第1094回 2021/5/11〜17の歴史ニュース

1、何が起こるかわからないから面白い

今日はとても綺麗な虹がかかっていました。

最近は事務仕事に没頭されて空を眺める時間なんてなかったので

なんだか心が救われた気分です。

さて今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。



2、今週はバランスよく幅広い話題

①イタリアはローマの古代ローマ遺跡コロッセオに床を設置する「復元」プロジェクトを発表 R5 C

②山形県寒河江市に国指定史跡・慈恩寺旧境内の魅力と価値を伝えるガイダンス交流拠点施設「慈恩寺テラス」が完成 R3

③京都市東山区の裏千家十一代玄々斎ゆかりの茶室の改修にCFで資金調達へ R4

④兵庫県播磨町で共同墓地を丸ごと墓じまい R8 C

⑤宮城県塩釜市の杉村惇美術館で「チリ地震津波」の写真展を開催 R15

⑥群馬県で榛名山の噴火により埋もれた金井東裏遺跡(渋川市)と三ツ寺Ⅰ遺跡(高崎市)の1500年前の様子を再現したスマートフォンアプリ「榛名山古代遺跡タイムトラベル」を開発 R6

⑦三重県鳥羽市の旧家で「大正の大火」で焼けた古銭がみつかる R11

⑧中国陝西省西安市で前漢時代中・後期の高位者の墓が見つかり、約2千年前の人々の日用品が多数出土 R7

⑨兵庫県三木市は、「与呂木古墳出土石枕」を市指定文化財に R9 C

⑩福井県小浜市の若狭歴史博物館で国重要文化財「大音家文書」の一部の公開 R11

3、どの選択も

いかがだったでしょうか。

貴方の気になる話題はありましたでしょうか。

個人的には④の共同墓地の墓じまいの話題がひっかかります。

以前の話題では著名な学者でも、大名家ですら子孫が墓を守っていくことができなくなって、

寺院も余裕がなくなって、という負のスパイラル。

ちょっと言い方としてはアレですが、江戸時代の墓地には膨大な情報が残されているのは間違いありません。

プライバシーへの配慮はもちろん必要ですが、

200年前の人々の信仰、地域社会の様相がわかるってすごいこと。

墓石に刻まれた文字情報はもちろん、大きさや形態、配置から読み取れる情報もたくさんあります。

しかしながら毎度のことで恐縮ですが

「埋蔵文化財行政」では近世の遺跡は「地域にとって重要なもの」のみを扱う、ということになっているので

地域の墓地を全て「遺跡」として扱うことは事実上難しいでしょう。

かといって大学の研究者に全て委ねるのも、マンパワーが不足が否めません。

ただでさえ「近世考古学」を専門とする研究者は少ないのですから。

一方で①のコロッセオの復元や③の新たなガイダンス施設の開館など、発信のために新たな挑戦をする話題もありました。

危機の時代に攻めるか守るか、その選択が吉と出るのかどうか。

評価は未来の人が下すもの。

現代に生きる我々はただ甘受するだけ、なのかもしれませんね。


本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。







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