第1190回 2021/9/28〜10/4の歴史ニュース
1、さあこれからだ
10月1日から緊急事態宣言が解除されたり、自民党の総裁選があったりと
なんだか変化が多いというか、節目となるような一週間でしたが皆さまはいかがお過ごしでしょか。
さて今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。
ちなみに前回はこちら。
2、ニュースヘッドライン
①青森県青森市の三内丸山遺跡で溝跡が50m以上伸びていることを発掘調査で確認 R3
②大分県臼杵市の歴史資料館で企画展「不滅の豊後刀~大友から臼杵藩の刀剣」を開催。12月20日まで R8 C
③佐賀県唐津市の名護屋城博物館で特別展「綺羅、星の如く―戦国の雄、肥前名護屋参陣―」を開催。11月7日まで R1 C
④鹿児島県鹿児島市桜島赤生原町の長谷港沖の海底調査で薩英戦争の沈没船と思われる人工物を発見 R20 C
⑤福井県福井市では一乗谷朝倉氏遺跡を地元小学生がガイド R10 C
⑥宮城県利府町の羽黒前遺跡で古代の防御性集落を発見 R13
⑦東京都武蔵野市の武蔵野ふるさと歴史館で小学生の自由研究で作られたジオラマを展示 R
⑧滋賀県草津市の琵琶湖博物館で郷土料理の作り方や模型を集めた展示会を開催。11月21日まで R1
⑨三重県津市の三重県総合博物館MieMuで戦国時代をテーマにした展示会を開催。11月27日まで R3
3、栄枯盛衰は歴史の彼方に
いかがだったでしょうか。
今回はやはり隣町の遺跡発掘調査の話題から。
羽黒前遺跡は仙台市と利府町にまたがる丘陵上に位置する遺跡です。
この丘陵下は物流を担った河川と街道が交差する場所で
中世の大規模集落である洞ノ口遺跡や当地域でも著名な山城、岩切城が近在す要衝の地ですので
中世の遺構も大いに期待していましたが、まず最初の大きな成果は古代。
溝を巡らした内側に少し規模の小さな竪穴建物跡が検出された、ということで「特別な事情」と記事にはあるように、平時の集落というよりは
軍事的な意味合いが強い、と推定しているようです。
仙台市側は来年度になってから調査、ということなので発掘調査の進展をもうしばらく待ちましょう。
そして博物館が小学生の自由研究に協力し、その成果を展示する、という理想的な形が実現した⑦の話題。
自分の子どもが小学生になってよくわかるのですが、学校では自由研究のやり方なんて教えてくれません。
それはそれで教員の多忙な状況を改善しなきゃいけないことなんですが
やり方や見本を示さずに、「研究しろ」っていうのも無謀な話だと思いませんか?
しかも昨今では「必須」の宿題でもなくて本当に「自由」研究。
けだし教育熱心な家庭のみが親の強力なサポートを経て子どもたちが成長する、という構図。
それを少しでも改善、というか興味関心があってもやり方がわからない子ども向けに博物館ができることってもっとありますよね。
それを思い出させてくれたいいニュースです。
そして最後は伊勢の大名、北畠氏の話題。
南北朝時代のキーマンである北畠親房や顕家を輩出したあの名族が
戦国時代には晴具・具教という文武に優れた当主が領国を広げながらも
織田信長に屈して、やがて滅亡してしまったからか
歴代当主の中で一人しか肖像画を残していない、というのはなんとも物悲しさを感じさせます。
それが栄枯盛衰の歴史だ、と言って仕舞えばそれまですが。
本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
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