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授業での生成AI活用、自分の考えを一旦まとめてみました

来月、オンラインと対面で、生成AIを授業でどのように活用したかをお話する、とても貴重な機会をもらっています。その準備の一環で、これまでを少し振り返ってみることにしました。


転機となった講座

自分が生成AIを本格的に学び始めたのは、昨年の6月です。
当時は、プロンプト?オブジェクト?さっぱり分かりませんでした。
自分にとってプロンプトエンジニアリングは無理難題で、それをできる人が作ったものを活用させてもらうのが、関の山だと思っていました。

転機となったのは、「教育向け LLM プロンプトエンジニアリング マスターコース」に参加したことだと思います。講座内容は、これまでにないクオリティーの高さと満足度。それに加えて、自分よりはるかにエンジニアリングに長けた他の参加者が作成するプロンプトを直に目にする機会を得たことが、自分にとって何より大きかったように思います(今でも当時のドキュメントなど見返していたりします)。

この講座を受講していた2ヶ月の間、とにかく見様見真似で、プロンプトを作成しては、ChatGPTと壁打ちする日々が始まりました。
心していたのは、この振る舞いです(このnoteを読んでから約1年が経とうとしているんですね…時が経つのははやい)。

教師たる者、ChatGPTのデタラメをあざ笑うべきではない。むしろ、デタラメを返してこないような質問を探り出すために、心静かに内省し、チャットAIとの対話に意を尽くさなければならない。

野中潤「ChatGPTをあざ笑う」より

生成AIの授業活用で意識していること

校務の改善や負担の軽減といった点において、生成AI活用の可能性は凄まじいものがありますね。正直に言うと、この領域でのプロンプト作成は、私はめちゃくちゃ不得手だということも分かった半年でした(得意な同僚に、おんぶに抱っこ状態が今も続いています)。

一方で、授業で生成AIを活用するという点においては、アイデアが湯水の如くとは言わないまでも、人並み以上には湧いてきているんじゃないか、という気がしています。

自分が大切にしているのは、「創発」という考え方と、GoogleのようにFail Bell は鳴らない職場だけれど、「Fail Fast!」というマインドを常に持っていることだと思います(お前ごときが?!と怒られそうですけどね)。

創発とは、2つアイデアから 目的に対して1+1=3以上の効果を発揮するように組み合わ せアップグレードさせる発想のことである。

田中善将 2023. ChatGPT を活用して子ども達のメタ認知を育む.先端教 育 48:62-65.より


生成AIをどのような場面で活用したか

前置きが長くなりました。ここからはサラッと行きます。今年度担当している地理総合の授業での活用アイデアの一部を列挙してみるとこんな感じです(年度の残りの授業が10回を切りましたが、あと2つ3つやってみたいと思うことがあり、今も錯誤を楽しんでいます)。

  • 質問づくり(Question Formulation Technique)

  • ルーブリック作成(ブルームタキソノミー)

  • 合意形成に向けたディスカッション相手(開発途上国における教授言語政策)

  • 形成的評価としてのフィードバック提供(都市再開発の構想・提案)

  • 総括的評価(自然災害時の避難誘導)

学習者のアイデア創発を促すことを目指した活用例をあげてみたけれど、ここにあげた活用例のすべてが、教師の活用を前提とするものになってしまっています。「しまって」と記している背景には、自分のやりたいことは、こういうことじゃないんだよな〜という思いが日増しに強くなっているからです。ここまで付き合ってくれている学習者たちに感謝の意を表すとともに、一刻も早く、あなたたちが、授業で生成AIを活用する姿を見たいのです。


活用を足踏みしている先生方へ

ICTはツールなのだから、目的が大切だ。
このフレーズ、耳にタコができるほどですよね(自分もこれまで様々な場面で使ってきたのだけど、もうあまり言いたくないな)。

今後は、生成AIを授業で使う目的は何ですか?とか、どういう場面での活用を想定していますか?と、問われるようになるのだろうと思います。ただ、こんなことばっかり考えて、活用に足踏みしている方がいるのだとすれば、勿体ないです。

ちょっと肩の力を抜きましょうよ。
あるいは、難しすぎると思い込むのもやめましょう。
かつての自分にとって欠けていたのは、この考え方だと、半年経った今は思うのです。

…AIは遊び相手だ、と思って接するのが良いと思う。

佐宗邦威 2023.『じぶん時間を生きる』あさま社.


授業であれば、学習者と一緒にこんなことをやってみたい!このジェネラティブな気持ちこそが、何より大事なはずです。

いや、使うでなく…遊ぶ。
自分もまだまだ遊び足りない!
もっともっと遊びましょう!

あ…元も子もない終わり方ですみません、いつも笑

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