第504回 2019/9/10〜16の歴史ニュースまとめ
1、里芋を食べたくなる時期
歴史とはあまり関係ないのですが、毎年この時期になると気になるこのニュース
ミヤギでも秋は河川敷で芋煮をするのが恒例で、
豚肉・味噌味のミヤギ風と牛肉・醤油味の山形風で論争が起きるほどの
ソウルフードです。
芋煮フェスには、もう何年も行けていないので
代わりに自宅の庭で焚き火して芋煮を堪能しました。
満点の星空を楽しみながら秋を満喫させていただきました。
さて、田舎自慢はこのくらいにして、今週もTLで見かけた歴史ニュースをまとめてご紹介します。
例によってヘッドラインの後ろのRはいいねとリツイートの件数、Cはコメントがあったことを示しています。
2、今週は10件のニュース
①和歌山県上富田町の龍松山城跡で発掘調査説明会 R46
②京都市鳥辺野で11世紀半ば~12世紀半ば頃の墓跡を発見 R37 C
③宮城県涌谷町立史料館で「涌谷にのこる武具展」を開催。11月末まで R33
④宮崎県の有形文化財として平安時代作の仏像3体を新たに指定 R69
⑤愛知県名古屋市の名古屋城本丸御殿に落書き傷 R99
⑥京都市山科の5寺院が通常非公開の文化財を特別公開。12月1日まで R14
⑦滋賀県守山市の佐川美術館で企画展「名刀は語る」を開催。9月23日まで
R65
⑧南シベリアで2000年前の墓から出土したベルトバックルが話題 R15 C
⑨北海道伊達市の有珠モシリ遺跡で発掘調査開始 R17
10 千葉県千葉市の加曽利貝塚も台風の被害甚大 R37
3、文化財を傷つけるのは誰か
今回は台風による被害が明らかになってきたという意味で10 番目にご紹介した話題に触れたいと思います。
記事によると9月13日現在ですが、千葉県内で国指定・登録23件、県指定12件の文化財で被害が確認されているとのことです。
もちろん本当に被害がひどい所では、文化財担当者が現状確認をするいとまもないくらいなところもあるでしょうから、被害報告はもっと増えていくことと思います。
記事のように、遺跡が損壊した例は多いと考えられるので心配は尽きません。
防火・耐震対策については話題になることが多いですが、風水害についても、このような被災事例を蓄積していって対策を講じていく必要がありそうです。
一方で、一番リアクションが多かったのは⑤の落書きの話題。
こちらは規模は違えど人災による文化財の損壊です。
10年におよぶ復元工事を終えて、ようやく昨年公開になったばかりでした。
このようなことがあると、不利益を最も被るのは拝観者、利用者です。
例えば、今後の予防策として警備を厳重にする、監視カメラを増やすなどの対応が予想されますが、これらの経費は結局拝観料の値上げなどに繋がっていくことでしょう。
さらに、これまで拝観できた所も、今後はできなくなってしまうこともあるかもしれません。
自分さえ良ければいい、というか一時の自己顕示欲を満たすために
どれだけの人に迷惑をかけるのか、という想像力の欠如に悲しくなりますね。
記事にはスチームで木材を膨らませて目立たなくする方法を検討する、と記載されていますが、
せめてこのような事例が蓄積されて文化財の修繕に対する知見になってくれることを期待したいですね。
発掘調査で新たな発見がありましたよ、とか
こんな展覧会が開かれていますよ、とか
そんな明るいニュースばかりだといいんですけどね。
昨日よりも今日がより良い社会でありますように。
本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
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