第957回 2020/12/8〜14の歴史ニュース

1、雪と漢字と忠臣蔵

私の住む町でもはっきりと粒が見える雪が降りました。

今年の漢字も大方の予想通り「密」に決まったようですし、

忠臣蔵が討ち入りした日でもありますし、

年の瀬ですね。

さて、今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。

2、ニュースヘッドライン

①中国河南省洛陽市伊川県の徐陽墓地で春秋時代の墓を発見 R15

②群馬県沼田市の国登録有形文化財「旧日本基督教団沼田教会紀念会堂」の移築工事が終了 R3

③東京都八王子市の八王子城跡で「御主殿」の建物跡でいろりのような痕跡を確認 R16

④京都府木津川市の恭仁宮跡が「朝堂院」の大きさが東西117・3メートル、南北98・8メートルと確定 R5

⑤熊本県熊本市で私有地の古墳を保存へ R67 C

⑥竹中工務店は2021年4月から都内にある登録有形文化財のビルをシェアオフィスとして運用 R4

⑦北海道稚内市太記念館と副港市場1階港ギャラリーで企画展「稚内駅の歴史展」 R8

⑧ 東京都文京区小石川後楽園に入る正式な入口である「唐門」の復元工事が完了 R10 C

⑨鹿児島県西之表市の二石遺跡と長迫遺跡で縄文時代早期前葉(約1万年前)に作られた勾玉形装身品など石製品3点が出土したと発表 R

⑩福岡県太宰府市の九州国立博物館で開館15周年記念特集展示「織物に魅せられて―加賀前田家伝来の名物裂」を開催。2021年1月24日まで R3


3、志ある市民が模範

今回取り上げた話題の中で一番リアクションをいただけたのは⑤の個人で古墳を保護することを決めた方のニュースでした。

企業の社長さんだからできる、ということはあるのでしょうが、私費を投じて古墳などを整備する例は非常に珍しいですよね。

たとえ自分の土地でも、地球の長い歴史から見れば使わせていただいているんだという感謝の気持ちが芽生えた。古墳を残して良かった

というコメントが掲載されており、心が洗われる想いです。

行政の文化財担当者なんてやっていると遺跡が破壊される場面ばかり見てしまうので

上記の様な言葉をリアルで聴いたら泣いてしまうかも。

古いもの、地域の人が長い間大事にしてきたものに敬意を払う、ということは当たり前ではないのですよね。

個人的には③の囲炉裏の遺構が話題になっているのが気になります。

縄文時代から竪穴建物には造り付けのカマドが伴うことが多いんですが

中世になるとどこで火を焚いて暖を取り、調理をしていたのか不明瞭になります。

火鉢で小さい火処を携帯していた、ということはあるのですが、

メインはどうしていたのでしょうか。

囲炉裏ではないか、という遺構はちらほらあるのですが絶対的に少ないように思います。

昔話にあるように、どんなあばら屋にも囲炉裏がある、という光景は江戸時代も後半になってからなのかもしれませんね。

⑥のように文化財建物をオフィスとして使うのはちょっと憧れるんですよね。

県庁とか市役所が登録文化財ってよくあるじゃないですか。

実際使いづらいとかあるかも知れませんが、行政がまずは古いものを大事にする姿勢を見せないとダメですよね。

民間の模範となってほしいところです。


本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?