第990回 2021/1/12〜18の歴史ニュース
1、2021年もなかなか落ち着かないスタート
1月26日は全国の文化財で一斉に防火訓練が行われる「文化財防火デー」
我が町ではここにきて急遽中止することになりました。
もう進むも地獄、退くも地獄という感じですかね。
さて今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。
ちなみに前回はこちら。
2、いまやるべきことは
①イタリア南部の古代ローマ都市ポンペイの遺跡で、現代のファストフード店に相当する食堂のカウンター跡が発掘 R15
②山形県山形市の山形美術館の企画展「山形 美の鉱脈 明治から令和へ」で大江町の廃村の神社で保管されていた風神雷神像を展示 R59 C
③ヨルダンの首都アンマンの中心部で、大規模な下水道設備の工事中に、古代ローマの浴場の遺跡を発見 R9
④地域が守ってきた仏像の維持、高齢化で危惧 R14 C
Twitterでシェアした記事はリンク切れだったので同じ話題を取り上げた別の媒体をシェアします
⑤神奈川県で郷土資料館のない自治体は… R45 C
⑥岐阜県美濃加茂市の堂洞城跡で炭化物を発見 R9
⑦鹿児島市の鹿児島城(鶴丸城)御楼門前から、江戸時代前期の「犬追物馬場」跡とみられる遺構を検出 R14 C
⑧長崎県松浦市・鷹島沖の鷹島神崎遺跡で木製いかりを引き揚げるプロジェクトを企画し、クラウドファンディングで資金を募る R14 C
⑨福島県二本松市で二本松城の復元機運高まる R32
⑩京都府が2022年の文化庁京都移転にあたり、ロゴマークを募集 R10
3、危機にあることを正しく認識
今回ご紹介したニュースは実際にリツイートしたのは年末年始期間だったためか、多くのリアクションをいただくことができました。
最も多かったのは②の「限界文化財」というショッキングなワードが登場する話題。
寺社仏閣ではなく、地域で守ってきた仏像が維持できなくなって危機に直面している、という状況は実際に日本中で起こっていることでしょう。
④も同様、今はなんとか維持できているが、このまま高齢化すると……
というネタが調べてみると何年も前から危惧されていたようです。
今年こそは最後になるかもしれない、と思いながら儀式を続ける、というのは
大変辛いことですよね。
ただモノだけ博物館に納めて守ればいい、という問題ではないのですよね。
地域の人々との関係が断たれてしまえばもう生きた文化財ではなくなってしまいます。
国はコロナ前まで集客のネタになる文化財を「インバウンド」と結びつけて自ら稼ぐことを推奨してきましたが、
行きすぎるとこのような観光とはそぐわない性質の文化財は救われなくなってしまいます。
比較的財政に余裕がありそうな首都圏の自治体でも郷土史料を守っていくための資料館を有していない、という⑤の話題には驚かされます。
1月1日にこの問題を取り上げる神奈川新聞に敬意を表します。
教科書に載っている道具や事象が、実際に自分の町にも残っている、
過去に生きた人と今の自分の暮らしが直接繋がっている、
そう感じることができる郷土資料館という存在は必要性が低いと言ってしまっていいのでしょうか。
コロナ禍で経済が落ち込み、税収も下がれば
削られていく部署になってしまうのかもしれません。
最終的にどう判断するのか、その街は歴史を大事にするのかしないのか
それは住民たちの決断でしかありませんが、
判断するための正しい情報は提供していくべきでしょうね。
よくわからない、行ったことがない、どんな使われ方をしているかわからない
けど、いらないよね。
そう言われてしまえば終わりです。
こんな場所があったのか、こんな学びの方法もあるのか、私自身が好きではなくてもそれを好んでいる人がいることは理解できる
せめてそう言われる施設になっていきたいものです。
本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
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