第168回 信じているのは明るい未来

1、読書記録11

縁あってジビエ料理をいただく機会がありました。

イノシシにシカ、ウサギにワニまで。

どれも美味しく、日本の山の豊かさを感じるひと時でした。

そこで思い出したのがこの本。

里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21) / 藻谷 浩介,NHK広島取材班 #読書メーター https://bookmeter.com/books/6955980

数年前にたまたま著者の講演を聞く機会があり、著書を手にしたのでした。

2、豊かな里山を取り戻す

藻谷氏は地域活性化の伝道師的な人物で、平成大合併前の3200自治体すべてを視察したという触れ込み。

マネー資本主義に毒された我々の生活をヤクザな生き方と断じ、仕方がない、と諦めていた支出を見直す。

と冒頭からきつい言葉で個人でもできる、よりよい社会への道を示してくれています。

人が生きるために必要なものはまず、水と食料と燃料。

本来、我が国は豊かな水と土壌に恵まれ、山の樹木から建材や燃料を十分に得ていました。

いつの頃からか、輸入に頼ってしまっています。そのためにお金が必要になります。

ですが今でもお金を払わなくてもこれらを入手できる地域すくなくないと著者は言います。

山の雑木を薪にし、井戸の水を汲み、棚田で米を、庭先の畑で野菜を育てる暮らし、鹿と猪の肉。先祖が里山に営々と築いてきた隠れた資産にはまだまだ人を養う力が残っている。
これにバイオマスチップの完全燃焼技術を加えることで21世紀の資産として復活できる。

その実例が5章に渡って紹介されます。

3、少子高齢化さえもチャンスに変える

また著者は

デフレの正体はミクロ経済学上の値崩れ

だと断じ、そう簡単に日本の経済的な繁栄は終わらないと語ります。

そこで描かれる未来はとてもステキで、特に人口減少社会が訪れることによって、人一人の価値が相対的に高くなることも見逃せません。

高齢者であっても、障害があっても自分のできることで地域でかけがえのない存在になり得る、とのことです。

地域に向き合い、未来を考えていくために何度も読み返したくなる本でした。

第148回の記事

https://note.mu/tunawataridori/n/nf326b70fb44c

と比べてもらうと、その違いも浮き彫りになって面白いかもしれません。

#藻谷浩介 #里山資本主義 #ジビエ #少子高齢化 #ミクロ経済学 #地域活性化 #マネー資本主義




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