第779回 2020/6/9〜15の歴史ニュース
1、天気や気候に惑わされず
北東北まで梅雨入り、というニュースを聞きましたが、
ミヤギでも30度を超えるような気温が続いています。
こうなると涼しくなるなら少し雨でもほしいとさえ思います。
さて、今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。
ちなみに前回はこちら。
2、たくさんの発見がありました
①福岡県教委が「福岡県の戦争遺跡」を刊行 R47 C
②埋蔵文化財包蔵地なのに市設置の案内板には「遺構がない」と紹介 R19
③山口県田布施町で内部告発した職員を町史編纂室に異動か R124 C
④冷泉家で文化財保存のための土蔵再建をCFで調達 R46 C
⑤群馬県下仁田町馬山の下鎌田遺跡から出土した約7000年前の装飾品「●状耳飾けつじょうみみかざり」について中国や朝鮮半島からの渡来品の可能性があると発表 R23 C
⑥法隆寺五重塔の魔よけ用「影打ち」の鎌を刀剣収集家が発見 R35
⑦イスラエルの考古学者らが「万里の長城」の北方区間は、一般の人々の移動を監視するために建設されたとする研究を発表 R11
⑧中国河南省の霊井遺跡で1万3500年前の骨を削って作られた鳥の像を発見 R12
⑨岐阜県飛驒市の博物館「飛驒みやがわ考古民俗館」が無料のオンラインツアーを開催 R4
⑩三重県の鳥羽市教委は九鬼嘉隆と守隆宛の「豊臣家五奉行連署状」を新たに発見 R18
3、行政ができることはまだあるかい
いかがだったでしょうか。
最も反響が大きかったのは③の懲罰人事のような形で「町史編纂室」に異動された方の話題。
こちらについては先日別稿にまとめたので割愛します。
個人的には⑨のオンラインツアーの話題が気になります。
いよいよ地方にも流れが来ました。
都会の大きな博物館には名品が揃っていますが
歴史・考古学分野に限ってはご当地にしかないもの、が沢山あって
それをオンラインでも見たい、という需要が一定数あるのだ、ということが立証されたのかもしれません。
これが追い風になって各地の博物館でもオリジナルの企画をどんどん発信していくようになるといいですね。
ただ、今後は見学のハードルが下がる分、批判の目に晒されることも想定されます。
世界中の人に見られても恥ずかしくないような展示を作って行かなくてはいけませんね。
あとは②のように行政内でちぐはぐな対応をしてしまっていると
信頼を失ってしまうことが恐ろしいですね。
今後、埋蔵文化財の保存協議など実務レベルで支障をきたすことが危惧されます。
一方、④のように国の作った補助金制度が痒いところに手が届かない、
という状況になっているのを打破したのはクラウドファンディングという手法でした。
行政の論理だとどうしても公平性を損なうことはできませんが
民間の理屈だと需要があるところに供給するまで、といったところでしょうか。
歴史文化的な情報を真に待っている人に届くような、文化財の保存・活用を図っていくことが求められているのかもしれません。
本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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