第1118回 2021/6/15〜21の歴史ニュース

1、ミヤギにも聖火がやってきましたよ

昨日、我が町を聖火が通り過ぎて行きました。

本当にこんな日が来るのかと半信半疑でしたが、終わってみればあっという間でしたね。

久々のイベントスタッフとしての招集で右往左往しましたが

観光地としてはお客で賑わっている光景が見れたのはなんだかほっとしました。

いろいろ思うところはありますが、世紀のスポーツイベント開幕まであと一ヶ月となりました。

「いまを記録する」

ことも学芸員の仕事であれば、このドタバタと記録に残すことも必要なことです。

さて今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。

2、変わらず時は進んでいく

①東京国立近代美術館で柳宗悦没後60年記念展「民藝の100年」を開催。2021年10月26日(火)から2022年2月13日(日)まで R5

②広島市のサッカースタジアム建設予定地の中央公園広場で進めている発掘調査で、旧陸軍の輸送部隊「中国軍管区輜重兵補充隊」施設の被爆遺構を発見 R26 C

③兵庫県丹波篠山市で江戸時代に庄屋を務めた家の古文書4100点を寄贈 R18

④フランスパリ郊外のフォンテンブロー宮殿で1862年に渡欧した福沢諭吉ら「文久遣欧使節」による献上品を発見 R16 C

⑤岡山大学らの調査で弥生時代中期の争乱の原因が人工圧にあったことを検証 R3

⑥シンガポールで中国製陶磁器を積載する難破船を発見 R4

⑦会津若松市歴史資料センターまなべこは20日から、新たな常設展示「鶴ケ城再発見と昔の暮らし」を開催 R4

⑧佐賀県上峰町で源為朝伝説が残る町北部の鎮西山の発掘調査へ R12

3、アピール力があったほうがいいのは間違いない

いかがだったでしょうか。

先週に引き続き今週も10件集められませんでしたが

インパクトの大きい話題ばかりでしたね。

個人的に印象深かったのは④の話題。

世界遺産にもなっているフォンテンブロー宮殿は彼の国最大のお城とのこと。

歴代フランス王がこの宮殿で生まれ育ち、また世を去って

数々のエピソードを残していますが、フランス革命で一時的に荒廃します。

ナポレオンとその甥、ナポレオン3世が政治の舞台にした場所でもありました。

福沢諭吉らが訪れた頃はこのナポレオン3世の時代。

記事によると皇帝の妻、ウジェニー皇后は東洋美術への造詣が深かったとのこと。

彼女の私的コレクションとして管理されていたことや

10年も経たずにナポレオン3世が失脚したこともあって表に出てこなかったのでしょうか。

他の話題では

⑤で「人工圧と殺傷人骨」を統計的に考察する、ということに対して

こうした定量的な考察は、今後の考古学のあり方を大きく変えていくだろうと考えられます。

というのは、これまでの考古学では「定量的な考察」が主流ではなかった、と吐露しているような印象を持ちます。

⑥の話題では、調査に携わった研究者が

世界で記録されたどの難破船よりも多くの元王朝の青花磁器を運んでいた

と胸を張るという文脈もなんだか身構えてしまいます。

どちらも最先端の研究に携わる方への敬意はもちろんありますが

いかにすごいか、を声高に主張するのが果たして正解なのか、考えてしまいますね。

うまくモヤモヤが表現できないので、今日はこの辺で。


本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。



 


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