第1152回 2021/8/10〜16の歴史ニュース

1、有縁無縁一切供養

今年もお盆の季節を迎えました。

急に気温が下がり、時に肌寒さを感じるほどです。

なんとなくミヤギらしい気候です。

瑞巌寺では毎年8月16日に大施餓鬼会という宗教行事が執り行われます。

飢えと渇きに苦しむ餓鬼達に飲食を施し、お経を唱えることによって、故人やご先祖様の冥福を祈る法要です。

昨年に引き続き、新型コロナ感染症の拡大を受け、規模や内容が縮小されてはいたものの、滞りなく進んでなによりです。

季節の移り変わりを感じますね。

さて今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。

2、ニュースヘッドライン

①兵庫県丹波篠山市の春日神社で、故人の霊を移した木製の「霊璽(れいじ)」が大量に発見 R8

②宮城県松島町の瑞巌寺で重要文化財の秘仏・不動明王像を展示 R10 C

③福岡県と大分県の県境に位置する英彦山神宮上宮の社殿が倒壊の危機 R18

④静岡県静岡市の久能山東照宮で特別展「徳川家康と歴代将軍~国宝・久能山東照宮の名宝~」を開催。9月5日まで R9

⑤中国河南省の官荘遺跡で世界最古の貨幣鋳造所を発見 R6 C

⑥青森銀行は、「北海道・北東北の縄文遺跡群」が7月に世界文化遺産登録されたことを受け、私募債の取り扱いを開始 R13

⑦英イングランド北東部ニューカッスルで、水道管の工事中、これまで知られていなかったハドリアヌスの長城の区画を発見 R9

⑧富山県富山市の県民会館で富山大空襲の時に人々が日常生活で使っていた食器やおもちゃなどを集めた展示会。8月17日まで R5

⑨東京都東大和市の旧日立航空機変電所の保存に向けふるさと納税募集 R13


⑩和歌山県田辺市の熊野本宮大社では、10年前の紀伊半島豪雨被害のようすを伝えるパネル展を開催。9月5日まで R15

3、目からは血の涙でなかく、鱗を落とそう

いかがだったでしょうか。

皆さんの気になる話題もありましたでしょうか。

私自身はちょうど最近オンライン研修で文化財保護・活用のための資金調達を学んだばかりでしたので

⑥と⑨の話題が気になりました。

ふるさと納税は使途を明確に、例えば「文化財活用」に使ってください、と限定されることは珍しく、大まかに分野を指定するくらいなので、

⑨のように特定の文化財の修復に使うのであればクラウドファンディングの方がいいように思います。

万人受けするタイプでなくても、刺さる人には刺さる。

そんな文化財に対する支援であればこそ、全国のニッチなファンにどうやってアプローチしていくかを考えるのがキモになってきます。

私自身公務員なのであえて他の自治体にふるさと納税をしてしまうと

職場の税収がダイレクトに減ってしまうのでふるさと納税しづらいのですよ。

その点寄付者の名前が記されるとか、

報告書のPDFデータを送りますとか

その程度のリターンで少額を寄付する方がなんと気が楽なことか。

これまで私が実際にやってきたクラウドファンディングはどれもそのパターンです。

ちょうど研修で学んだことの中にも、クラウドファンディングの効能の一つに

「その文化財のファンを可視化できること」

が挙げられる、と言うものがありました。

別な講師も

体験型のリターンは毎年常連さんが望んでくれる

という事例を報告していました。

もう行政は自ら汗をかいて稼いで文化財を守らなくてはいけない時代です。

くわしく話すと長くなるので別稿に譲りますが、

「投資」商品として文化財を活用するという

思いも寄らない手法が紹介されており、

研修の中では、文化財所有者も、活用する事業者も、取り巻く地域社会も「三方よし」となるような理想的なモデルが紹介されていました。

⑥のような銀行の取り組みは普段文化財に直接対峙しない層にも関心を持ってもらう、という面でも新たな活路が見出せるかもしれません。

先入観を捨てて学んでいかないとですね。


本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。












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