第1149回 2021/8/3〜9の歴史ニュース

1、結局終わってみれば

世紀のスポーツイベントも無事?終了しました。

ニュースレベルでも後世に語り継ぐべき話題も数多くあったように見受けられましたが、私の役割でもなさそうなので特に触れません。

地方の一学芸員として、その土地の記憶として残すべきものとしては

聖火リレーが通過した時の空気感とかは実感を持って伝えられるので

いずれ時が来たら回顧展を企画したいとは思います。

それにしてもエラい人がグズグズでも現場の人が頑張ってなんとかなってしまう、というのは規模違ってもこの国のどこでも見られる構図ですね。

その評価はまた歴史がしてくれることでしょう。

さて今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。


2、ニュースヘッドライン

①島根県出雲市の旧海軍大社基地の記録調査の実施を発表 R8

②石川県小松市の市埋蔵文化財センターで企画展「校下別代表遺跡で語る! こまつ歴史年表2021」を開催 R7

③奈良県奈良市の平城宮跡から現代とそっくりな竹尺が出土 R10

④福井県坂井市の沖布目北遺跡で縄文時代後期の集落 R9

⑤秋田県は世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成遺跡の一つである鹿角市の大湯環状列石を通る県道の移設を検討 R18

⑥宮城県利府町で旧家から「寛永検地帳」を発見 R10

⑦3700年前ごろの古バビロニアの遺跡から見つかった粘土板に、「三平方の定理」を使った正確な直角三角形が R14 C

⑧奈良県奈良市の西大寺跡の食堂院跡の井戸から、アジやタイなど海産物の残骸が大量に出土 R9


3、時空の流れは

いかがだったでしょうか。

コメントが多く寄せられ関心が高いことがわかったのは⑨の三平方の定理。

誰しもが学校で習った記憶があるのでしょう。

古代ギリシャのピタゴラスが発見したとされていましたが、実はもっと古くからバビロニアでは応用されていた技術だったとのこと。

その証拠の一つが刻まれた粘土板は1894年にイラクで発掘されたものですが

今回の発見はトルコの博物館でオーストラリアの大学の研究者が2018年に分析した結果だといいます。

この間も100年のタイムラグがありますね。

ちょうど奈良の平城京で現代のものと変わらない竹尺が出土したという話題③もありました。

1000年の時を飛び越えて変わらない営為をしていることに親近感を覚えることもあり、

時には自分の発明が実は1000年も昔の先人がすでに通った道だったりとか。

100年前の発掘調査では見つけられなかった成果が、今になって大きな意味を持ってくるとか。

時間の感覚はとても流動的で一定しないのが魅力ですかね。

そして①には第二次世界大戦の関連以降が記録保存することに決まったという話題。

そう、もうすぐ8月15日がやってきますね。

その日に向けてまた戦史関連の話題がTLを賑わすことになるのでしょうか。

そのあたりもまた来週のこの連載で触れられるかと思います。


本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。



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