第357回 2019/4/16〜22の歴史ニュースピックアップ
1、今週の歴史ニュース総まとめ
今週はなんといってもあの話題ですよね。
フランスはパリのノートルダム大聖堂の火災。
映像を見ても現実とは思えないほどの衝撃。
TL上がフランス一色にそまりました。
ナポレオンの戴冠式も行われたかの聖堂は一部修復中で、そこからの失火ではないかと言われていています。
これから詳細な調査が行われて、原因だけでなく、今後どうすべきかが見えてくるのかもしれません。
あまりにも衝撃的なニュースですが、気を取り直して普段の連載に参りましょう。
例によってTLで見かけた気になるニュースを集めてコメントをつけてリツイート。
「いいね」と「リツイート」の数をまとめてリアクションのR、コメントがついたかどうかはCで表現しています。
2、14件の話題から今が見える
①京都の上賀茂神社で曲水の宴を再現 NHK NEWS Web R54 C
②福島県浪江町から避難し、いわき市で工房を再建した大堀相馬焼「陶吉郎窯」の作品を展示する個展を仙台市のデパートで開催 河北新報 R27 C
③宮城県栗原市一迫の風の沢ミュージアムで養蚕をテーマにした展示会を開催 河北新報 R11
④フランスのマクロン大統領はノートルダム大聖堂を訪れ、再建を誓う AFP R14
⑤後藤新平のデスマスクが台湾の寺院にあることが判明 岩手日日 R25
⑥愛知県犬山市で「慶長」という元号を刻む和時計を発見 CHUKYO TV R44
⑦静岡県浜松市で「浜松パワーフード学会」が設立。家康の長寿にあやかり地元食材をPR スポニチ R18
⑧会津藩家老田中土佐が子孫に託した短刀が福島県立博物館に寄託 福島民報社 R23 C
⑨茨城県古河市の古河歴史博物館で備前名刀を集めた企画展を開催。5月6日まで 茨城新聞 R17
⑩地震からの復旧工事が進む熊本城から「慶應」の元号が記された滴水瓦が出土 熊本放送 C86
11 奈良県橿原市博物館で特別展「はにわから探る、暮らしの男女」を開催 毎日新聞 R19
12 正倉院に伝わる大型風鈴「金銅鎮鐸」が釣鐘の技法と銅鐸の技法の二系統で作られていたことが判明 毎日新聞 R27 C
13 三重県松坂市の朝見遺跡で「平成」と墨書された土器が出土 中日新聞 R9
14 長崎県松浦市の埋蔵文化財センターに蒙古襲来沈没船の保存処理施設が完成 長崎新聞 R8
3、美しい文化財には美しい物語がよく合う
いかがだったでしょうか。
気になるニュースはありましたでしょうか。
リアクションが一番多かったのは⑩の熊本城から出土した滴水瓦の話題でした。
復旧が順調に進み、明るい兆しも見えてきましたね。
滴水瓦については次の機会に用語解説で取り上げたいと思います。
次いで多かったのは①の曲水の宴の話題と⑥の慶長の和時計でした。
個人的には⑧の会津に帰ってきた短刀のニュースに最も心を動かされました。
同じ東北人として感情移入しすぎかもしれませんが、あるサムライが最期の時に娘に託した守り刀が何台もしっかりと受け継がれていたこと。
そして平和な時代になってそれが里帰りして地元の博物館に預けられる、創作物のような美しい物語ですよね。
翻ってフランスの話題に戻って恐縮ですが、大聖堂の復旧に富裕層がこぞって寄付を申し出たそうです。それに対して貧困層が反発しているというニュースもありました。そんなに溜め込んでいるならもっと庶民の生活を向上するような形で使ってくれということなのでしょう。
食うや食わずの生活をしている人でも、人間である限り誇りを失っては生きていけないのではないでしょうか。
国のシンボル、統合の象徴のような文化財に対して、国の税金を投入して修復するのに対して、民間の資金を投入してやった方がみんなにとってメリットがありますよね。
それなのに、格差を恨み、文化の復興にケチをつけるというのはあまり美しくない物語ですよね。
万が一我が国で同様の悲劇が起こったら国民はどのような反応をするでしょうか。
知りたいような知りたくないような。
皆さんはどう思いますか。ぜひご意見ご感想をお寄せください。
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