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白瀬咲耶ってどんな人??持ってないから妄想してみました!!

 ドーモ、伝書鳩Pだ。今回から怪文書も対象になった #第2回シャニマス投稿祭 に参加させていただきました。動画を作る技術も知識も無く一方的に楽しませてもらう側でしたが、こうして間口を間口を広げていただけて、投稿側になれました。ありがとうございます。

 で、シャニマス投稿祭に参加するようなプロデューサーって、めちゃくちゃシャニマス上手い人ってイメージがあります。Sランクやグレ7残留は当たり前。カード全種保有かつ全凸なんて人もいるんじゃないでしょうか。羨ましいですね、ミスター石油王。

 かくいう私は、シャニマスPを名乗る上でとても大きなコンプレックスを背負っています。白瀬咲耶さんとのご縁がなさすぎることです。

 伝書鳩P個人で振り返ってみれば、どうも運に恵まれないのか、白瀬咲耶さんのpSSR、並びに【秘めやかファンサービス】以外のpSRを一枚も所有していない。そのため、彼女に対する印象は共通コミュとファン感謝祭コミュ、イベント配布のコミュやアンティーカのサポートアイドルコミュで描かれたものに限られてくる。そうなれば当然、私個人の中での白瀬咲耶さんに対する情報は乏しく、知人のシャニマスPと会話するときは「私は白瀬咲耶さんのことを全然知りません」と前置きを置いて話すようにしている。そうでなければ、ズレが起きてしまうような気がして。

 過去テキストの引用ですが、この通り白瀬咲耶さんだけが出てきてくれません。このテキスト投稿後、シャニマス2周年キャンペーンの無料ガシャ期間で、ついに初めてのpSSR【幸福のリズム】を2枚手に入れられました。が、それだけです。一年シャニマスを遊んできて、白瀬咲耶さんだけが圧倒的に足りない!来てくれない!浅倉透と並べてお顔よし子ちゃんユニット組ませたい!!そんな願いも虚しく、咲耶さんのことを知りたいという気持ちだけを募らせて、悶々とする毎日を過ごしてきました。

 なので今回は開き直って白瀬咲耶さんの未所持コミュの内容を妄想してみたいと思います。腐っても一年間シャニマスを遊び続けてきたプロデューサーの一人。その感性に寄り添い続けてきたこの伝書鳩Pなら、限られた情報でも白瀬咲耶さんのパーソナリティを導き出し、コミュの内容を言い当てることなど、赤子の手をひねるようなもの。足りない運と経済力を頭で補う、インテリジェンスが成せる高度な考察ってやつを、皆さんにお見せして差し上げますよ。

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 今回の白瀬咲耶妄想選手権を開催するにあたり、己に科したルールは以下の通り。

・白瀬咲耶の未所持プロデュースアイドルの内、【紺碧のボーダーライン】【ふれあい、おもいあい】【1/60・NaturalHeart】のコミュ内容を想像する。
・コミュ内容の判断材料に用いるのは事前にご提供いただいたアルバム画面内のイラスト・コミュタイトルのみ。コミュタイトル等を検索するなどのカンニング行為は一切禁止とする。画像は倉須Pよりご提供いただきました。
・コミュタイトル内の固有名詞を調べる行為はOKとする。
・すでに所持している白瀬咲耶のアイドルイベント、W.I.N.G.共通コミュ、ファン感謝祭コミュ等は何度読み返してもよいものとする。

 以上の条件で、出されたコミュタイトルとイラストから全てを見通す、公式対私の史上最大の闘いの幕開けです。これで白瀬咲耶さんもシャイな自分から一歩抜け出し、あの(ガシャ画面の)カーテンから一歩出て伝書鳩Pに会いに来てくれるでしょう。ここから読み進めていく皆さんも、白瀬咲耶コミュとすり合わせて「合ってんじゃん!」と驚愕することになるでしょうね。ぜひ、忌憚なきご意見をお寄せください。いざ、開幕です。

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【紺碧のボーダーライン】

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 白瀬咲耶さん最初のプロデュースSSRアイドル。1周目のSSRということで、アイドルの紹介がメインとなるコミュが並ぶ、という推測に間違いはないだろう。よって、白瀬咲耶さんの基礎のキから始まるコミュのはず。

 で、いきなり水着か~。しかもこれ私服扱いなら、通常コミュでも水着着用になるわけですよね!?事務所は外でも水着の咲耶さん、流石にヤバいと思う。どんな美人でも、捕まると思う。お願いだからまともな服着てほしい。夏葉もだぞ。

 まずは1球目。スクールライフ・満喫中。白瀬咲耶さんはご存じの通り眉目秀麗でスタイルも良く、おまけに本人のサービス精神が強すぎるため、学校でも人気の王子様のはずだ。公式HPの紹介ページにも「女子校に通い」「女子からの人気が高い」との記述がある。学園生活も、きっと薔薇色に違いない。
 このコミュでは、プロデューサーが学校に咲耶を迎えに来るところから始まる。校門付近で待ち構えていると、女生徒に囲まれた咲耶がこちらに向かってくるではないか。元モデルで今はアイドル。ファンが激増した咲耶の周りには、プレゼントや花束を抱えた女の子が押し寄せている。咲耶は、一人一人に丁寧なお礼の言葉を述べて、プロデューサーの車に乗り込んだ。
 プロデューサーは女生徒の冷たい視線を浴びながら職場に向けて運転し始め、後部座席の咲耶に「学校はどうだ?」と問いかける。すると咲耶は、今日は後輩の女の子に声をかけられたよとか、こんなプレゼントを貰ってしまったよ、などと嬉しそうに話す。その様子を見て、咲耶をアイドルにスカウトしてよかった、と素直な気持ちを語るP。咲耶は「こちらこそ、アイドルというステージに私を連れてきてくれて、ありがとう」と返す。
 「ところで、プロデューサーはどんな学生だったんだい?プロデューサーのことをもって教えてほしいな」という咲耶。ここで選択肢。
・「おれは普通だったよ」(Da)
・「部活ばかりやってたなぁ」(Vi)
・「あんまり覚えてないや」(Vo)
 二つ目の選択肢だと、ここでプロデューサーが野球部に所属していたことが語られる。【空と青とアイツ】芹沢あさひのバットのくだり、ここが前フリだったんですね~。それに対し咲耶も、「ふふっ。それなら、私はマネージャーに立候補したかもしれないね。アナタがマウンドに立つ姿を、想像してしまったよ」と。
 ちなみに一つ目なら「もし私とアナタが同じクラスだったら、毎日楽しかっただろうね」と、三つ目なら「アナタの学生服姿、きっと素敵だっただろうね」と返す。白瀬咲耶さんの天然人タラシぶりがプロデューサー相手にも発揮される、彼女らしいスタートになっている。

 次に、コーヒーブレイク・甘さ控えめ。コーヒーブレイクといえば、休憩時が舞台になるはずだ。撮影を終え、事務所で一息つくPと咲耶。次の仕事まで時間があるからと、お茶でも淹れようかと問いかけると、咲耶が「私がやるよ」という。お言葉に甘えるP。咲耶は、「プロデューサーは、どのコーヒーがお好みかな?」と問いかけるので、ここで選択肢。
・キリマンジャロが好きなんだ(Vo)
・ブルーマウンテンが飲みたいな(Da)
・今日は、砂糖多めにしようかな(Vi)
 「ふふ、そうしたら、いい豆があるんだ」と咲耶。一口飲んで、事務所のいつものコーヒーよりも美味しいと感じるP。コーヒーに詳しいんだなと聞くと、「この前の雑誌のインタビューでコーヒーをよく飲むって答えたら、ファンの子たちからたくさん美味しい豆を貰ってね」と咲耶。なるほど、前コミュで貰ったプレゼントの一つが、そのコーヒー豆だったらしい。
 そのまま咲耶は、「コーヒーは、豆によって美味しい淹れ方が異なるんだ」と言う。お湯の温度や時間など、豆によって淹れ方は様々だ。そんな雑学を話している内に、プロデューサーはコーヒーの淹れ方一つとっても真剣に調べ、それを実践する咲耶の在り方に感服する。共通コミュでのファンレターの一件が示す通り、真面目でどんな期待にも応えたい彼女は、プレゼントのコーヒー豆を粗末に飲むなんて許せなかったのだろう。必死に勉強したことが伺える咲耶を褒めると、「私なんてまだまだだよ。そうだ、今度はプロデューサーにコーヒーを淹れてほしいな」と返す咲耶。二人の小さな約束が生まれ、ささやかなブレイクタイムは過ぎていく。

 続きまして、ひとりぼっちの21時。これはもうあれですよ。仕事が遅れ、事務所に戻ったプロデューサーは、まだ灯りが点いていることに気づく。ドアを開けると、そこにはファンレターを書きながらプロデューサーを待っている咲耶がいた。「やぁ、遅かったね。夜遅くまでお疲れ様」といつもの調子で返す咲耶に対し、プロデューサーは「夜遅くまで残っていたら危ないじゃないか、先に帰っててよかったのに」とこぼす。その刹那、咲耶の悲しげな表情を垣間見るプロデューサー。しかし何も言えず、二人は沈黙し、「…それじゃあ、今日はお暇させてもらおうかな、また明日」と咲耶。
 咲耶を引き留め、家まで送るプロデューサー。車中の空気は、まだ重い。その静寂を割くように、咲耶は先日の撮影の思い出話を語りだす。海辺での撮影、赤い水着の咲耶は、モデル時代の経験を活かし次々と華麗なポーズを決める。そんな中、咲耶は突然転倒してしまい、浅瀬に尻もちをついてしまう。緊張しちゃったかな~?と和ませるカメラマンに「すみません、もう一回お願いします」と咲耶、その状況を驚いて見つめるプロデューサー。
 「実はね、あの時、足元に小さな蟹が見えたんだ」と咲耶。カメラマンから指定されたポーズをとったら、蟹を踏んでしまう。そう思った咲耶は、わざと転んだフリをしたらしい。「その蟹は一人で、広大な海を歩いていたんだ。どこへ行くのか、誰を探しているのかわからなかった。そんな蟹のことを放っておけなくてね。あの時は、撮影を止めてしまって申し訳なかった。今日はそのことを謝りたかっただけなんだ」と、胸の内を明かす咲耶。ここで選択肢。
・咲耶は優しいんだな(Da)
・待っててくれてありがとう(Vo)
・さっきはごめんな(Vi)
 咲耶の告白で和んだ空気の中、プロデューサーも先ほどの言葉を詫びたり、咲耶の新たな一面を知ることができた。帰りの車内、ふたりだけの22時の、楽しい時間が過ぎていく。

 ついに最終局面。ふたりで超える境界線。それから少し時間が経って、あの海での撮影が雑誌に載った。咲耶を迎えに女子高にやってきたプロデューサーは、今日も女子生徒に囲まれる咲耶を見つける。すると、一人の女子生徒がこちらに気づき、「あの方は咲耶様の何なんですか」と問いかける。瞬時に冷や汗が流れるプロデューサー。それに対し咲耶は、いたずらっぽい表情で、「そうだね。とっても…大事な人、かな」と。あまりの出来事に固まってしまった女生徒を尻目に、「それじゃあ、また会おう、お姫様」と言い残し、颯爽とプロデューサーの車に乗り込む咲耶。
 「さっきは肝が冷えたよ」とプロデューサー。「あんまりみんなが気にするものだから、イジワルしたくなってね」と咲耶。不謹慎だが、衝撃のあまり固まってしまった女子生徒を思い出して、吹き出す二人。「でもアイドルなんだから、ああいう言動は控えてくれよ?悪い記者にでも見つかったら大騒ぎだ」と釘を刺すプロデューサーに、素直に従う咲耶。
 「そういえば、この前の水着の写真、みんなたくさん褒めてくれたよ。またみんなを幸せにすることができた。これもプロデューサーのおかげだね」と語る咲耶に、プロデューサーは咲耶の実力だよ、と返す。常にファンを楽しませよう、喜ばせようとする咲耶の頑張りを、プロデューサーは真正面から褒めたたえる。
 時は巻き戻り、撮影時の回想シーンへ。カメラマンの要求に、完璧に応えていく咲耶。ここでSSR動画演出。髪をかき上げる咲耶のアップの動画が流れ、撮影は無事終了。「お疲れ様」と労うプロデューサーに、「これでファンも喜んでくれるかな」と返す咲耶。アイドルとしてのプロ意識、サービス精神が光る、白瀬咲耶らしい一幕。

 ついにTrueエンド。宝箱の鍵は、いつかアナタが。W.I.N.G.を終え、お仕事が増え始める咲耶。仕事の合間にコーヒーショップに立ち寄るが、そこでプロデューサーに遭遇する。プロデューサーは、かつての約束を果たすために、コーヒー豆を買いに来ていたらしい。「あの時の約束を覚えていてくれたんだね。うれしいよ、プロデューサー」と話し、二人で事務所に戻ることに。「うまく淹れられるか、わからないけどな」と前置きして、咲耶のためにコーヒーを淹れるプロデューサー。W.I.N.G.優勝記念に、少し高価な豆を買ってはみたものの、うまく淹れられたかわからない。そのコーヒーを飲んで、「…おいしい」と咲耶。
 「大丈夫か、苦くなかったか?」「そんなことないよ。とても美味しい。アナタの気持ちがこもっているからかな」と甘い会話が。咲耶は、約束を守るためにコーヒー豆を買い、淹れ方を勉強してきたプロデューサーにお礼を言い、プロデューサーはW.I.N.G.を一緒に戦い抜いてくれた咲耶に礼を言う。「こんなに暖かい気持ちになれたのは、アナタが私をアイドルにしてくれたからだ。何度でもお礼を言わせてほしい」と咲耶。お礼合戦に負けたプロデューサーは、しみじみとコーヒーを啜る。
 そして、咲耶は「聞いてほしい話があるんだ」と言う。私は、アナタからたくさんの宝物をもらった。ファンの笑顔、アンティーカという仲間、そしてW.I.N.G.優勝。「その上、コーヒーという素敵な贈り物までいただいてしまった。だから、私も恩返しがしたいんだ」と咲耶。「でも、それは今日じゃない」
 これから、アイドルの頂点に向けて、様々な挑戦が待っているだろう。でも、アナタと私なら、なんでも超えられる。アナタが思う一番のアイドルになってみせる。
 「…だからそれまで、これはお預けなんだ」と、プロデューサーに渡すはずだったコーヒー豆をこっそりしまう咲耶。「アナタがまた私をアイドルの頂点に導いてくれたとき、この宝箱を開けようと思う。その中身を、アナタに知ってほしいんだ」と語る。プロデューサーは、これからも咲耶がトップアイドルでい続けられるようプロデュースしていくよ、と返し、「…本当に、アナタにスカウトされて、私は幸せだ」と咲耶。コーヒーの香ばしい香りと共に、コミュは幕を閉じる。

【ふれあい、おもいあい】

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 【紺碧のボーダーライン】のコミュを正確に言い当てたところで、次なるアイドルに参りましょう。日曜お昼の番組みたいなホンワカしたタイトルと、うさぎさんと戯れる可愛らしい咲耶さんが印象的なこちらのpSR。髪をまとめているのもイイですね。コミュ数が少ないのでイベント配布、ガシャ回しても会えないタイプの咲耶さんです。

 さて、シャニマスでうさぎといえば、そのものズバリなアイドルが同じユニットに在籍しています。そう、月岡恋鐘さんですよね。

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よう見たら恋鐘も持っとらんのあるばい…。

 咲耶がうさぎと戯れる…。プロデュースアイドルのためアンティーカのアイドルたちがコミュ内に登場することはないはずですが、こうしたメタファーで示されるユニットの絆。心なしか、咲耶に懐いているうさぎが恋鐘に、その横でゆったりくつろいでいる白いうさぎは霧子に見えてきませんか…??

 1話目は直球にrabbits. TV番組の企画で、咲耶が小さなうさぎとふれあう様子を撮影することに。たくさんのうさぎに囲まれ、撮影も快調に進んでゆく。そんな中、一匹だけポツンと群れから離れたうさぎを見つけた咲耶。咲耶は、撮影の休憩時間にその一匹のうさぎに話しかける。「キミは、私と一緒だね」と咲耶。そのうさぎは、咲耶を見つめて、彼女の胸元に飛び込んでくる。うさぎは寂しがり屋な生き物。同じ気持ちの咲耶のことを、仲間だと思ったのかもしれない。

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 一時期、フェスで猛威を振るったサポートSR【咲耶と摩美々のぶらり旅】にこのようなコミュがあった。咲耶のとっておきの場所を訪れた摩美々は、その殺風景で誰もいない自然の中で、咲耶の胸中を言い当てる。いつだって自然は私を満たしてくれる。反対に、人が多いところでは寂しさを感じてしまう咲耶。白瀬咲耶という人は、他者の関心がこちらに向いていないと、不安に感じる人なのではないだろうか。だからこそ、過剰とも言えるファンサービスで他者の視線を集め、相手が望むような振る舞いを行ってきた。人がいっぱいいるとき、例えば渋谷のハチ公前のように大勢の人々が集まっている場所では、人々は目的地に向けて歩いたり、スマホを眺めていることがほとんどだ。そういった雑踏に放り込まれると、咲耶は寂しくなってしまうのだろう。誰も私を見てくれない、知ってくれない。逆に、人目を気にしない一人でいられる場所や、少人数の集まりであれば咲耶は自分を取り戻すことができる。

 話を戻そう。寂しがり屋故に孤独を選んだ一匹のうさぎと咲耶。呼応し合うかのように交流を深める一人と一匹の姿は、番組の企画の意図するところではないのだろう、TVを通じてその場面を視聴者が観ることは叶わない。プロデューサーは咲耶に駆け寄り、やけに懐いたうさぎの様子を見て「咲耶のことが大好きなんだな」と言う。すると咲耶は、「この子と私は似た者同士なんだ。きっとね」と返す。その意味を図りかねるプロデューサー。咲耶は続けてうさぎに語り掛ける。「無理して大きな輪に入らなくてもいいんだ。きっと、キミのことを受け入れてくれる子がいるはずだ。怖がらなくていいんだよ」と。うさぎは咲耶の元を離れ、他のうさぎたちに少しずつ近づいていく。その様子を見て、咲耶は「また、来るからね」と告げる。

 続いてTrueエンドの私の××な人。番組の撮影は無事に終了し、うさぎたちとお別れする咲耶。帰りの車内、「似た者同士」の言葉の意味をプロデューサーが聞くと、「私が私らしくいられるのは、アンティーカのみんなや、アナタのおかげなんだ。…だから、これからも私を導いていってほしいな、プロデューサー」という言葉で返す。アイドルでいられること、それを支えてくれるプロデューサーという存在のありがたみを一人噛み締める咲耶。××に入る言葉は「特別」や「大切」だろうか。それを(おそらく)台詞で明言せずに語るシャニマスの上品な筆しらべに、配信時多くのプロデューサーがおののいたであろう名コミュだ。

【1/60・NaturalHeart】

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 ここまで、二つの咲耶コミュを読み解いてきた。彼女はファンのことを第一に考え、それに奉仕することを厭わない。その根底には、寂しがり屋な一面が隠れているのでは、という予想が立つ。

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 ファン感謝祭編のアンティーカシナリオでは、彼女の過去が少しだけ明かされる。どうやら、咲耶の父親は多忙らしく、あまり同じ時間を過ごせなかったらしい。

 また、pSSR【幸福のリズム】のコミュでは、幼い咲耶は夏祭りに来ていく衣装として父親が甚平を贈ったことに複雑な気持ちを抱いていた。だがその後、「自分が活発な子だったから、そんな私がのびのびと遊べるように浴衣ではなく甚平を選んだのでは」という気づきを得る。このコミュでは「いいお父さん」の想いを「私が」理解してあげられなかった、という格好で落ち着くのだが、いくらなんでも忖度しすぎである。咲耶さん、自責的な思い込みが強すぎて他者に優しく気遣ってしまう、シャニマス特有の処世術のクセが強いアイドルの一人に数えられそうだ。どうしてそこまで聖人でいられるの。もっと甘えていいのよ。

 さて最後のコミュ妄想は【1/60・NaturalHeart】である。どうやら期間限定ガシャ産らしく、復刻を待たねば手に入らない。が、そのコミュの内容を完璧に当ててみせる。それがこのおれと咲耶の絆の証だからー。(信頼度LV.4)

 ひとつも漏らさず聞いていて。冒頭から意味深なコミュタイトルだ。聞く、という行為はすなわち咲耶とプロデューサーの対話を意味するのだろう。さらにイラストでは咲耶は携帯電話をかけているようだ。そこから導き出せるシチュエーションは一つ。
 その日咲耶は、一人で携帯電話のCMの撮影に臨んでいた。プロデューサーは収録中別の現場に出ていて、今日は咲耶一人きりの現場入りとなる。プロデューサーは別の仕事を終え咲耶を迎えに行こうとすると、ちょうどそのタイミングで咲耶から電話がかかってくる。収録を無事に終えたと報告する咲耶に対し、プロデューサーは収録中に一緒にいられなかったことを詫びる。
 もちろん咲耶はそれを責める意図はないのだが、少しいらずら心が前に出たのだろうか。それとも寂しがり屋の本性が顔を出したのか。咲耶はプロデューサーにこんな質問をする。「今日、私はどんな気持ちでお仕事していたとアナタは思うかな?」。ここで選択肢。
・楽しかった(Vo)
・不安だった(Da)
・悲しかった(Vi)
 一つ目の選択肢ならば、プロデューサーは「咲耶はどんな仕事も丁寧に、一生懸命に励んでくれるからな。スタッフの人からも印象よかったよ」と打ち明け、「ありがとう。フフッ、アナタのおかげだよ」と言いつつ、ふと寂しげな表情をのぞかせる咲耶(ここのLive2Dがすごい)。
 二つ目と三つ目なら共通して、「そんなことはなかったさ。アナタが応援してくれていると、離れていても伝わったからね」と言い、プロデューサーに負荷をかけるような物言いをしてしまったことをすぐに撤回する様子が描かれる。

 モイライは斯く語りき。も、モイライ…??調べたところ、ギリシャ神話における運命の三女神の名称らしい。シャニマスくん博学シリーズだ。

ギリシャ神話において、人の運命は女神モイラが司るとされる。
その名の語源は「割り当て」を意味する単語からだという。
彼女らは人々の運命の内容を決め、それを個々人に「割り当てる」役割を担っていたとされた。
モイラは老婆たちであるとも、上から「母」「乙女」「老婆」の姿をしているともされる三姉妹であり、上から

クロートー(Klotho 紡ぐ者)
ラケシス(Lakhesis 描く者)
アトロポス(Atropos 避けられぬ者)
と呼ばれていた。

 「錆び付いた運命の鍵」を回すのがアンティーカなら、運命の女神に咲耶を抜擢するのも納得だ。きっと物語はこうだ。美の女神モイライの役を演じることになった咲耶は、演劇や書物などからその女神のことを知ろうとする。プロデューサーも調べものに付き合う中で、咲耶は彼女たちをいったいどんな風に演じたらいいだろうか、とこぼす。
・かわいらしく、かな(Da)
・妖艶に、だろうか(Vi)
・いたずらっぽく、はどうかな(Vo)
 いずれも、咲耶を演じる八巻アンナ氏の三種の演技が堪能できる嬉しいコミュだ。咲耶は瞬時に演じるべきキャラクターやそのための演技法を察知し、それを実行に移すことが出来る。普段の王子様めいた振る舞いが彼女の演技への適応の高さに繋がっていることが示され、咲耶もまた撮影に向けて気合を入れ直す。

 笑顔のためのエトセトラ。いざ撮影本番。モイライ三姉妹の一人に扮した咲耶は、快調に撮影を続けていく。だが、咲耶の演技プランと監督が望む演技の方向性が食い違い、活発な三女を上手く演じることができない咲耶。こだわりの強い監督のOKは下りず、咲耶も自信を失ってしまう。
 撮影は一時休憩に入り、咲耶に駆け寄るプロデューサー。咲耶は、「自分ではうまく笑えているつもりなんだ。でも、彼女のことを思って演技をしようとすると、ついいらない感情が入ってしまって、それが邪魔をしてるんだろうね」と分析する咲耶。「…ねぇプロデューサー。私は、どうやったら、上手く笑えるだろうか」
・アンティーカのことを思い出してみて(Vi)
・ファンのことを考えよう(Da)
・この前のライブは楽しそうだったぞ(Vo)
 プロデューサーは、咲耶がファンのこと、アンティーカのことを楽しませよう、喜ばせようとする気持ちこそが咲耶自身の笑顔に繋がるのだと確信し、このような回答を選ぶ。咲耶もそのことで笑顔の秘訣を取り戻し、リベンジに臨む。

 カシャッ。もはや物の名前でも事象ですらない、擬音だ。「ひとつも漏らさず聞いていて」での携帯電話のCM第2弾が製作され、咲耶がまた選ばれることに。撮影当日、今回はプロデューサーも現場に同行しての撮影となり、咲耶も心なしか嬉しそうだ。ここでSSR動画演出が流れ、イラストのように柔らかい表情をみせる咲耶の姿が。
 撮影終了後、プロデューサーが監督に挨拶に行くと、今日の白瀬さん良かったよ、との言葉を頂戴する。なんでも、前回の撮影では凛とした表情が目立っていたが、今回は笑顔が冴え渡っており、監督もその場で方向性を変えたという。
 そのことを、帰りの車内で咲耶に伝えるP。「今日の笑顔の秘訣はなんだったんだ?」と聞くと、「ふふ、なんだろうね…」とぼかす咲耶。咲耶の笑顔が誰に向けられていたのかを知るのが、咲耶本人と画面の前のプロデューサーだけである…。

 いざゆかんTrueエンド、36.2℃に触れて。36.2℃は平熱と、真夏の気温をイメージするが、これいかに。

体温を測定した結果、あなたの体温が36.5度前後なら、体内温度は37.2度程度あるので、生命力が正常に維持されていることがわかります。
また、36.2度以下であれば、「冷え性」または「低体温」の疑いがあるので、前述した「冷え」を克服する好サイクルを参考に、日々の生活を見つめ直してみましょう。

 舞台は控室。野外でのCM撮影で少し身体が冷えてしまったらしい咲耶。プロデューサーはそんな彼女を気遣い、暖かいコーヒーを差し入れる。「ありがとう。アナタは本当に私のことをよく見てくれているんだね」といつもの調子で返す咲耶。風も強く肌寒い中、次の撮影まであとわずか。ホットコーヒーを飲み終えたいま、カップを持つ手もしだいに熱を失っていく。
 「ねぇ、プロデューサー。もし、よかったら、手を繋いでも、いいだろうか…」
 目を伏せ、どこか弱弱しい声色の咲耶。カメラがとらえた、凛とした彼女の姿が嘘のように、身体を縮めて何かに耐えるような様相を見せている。高嶺の花、学園の王子様、そしてアイドル。そのどれでもない、一人の女の子、白瀬咲耶がそこにいた。
 一瞬迷ったものの、遠慮気味に差し伸べられた手にそっとこちらの掌を重ねる。思ったよりも小さな手、しなやかな指が、自分の手の中に収まってゆく。
 「おれの手だって、冷たいだろ?」
 「いや、そんなことはないよ」
 「ちゃんと、あたたかい…」
 沈黙。何を語るまでもなく、少しずつお互いの手に熱が戻っていくのを感じる。あまりに静かで、秒針が進む音ですらうるさく思えるほどに、ゆっくりと時が過ぎていく。
 30秒、1分、2分。その静寂が破られたのは、撮影再開を知らせる合図。「白瀬さん、お願いしまーす!」と、若手スタッフの弾むような声が、緩んだ空気に一筋の緊張感を与える。それじゃあ、と、一つが二つになる。しっかりと熱を帯びたからだろうか、空気と触れるだけで温度差がハッキリと感じ取れた。
 「大丈夫か、咲耶」
 すると咲耶は振り返って、
 「あぁ、今日は、アナタが見ていてくれるからね」
 そういって、彼女は控室を後にする。少しだけ、重ねられた掌が赤くなっていたことは、彼女しか知らない。










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いかがでしたか???

 あまりにもコミュの内容が記載されていて、画面の前のプロデューサー各位は私のカンニングを疑っているだろうが、残念ながら混じりっけなしの120%ガチのコミュタイトルだけで書きなぐった全てである。白瀬咲耶さんのカードは持っていませんが、今では彼女のことが手に取るようにわかります。ただ、彼女ってどんな子?と聞かれても一言で表せないところがシャニマスのキャラクター造形の奥深さの証明なんですよね。

 ここまで読み進んでいただき、この伝書鳩Pがいかにシャニマスを理解っているかが伝わっただろう。近々、バンナムから連絡がきて、フックアップされる日も近い。シャイニーカラーズといえば「虹」がモチーフの一つだが、現在所属するユニットはノクチルを加えて6つ。つまり、七色の虹になぞらえるなら、あと一組のユニットが追加される可能性がある。フフ、つまりはそういうことです。ありがとうございます。公式ライター、いい響きですね。それではみなさん、鋭意準備中の新ユニット、楽しみにお待ちください。エモの神髄をご覧に入れて差し上げますよ。




~追伸~

 めでたくシャニマス2周年の無料10連ガシャ期間で、【紺碧のボーダーライン】を1枚手に入れました。ありがとう高山P。まぁコミュ内容を完璧に理解しているので、ただの答え合わせになってしまうのですが、True鉱山発掘のためにもコミュ読んできますね。それでは皆さんごきげんよう。

ここで手記は途絶えている。これを書いた主は今や牢獄でも最年長で、「うそだろ…」「白瀬…」とうわ言のように呟くだけになってしまった。おそらくは女の名だろうが、シラセという名前の女が面会に来たことは一度もない。むしろ、この男に会いに来るような物好きは誰一人いやしない。ノンフィクションライターである俺以外は。






(おつかれさまでした)
(第2回シャニマス投稿祭、主催のハバネロP様、全投稿者のプロデューサー各位、ここまでお読みいただいた全ての皆様に感謝申し上げます)
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