第1043回 2021/3/9〜15の歴史ニュース

1、勘違いも笑えたらいいよね

昨日はホワイトデーでしたね。

どうでもいですが、King Gnuの「白日」をホワイトデーの曲だと思っていました。


さて今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。


2、保存することの意味

①兵庫県丹波市の岩尾城跡で古井戸の底から木簡出土 R3

②京都市下京区の重要文化財「杉本家住宅」で大規模修繕費用をクラウドファンドで R5 C

③日本考古学協会が東京都港区で見つかった鉄道開業時の遺構「高輪築堤」の全面保存を求める会長声明を発表 R7 C

④中国の四川省達州市の羅家壩遺跡で東周時代(紀元前770年~同256年)の墓群を発見 R2

⑤熊本大学永青文庫研究センターで細川家のキリシタン重臣関連資料を発見 R5

リンク切れ

⑥島根県松江市の出雲国府跡で前殿を発見 R7

⑦高知市の県立坂本龍馬記念館で「福井藩展」を開催。4月4日まで R1 C

⑧香川県坂出市「開法寺跡」の現場説明会 R4

⑨広島県三原市の米山寺・小早川家墓所にある国重文「米山寺宝篋印塔」の地下から備前焼の甕と火葬骨片を発見 R5

⑩長野県塩尻市平出博物館で所蔵する資料を三次元データで記録保存・活用する取り組みが進む R4 C

3、楽しいことが一番

いかがだったでしょうか。

貴方の気になる話題もあったでしょうか。

個人的には③は自分も所属する学会のことですので非常に感心を持っていました。

日本考古学協会は詳しく話すとそれだけで紙幅が多くなってしまうのですが

日本の考古学者の所属団体の中で最も権威がある団体と言えます。

これまでも何度か開発で失われようとした遺跡に対して保存要望を行なってきましたので、

今回の声明を出すこと自体は自然な流れだと思います。

声明文中にある

高輪築堤跡は日本だけでなくアジアの近代化の過程をも示す、世界史的にも稀有な遺跡です。 近代史・科学技術史・国際交流史における価値は、疑問の余地なく国史跡あるいは国特別史跡に 相当すると私たちは考えます。

という部分も特に異論はありません。

強いて言えば近代遺跡に行われたというところが特筆すべきかな、と。

今後の展開に目が離せませんね。

⑩の博物館が資料の三次元データを記録し公開するという話題も、まさに「いま」を象徴するものです。

三次元計測にしても、データの公開にしても技術の進化が著しく、

コストも下がってきたおかげで、地方の小規模な博物館でも手が届くようになってきました。

手を伸ばせば届くところにあるものを掴むかどうか、

国の補助金など後押しするものはどんどん投下されていきます。

それでも尻込みするところは淘汰されるのか

そもそもそこに果実がなっていることすら目に止めない自治体は

衰退していくのか。

ちょうど文化財に価値を見出さない人に対して

どう説明するか、というのが話題になっていましたね。

私自身の考えとしては

文化財に限らず、文化そのものが、生命の維持に直結するものでなく

価値を見出すかどうかが人によって大きく異なるものだ、というところを出発点として

文化というものは無駄から生まれるものだ

ということにたどり着くのではないかと。

全く無駄のない、ただ「楽しいから」「好きだから」という理由で存在するものが無い人生を送りたいですか、と尋ねてみたいですね。

その上で、どの文化製作を重視するかは自治体ごとで違うのですから

自分で居住地を選ぶなり、自分の考えに近い政策を掲げる政治家を立てるなりして自分にとって住みやすい環境を整えていくしかないのではないでしょうか。

私にとって歴史とか文化財とかは最も楽しいものなので、全力で保存しますし、それを肯定してもらいたいから必死に普及活動に取り組みますし、活用して楽しさを多くの人と分かち合いたい、ただそれだけのこと。

肩肘張らずに本音をいうとこんな感じでしょうか。


本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。







 







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?