第343回 再評価が進む武将たち
1、大河が決まると新発見がある法則
2020年NHK大河ドラマ「麒麟がくる」でも活躍が期待される武将の1人に明智秀満がいます。
大河ドラマが決まると関連する自治体でも歓迎ムードが広がり、登場人物たちにちなんだ展示会が開かれるなど徐々に盛り上がっていきます。
これまで歴史ニュースまとめの記事でも明智光秀関連の話題に触れてきましたが、
あるニュースをリツイートをした所、予想外にリアクションがあり、複数のコメントをいただいたので少し考えることがありましたので
少し整理してシェアしてみたいと思います。
2、謎の武将、明智秀満
明智秀満は主君の光秀同様、前半生は謎に包まれています。光秀の娘婿として明智姓を名乗っていたとか、光秀の従兄弟である明智光春と同一人物だったとか諸説が入り乱れています。
ただ「弥平次秀満」と署名されている文書が残されているため実在は確実なようです。
昨年2月には三重県で新たに秀満の文書が見つかり、光秀の本拠地、坂本城の築城に関して指示を出しているところから、重臣としての位置も確かになったと話題になっていました。
そして伝えられる秀満のハイライトは光秀が山崎の合戦で敗れた後のこと。
別働隊を率いて信長の本拠であった安土城を抑えていた秀満は、坂本城に落ち延びる際に馬と一緒に泳いで琵琶湖を渡ったとされ、「明智左馬助湖水渡り」として伝説になりました。
3、時代で人物の評価は変わるもの
そして、この話題で考えたのは再評価について。
前述のリンクを貼った先でも画像が上がっていますが、浮世絵にも描かれるということは、秀満は相当人口に膾炙していた人物であったことは間違いありません。
浮世絵は今で言うコレクターズアイテム。
某ゲームで課金をしてガチャを引いて特定のキャラを引き当てるような感覚で
講談に登場する英雄豪傑、大相撲で活躍する力士、2枚目の歌舞伎役者などが題材になった浮世絵を集める層がいたことでしょう。
他にも今はそれほどではなくてもある時代には高い知名度と人気、社会的評価がなされていた人物も多く見られます。
例えば南北朝時代の楠木正成。
「桜井の別れ」など戦前の教科書にも登場するような有名なエピソードですが、現代の若者はどれだけ知っているでしょうか。
局地戦に優れた戦術家で、南朝に殉じた悲劇のヒーローとして、評価されていた時代もあったことは間違いありません。
ごく最近で言えば『観応の擾乱』のヒットで南北朝ブームが来ていますが、これは歴史クラスタという限られた世界のこと。
時代によって評価される生き方が変わってきていることもあるかもしれません。
明智秀満も前節のように活躍していた期間は短いですが、興味深いエピソードが多くありますので、大河ドラマの脚本次第では人気の再来もあるかもしれません。
このような人物評価の変遷もある意味世相を反映している貴重な指標でもありますので、今後も注視していきたいと思います。
皆さんの一推しの歴史上の人物で、時代によって評価が変わった人はいませんか?
もしそのような事例があったら是非コメントで教えてください。
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