第1273回 2022/3/22〜28の歴史ニュース
1、落ち着かない季節
年度末も押し迫って、どんどん圧迫感が増していく時候となりました。
さて、気を取り直して、今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。
ちなみに前回はこちら。
2、ニュースヘッドライン
①鳥取市の鳥取県立博物館で桜田門外ノ変に関わる人物の新資料を公開 R7
②長崎市に県立図書館の郷土資料センターがオープン R5
③長崎県島原市で島原城築城400年に向け取り組み R9
④青森県鯵ヶ沢町で旧家「月永家」に関する1万点以上もの膨大な文書の整理作業に R19
⑤名古屋市は、名古屋城内にある重要文化財の櫓の一部破損を文化庁に届け出をしていなかったと明らかに R10 C
⑥大分市国分の市歴史資料館でテーマ展示「松平殿様物語」を開催 R12
⑦東京都日野市の私設博物館、土方歳三資料館が休館へ R22
⑧愛知学院大非常勤講師の山本智子氏が平安時代の窖窯の復元へ R3
⑨高崎市の群馬県立歴史博物館は、埴輪の多様な魅力を最新のデジタル技術で広く知ってもらう「デジタル埴輪展示室」をオープン R5
3、それでもやっていくしかない
いかがだったでしょうか。
皆様の気になる話題もありましたでしょうか。
個人的には⑤の話題が最も気になりました。
漆喰が剥がれているのが見つかったのは2019年10月。
その際に文化庁に報告を怠っていたという話題。
その原因は
「き損届」を受け取った市の文化財保護室が、2年以上、文化庁へ届けを郵送していなかった
というもの。
処理しきれない書類の山の中に紛れてしまったのでしょうか。
私もいつかやってしまいそうでおそろしいですね。
修復工事を実施するために文化庁に相談する段階で手続きがされていなかったことが明らかになったとのこと。
特に誰かが被害を被ったわけではないのですが、
報道にのってしまったのは大きなこと。
波紋を広げそうです。
リアクションが大きかったのは⑦の新撰組の話題。
子孫の方がゆかりの品々を公開しつつも、人気がありすぎて
個人で対応しきれないため休館する、ということ。
来館者不足に悩んでいるところも多いのに、なんともやりきれない思いです。
財団組織で運営するとか、クラウドファンディングで資金を集めるとか
素人考えではもっとどうにかならないか、と思ってしまいます。
将来的には貴重な資料が散逸しないように、ということも考えていかなくてはいけませんが、
どこの自治体でも余裕がなくなってきていますので活用、という面からは市町村に預ければなんとかなる、ということではなくなってきています。
一方で④の新資料の話題。
人口1万人を下回る小さな町で地元の旧家から1万点もの資料が寄贈されて
整理して目録をとるだけでも大変だろうな、と。
翻刻して活字化、町史に掲載となると何年もかかってしまうことでしょう。
まずは散逸を免れたということは喜ばしいですが、
どうしても同業者として、自分の町だったら、と考えてしまいます。
どこの地方でもそれぞれの場所で苦労があって
それでも一つ一つ文化財を後世に伝えていく努力がなされていること
伝える価値があるものだ、と理解してもらえるためには活用を図っていかなくてはいけない、ということ
明日も自分にできることをやっていくしかありませんね。
本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
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