上家とのライバルでもあり友好国でもある緊張感がリアルですね。

④も現在放映中のNHK大河ドラマ「青天を衝け」で描かれたばかりの

天狗党の最期がよくわかるタイムリーな展示。

それにしても逆賊として処罰された天狗党関連の資料をよく福井で保存していてくれた、ということ。

京都所司代も務めた藩主酒井氏の思想なのか、風土のなせるわざなのか。

②の三種の神器セットで出土という話題も古代史ファンには嬉しい話題でしょうか。

・蛇や亀をあしらった後漢鏡「流雲文縁方格規矩禽獣鏡」(径14センチ)

・素環頭鉄刀、鉄製短剣

・ヒスイの勾玉

どれも一点でも貴重なもの。これらを同時に副葬品として納めたということはやはり地域の最有力の豪族だったのでしょうね。

そして最後に①の話題。

文化庁では従来の「国宝・重要文化財」それ自体の保全のみでなく

それを支える分野にも手を差し伸べるような制度を近年打ち出しています。

文化財修復に用いる素材を育てる「ふるさと文化財の森システム推進事業」

そして今回は原材料を作る職人を保護•育成しようという取り組み。

和紙の原材料となるコウゾや螺鈿の素材である夜光貝、多様な用途で用いられるニカワなど最終的には25品目を目指すとのこと。

また来年度予定している文化庁の京都移転に合わせて「美術工芸品保存修理センター」が設立されるとのこと。

本来は首都機能移転の一環として立ち上がった京都への移転ですが

文化庁以外はとんと話題をききませんが

チャンスを活かしてより体制を拡充していく、という姿勢は素晴らしいですね。


本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。







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