第1271回 2022/3/15〜21の歴史ニュース

1、きっとまた立ち上がれる

地震、びっくりしましたね。

体感の揺れの大きさだけでいうと東日本大震災以来の衝撃でした。

例によって職場に招集され、避難所の一つに配置。

朝になって避難指示が解除されたこともあり、そのまま通常勤務に引き続いて従事、という流れだったので生活リズムが崩れまくりで今週は使い物になりませんでした。

当町では近隣に比べるとそれほど大きな被害ではなかったと思いますが、それでも管理施設のガラスが割れたり、壁に亀裂が入ったりという状況です。

何より新幹線というインフラの復旧が遠いのが暗い影を落としていますね。

さて、気を取り直して、今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。

2、ニュースヘッドライン

①イングランドのラトランド州で3〜4世紀、ローマ時代の邸宅の規模が地中探査で判明 R3

②和歌山県高野町の高野山金剛三昧院の経蔵から鎌倉時代の棟札を発見 R4

③奈良県田原本町は唐古・鍵遺跡から出土した絵画土器などをインターネット上で紹介する「唐古・鍵バーチャルミュージアム」を令和4年度に構築 R2 C

https://www.sankei.com/article/20220310-HC2BVEU47JKXBL3YB3P3K7ZSWE/

④千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館で「中世武士団」展を開催。5月8日まで R9

https://www.museum.or.jp/news/106437

⑤オーストリアのヴィレンドルフのヴィーナス像の高解像度断層画像を活用して、このヴィーナスの材料が北イタリア産である可能性が高いことを発見 R11

⑥沖縄県読谷村が、全国でTSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を、図書館の運営者に選定 R10 C

⑦宮城県仙台市の伊達政宗騎馬像が地震で傾く R12

https://news.yahoo.co.jp/articles/367af93a57bf1aea17948942ba09c9336faafc80

⑧帯広空港敷地内に密集する希少な地形「十勝坊主」の保全はどうなる R

⑨愛知大綜合郷土研究所と豊橋市は寺西1号墳出土の大刀に銀象嵌による龍の文様が見つかったと発表 R2

https://nordot.app/876423610000654336

⑩岩手県は文化財無断切り取り事件の調査結果を報告 R18 C

3、努力の方向

いかがだったでしょうか。

まずはなんと言っても3月16日に起きた地震の爪痕。

伊達政宗の騎馬像が傾いた、という⑦の話題はセンセーショナルなせいか、大きく広まった印象。

さらに地震があった夜のうちから報道されていたのは仙台城の石垣が崩落した、という話題。

東日本大震災からの復旧がようやく済んだところなのになんともやるせない。

そしてその石垣の下を重要な生活道路が通っていることも生活に直結する話題なので注目されています。

石垣の調査と復旧に取り組んだ同業者の顔がすぐ思い浮かんでしまいます。

一方、リアクションが大きかったのはもう発覚から3年になろうとする鉄製品の無断切り取りの調査結果報告。

国指定重要文化財2点を含む100点以上が「無断で」切り取られていたという事実が明らかになりました。

つい先日とある論文を読んでいたら渦中の研究者の論文が引用されていて複雑な気持ちになりました。

貴重な成果が上がって学術的には価値のあることなんだろうけど、無断で切り取られた資料がもとになっているんだよな…

よく俳優の不祥事と映像作品の価値は分けて考えてほしい、と思っていましたが

それに通ずる不快感とやるせなさが込み上げてしまいました。

やっぱり調査研究も正規の手続きを踏んで、成果を胸張って使えるようにしてほしいものです。

本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

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