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深く、潜る

たまの読書で、良い本に巡り合えることがある。人との出会いと同じように、本との出会いも一期一会。いつも必ず、自分にぴったりなものに出会えるとは限らないので、出会えた時の嬉しさはとても大きい。


本を読み終えた後の、ぼんやりと思考に膜がかかって、何も手につかないあの感じ。例えるなら、深い海に潜り込んでいたところを、ゆっくりと水面に向かって引き上げられていくような。子供の頃は次から次へと読み漁っていたし、今ほど考え込んで読むような本も読んでいなかったから、この感覚は大人になってから知った。

ネットの世界から帰ってきた時も少し似た感覚にはなるけれど、やっぱり徹底的に違う。浅瀬を泳いでいて、たまに軽く潜ってみたりして、息継ぎ程度に水面に顔を出す。集中力の度合いでいえば現実に戻ってくるのは早いかもしれない。でも、深く潜る心地よさに浸るのはちょっと難しい。


当然、人によって没入感を得られる媒体は違うだろうけれど、私にとっては読書がそれなのだと思う。漫画にアニメ、ゲームや映画も大好きだし、その世界観に夢中になることは多々あるけれど、趣味として付き合ってきた年月は圧倒的に読書が一番長い。

これからも末永くお願いします、という気持ちで今日も読書をしている。


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