第1207回 2021/10/26〜11/2の歴史ニュース

1、月曜日すぎちゃった

疲れがたまっていたのか、昨日は息子が寝付くまで隣に居ようと思っていたら先に寝てしまったらしく、すっかり更新が途切れていました。

気を取り直して今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。

2、ニュースヘッドライン

①イラク北部ニナワ県ファイダ付近で2700年前の新アッシリア帝国の灌漑用水の壁面のレリーフを発見 R9

②奈良県田原本町の唐古・鍵考古ミュージアムでNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)を活用へ R12

③旧相馬藩主の「殿様」が経営する牧場でとれた牛乳を使ったプリンで伝統行事を振興 R5

④ 埼玉県寄居町の県立川の博物館で企画展「秩父を散歩しませんか?~神社仏閣に地形と石を訪ねる」を開催。11月23日まで R5

⑤凸版印刷が高精度ARを活用した博物館ガイドシステムを開発 R12

⑥青森県五所川原市の石田(2)遺跡で平安時代の井戸枠を発見 R32

⑦三重県鳥羽市の「江戸川乱歩館~鳥羽みなとまち文学館」で火災、多くの資料が焼失 R9 C

⑧青森県南部町の国史跡聖寿寺館跡で新たに門跡、虎口を確認 R8

⑨新疆ウイグル自治区のタリム盆地で出土したミイラが同時期に生きていた他の集団と混合した兆候が見られないことが判明 R12

⑩鳥取県鳥取市で古代山陰道の遺構を確認 R5

3、博物館の未来

いかがだったでしょうか。

皆様のきになる話題もあったでしょうか。

今回は②と⑤の2件博物館に最新技術導入の話題が入りました。

⑤はこれまでも活用されてきた拡張現実。

どんどん進化して大規模かつ多彩になってきていますが、目新しいものではないのが本音です。

一方で②はすでに美術館では導入事例があるものの、歴史系の博物館では初めての取り組み、ということ。

確かに重要文化財クラスの遺物であれば、写真などのデータの二次利用に制限をかけて正規に料金を領収した上で活用して貰えば

文化財保護のための資金を自ら稼ぐ、という昨今の流れに乗っている感じはします。

ただあくまでも実験的な取り組みで、今後これがスタンダードになるかというと、個人的にはまだワンクッションあるのではないかと思います。

博物館は本来「無料」で公開されるものですし、学術研究の促進のためであればこれまでも出典を明らかにすれば利用されてきたのではないかと思います。

そのこと自体が文化資本であるべきで、

例えば画像の有料利用者として想定されるのはどの層なのか

によっても話は変わってくるのではないでしょうか。

画像を利用してグッツ等を開発・販売するのであれば、もちろん利用料金をとるべきでしょうけれども、これまでのケースバイケースでは対応できないのでしょうか。

記事に

コロナ禍においての入場者数の激減により、文化財、美術品に触れる機会が減ったこと、また、国内の不景気による日本の所有物の海外への流出について考えた事がきっかけ

とありますとおり、次代の博物館や文化財のあり方を考える上で大きな試金石となることが予想されます。

期待を込めて注視していきたいと思います。


本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?