第823回 2020/7/27〜8/3の歴史ニュース
1、季節は夏
私が住む宮城県では梅雨明け宣言がなされてから、晴れ間が多く観られ、本格的に夏なんだな、と実感したところです。
夕方のひぐらしだけでなく、昼間のミンミンゼミの声もだいぶ高くなってまいりました。
とはいえ当町の小学校は今週いっぱい学校で授業なので、夏休みは実質2週間程度。例年の半分でしょうか。
夏休みの課題についてもだいぶ配慮はされていますが、
海にも山にも街にも子ども達を連れて行くことができるのか不透明な状況です。
さて、今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。
ちなみに前回はこちら。
2、今週は本日リツイートしたものも多く
①京都大大学院文学研究科付属文化遺産学・人文知連携センター資料室「尊攘(そんじょう)堂」内部をオンラインで公開 R9
②千葉県船橋市の「ふなばし生涯学習チャンネル」に、古文書講座 R3
③愛媛県松山市にある松山城の筒井門にひっかき傷 R29 C
④トルコ南部のペルゲ古代都市で、1700年以上前の女性の像を発見 R9
⑤佐賀県唐津市の黒岩前田遺跡で土器の材料とみられる粘土塊を発見 R4
⑥キリシタンの後藤寿庵が建てた教会の跡地に位置しているとされる毘沙門堂を発掘調査へ R29
⑦茨城県鉾田市で畑に人為的な竪穴が見つかる R24
https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15962807909817
⑧沖縄県の首里城の地下にあった司令部壕の現状を撮影 R19
⑨栃木県宇都宮市の栃木県立博物館で「宇都宮仕置展」を開催。8月30日まで R11
⑩北海道小樽市の旧青山別邸の維持管理費にクラウドファンディングで資金調達へ R17
3、発掘調査はよくもわるくも期待を裏切るもの
いかがだったでしょうか。
みなさんの気になる話題もあったでしょうか。
今回はこれからの展開に期待
というニュースが多かったような印象です。
⑦なんてまだ遺跡かどうかもわかりませんし、
⑥は地元の顕彰団体が主体となって調査に入る、という内容でした。
確かに茨城県や千葉県には「地下式坑」と呼ばれる地下式の倉庫が
中世に盛んに作られていることがわかっているので、今回新たに発見されたものもそれに含まれるかもしれません。
もちろん近くに当時の集落もあったでしょうから今後の調査成果が楽しみですね。
⑥は地元では有名なキリシタンである後藤寿庵が眠っている、とされているお堂が解体修理になる、ということで地下の発掘調査も行う、ということなのでしょうが、
伝承と全く違う結果になったらどうなるのでしょう。
もちろん学術的には俗説を一つなくせたということは大いに成果ですし、
なぜ事実と違うことがここまで人口に膾炙しているのか、という事例としても面白いものになりそうですね。
ただ問題なのは盛り上がっている地元団体が、どんな結果が出てても冷静に反応できるかどうかです。
発掘調査は往々にして期待を裏切るもの。
周辺調査の結果から、ここに出てくるだろう、と期待したものが見つからない。
一方でここは遺跡との関わりがなさそうだな、と油断していると、見逃された大きな調査成果と出会うこともあるでしょう。
それが考古学の醍醐味ではあるのですが。
あとは①のように資料館内部をバーチャルで公開したり、②のように動画という形で歴史文化に関わる講座を発信する、ということは
先が見通せないこの現代社会において、求められていることなのでしょう。
私自身も置いていかれないよう教育普及、情報発信のトレンドはこれからも重点的に追いかけていきたいと思います。
本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
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