第1104回 2021/5/25〜6/1の歴史ニュース
1、しれっと1日遅れ
毎週月曜投稿ですが、昨日は力尽きてしまったので1日遅れでお送りします。
さて今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。
ちなみに前回はこちら
2、ニュースヘッドライン
①宮城県蔵王町の保昌寺で県指定文化財の仏像組み立て修理作業を公開 R13 C
②奈良県奈良市の菅原遺跡で円形建物跡を発見 R10
③岐阜県土岐市の妻木平遺跡から、鎌倉時代の祭祀遺構を発見 R4 C
④スペインはアンダルシアの砂浜で古代ローマ時代の浴場施設を発見 R5
⑤文化庁の文化審議会で東京都代々木競技場など7件の建造物を国の重要文化財に新たに指定することを萩生田文部科学大臣に答申 R6
⑥奈良県桜井市の藤原京跡でブタの寄生虫卵を検出 R8 C
⑦滋賀県長浜市の安念寺の仏像十体が、高月観音の里歴史民俗資料館で特別公開 R12 C
⑧イコモスが北海道・北東北の縄文遺跡群を世界遺産にするよう勧告 R27
【東奥日報 号外】縄文 世界遺産へhttps://t.co/bO1TKj7oCF pic.twitter.com/7yciFIAkox
— 東奥日報(青森) (@toonippo) May 26, 2021
⑨岩手県盛岡市のもりおか歴史文化館で企画展「南部家のたしなみ-詠む・描く・書く-」を開催 R5
⑩岩手県奥州市の旧後藤家改修が終了し、記念式開催 R3
3、豚から世界建築まで
いかがだったでしょうか。
今週は話題のニュースが多かった印象です。
⑧はすでに本連載でも取り上げています。
今後の展開が楽しみです。本登録までに色々な動きがあることでしょう。
②の話題もじわじわと大きくなってきました。
研究者や教員、市民らでつくる「文化財保存全国協議会」と「奈良歴史遺産市民ネットワーク」が保存要望を提出、という続報です。
高輪築堤跡に引き続いて「開発」と「遺跡保存」とのせめぎ合いが起こるのは文化財に対する意識が高まってきたという楽観的な見方をしてもよいのでしょうか。
考古学者がつくる最大の学会、日本考古学協会ではまだ態度を表明していませんが、リアクションはするのでしょうか。
今後も目が離せませんね。
そして最年少の重要文化財が登場した、という⑤の話題。
連日開催の是非が揺れる東京2020オリンピックの今、
前回の東京オリンピックのために作られた競技場が重要文化財になるとはなんともドラマチックですね。
戦後の建築はまだまだ保護制度が追いついていない現状ですが
再開発などで急速に失われていくのは大変忍びないこと。
いつも感じていることですが「文化財保護法」よりも適切に歴史的建造物や景観を守るのに適した法律が別にある、という状況も少なくないと感じています。
また個人的に気になる話題は⑥の豚食文化。
縄文時代にイノシシを食す文化があったのに、豚を家畜にする、という方向性にはなかなか進まなかった日本列島の先人たち。
今回の発見も「渡来人」の残した痕跡ではないか、と指摘されていますが
美味しい食べ方をしていれば真似したくなりますよね。
寄生虫におかされる、というのは生食に近い形態だったと推定されますが
一体どんな料理だったのでしょうね。興味はつきません。
来週もTLで色んなニュースにであえることでしょう。
本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
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