第788回 2020/6/24〜29の歴史ニュース

1、空梅雨になるか

ミヤギでもようやく雨の日が何度かありましたが

梅雨っぽさがないまま、六月も終わろうとしています。

雨量が少ないことでの農作物への影響が心配です。

昨年からの冬の降雪も非常に少なかったですしね。

さて、今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。

2、明るい話題も暗い話題も

①北海道小樽市の龍宮神社で榎本武揚が作らせた流星刀を一般公開 R47 C

②千葉県香取市の香取神宮で液体がまかれたようなしみを発見 R25 C

③青森県鯵ヶ沢町で昭和40年代に見つかった埋蔵銭を所有者が町に寄贈 R13 C

④愛媛県久万高原町で修験道に関わる民俗調査報告書を刊行 R30 C

⑤愛知県瀬戸市の瀬戸蔵ミュージアムで本地大塚古墳からの新出土品を中心とした企画展を開催 R32 C

⑥滋賀県文化財課の担当者が国宝修理工事で入札情報を漏らす R7 C

⑦ベルゲン大学博物館の研究チームがノルウェーのイトレフォッセで墓地の遺跡から最古のサイコロを発見 R7

⑧新撰組の屯所跡の隣にマンション建設の計画が R31 C

⑨山口県萩市の萩博物館で吉田松陰がコレラについて触れた書簡を公開 R13

⑩JR仙台駅に12年ぶりに伊達政宗の騎馬像が登場 R24 C

3、どうやったら報道に正しく載せられるか

いかがだったでしょうか。

今回はリプをいただいた話題が非常に多かった印象です。

もっともリアクションが多かったのは①の流星刀の話題。

隕鉄から作った、というだけでワクワクするのに、榎本武揚が作らせて寄進したというから物語性を感じますよね。

②の文化財き損の話題についてはちょうどうちの町でも悪質な被害を受けたばかりでしたので気になってしまいました。

お寺さんと協議してどのような形で報道発表したらいいのか

言葉も一緒に悩みながら投げ込みをしたのですが、

やはり正確には伝わらず、

一部不本意な表現での報道となってしまいました。

一旦メディアに載ってしまうと訂正も困難ですし

一人歩きして間違った情報が広まってしまうのも怖いです。

いずれにしても第一義的な

「周辺の文化財所有者への注意喚起」

「盗難物品の転売抑止」

という目的を達成できたのではないか、というところではよしとしましょう。

⑥の文化財建造物の修理工事についての入札不正の話題もショッキングでした。

ニュース文面だけでは、個人的に利益供与を受けての犯行だったのか、

文化財修理工事という特殊性を重視するあまり無理な設計をしてしまったのかは

分かりませんが、正直どこの自治体でも起こりうる危うさをはらんでいる問題だと思います。

文化財修復という事業はどの業者でもできることではなく、伝統技術と蓄積された実績によって担保されるものであって

一般の工事業務と単純に同一のルールで発注できるものではない、という側面もあります。

かと言って、漫然と随意契約では競争原理が働いていない、と見られるのも課題です。

特殊な業務であればその特殊性を明確にして、他の業者ではできない、ということを示すべきであって、

談合入札してもいい、ということにはならないわけです。

ニュースの裏側には止むに止まれず、という事情があったことと思いますが

文化財関係の信頼をこれ以上崩さないように業界全体でしていかないといけませんね。


本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。



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