ようやく春休みが始まった。
今年度は「地理総合」を担当し、複数回に渡って、生成AIを活用した実践を行うことができた。今週、その一端を学会で発表してきたところだ。
最終日の最後の発表であったので、数人しか残っていないかと思っていたところ、30人くらいの方が参加してくださっていた。
発表の中では、学習者の「創発」に焦点を当てて、2つの実践を紹介した。実践の1つを簡単にまとめるとこんな感じだ(詳細は、地理系の雑誌に寄稿しようかと考えている、受理されるかはまた別の話だけど)。
地理総合「B 国際理解と国際協力」の中項目「(2)地球的課題と国際協力」において、世界各地で見られる居住・都市問題を主題に、現状や要因、解決の方向性などを多面的・多角的に考察し、表現することを目指した。具体的な主題は以下の通り。
ICT 活用により、作業効率は格段に改善されたとはいえ、全体で 60 を超えるグループのアイデアに対して、(中二日でやってくる)次時までに一つひとつ丁寧にコメントを入れることは、私にとってもはや限界だった(仮にそれをなせたとしてもサステナブルとは決して言える状況にはないと思っている)。
重要であるはずのフィードバックを諦めざるをえない状況。
これが、地理必履修化時代の到来という航海で最初にぶち当たった壁でもあった。
そうだ、ChatGPTとタッグを組もう。
このことを閃いて、実行に移したのは、昨秋のことだった。
ChatGPT に都市政策の専門家として、学習者の提案に対して、フィードバッ クとマイルストーンを提供させるようなプロンプトを作成した。プロンプトを公開するのはちょっと気が引けるので、出力の一部だけ、こちらでオープンにしてみる。以下が、あるグループの提案に対するChatGPTからのフィードバックである。
このフィードバックを受けて、学習者はアイ デアをさらに練り直し、計画の提案を目指した。学習者たちのChatGPTによるフィードバックの評価をまとめると以下のようになる。
学習者ともに、ルーブリックやピア・レビューの価値や重要性は理解しつつも、今回はあえて授業者である私(ChatGPT)によるフィードバックを行うことにしたわけだが、この実践は、生成AI活用によって、教員の負担を軽減しつつ、学習者のアイデアの創発を促すことができた(のではないか)と思っているが、どうだろう?
エビデンスの測定も含めて、次なる実践へと続く