不安の淵に佇む過去の自分
日常において「今〇〇してはいけない」または「〇〇しなければならない」スイッチが入ってしまって困ることが度々ある。
「〇〇してはいけない」スイッチは、例えば電車の中。トイレを催してはいけない。気分が悪くなってはいけない(吐いてはいけない)。これらの事がチラッと頭の隅を駆け抜けるとたちまち動悸がして体調が悪くなっていく。今自分は閉じ込められた空間の中にいるのだという事実を強く意識し、呼吸さえも不安定になっていく。
「〇〇しなければならない」スイッチは、例えば夜。
眠らなければならない。そう思うと身体の全身がムズムズして、胃がぎゅーっと絞られたかのような吐き気が迫ってくる。次の日に予定がある時はもちろん、次の日になんの予定がなくてもソワソワは止まらない。頭の中がぐちゃぐちゃになっておかしくなりそうだ。眠ることは好きなのに、リラックスするまでが難しい。
そんな時の対処法。
まずは深呼吸。冷たい空気が肺いっぱいに行き渡るのを感じる。
電車に乗っていれば「次の駅で降りよう」と決める。電車に乗ってるうちに駅のトイレの位置を調べて、限界が来れば本当に降りてしまう。しかし、大抵はまだ大丈夫まだ大丈夫と唱えている間に目的地につく。電車の広告をみるために顔をあげるのも効果的だ。
眠る前はいっそのこと開き直ってスマホをみたり、リビングへ行って座椅子に座ったり、いつもと違う体勢で身体を曲げたりして、”眠る”わけじゃなくてゴロゴロしているだけだと自分を騙す。そのうちに眠くなってくるもんだ。
つまり、頭の中をぎゅうぎゅうにしている不安にスキマをあけてあげるのだ。
よしよし。大丈夫、大丈夫。上手くいかなくても大丈夫。
しんどくなってしまったっていい。眠れなくてもいい。きっとどうにかなるから、その先に楽になる時間が来ることを私は知っているから。
スイッチが入ると、世界がどんどん狭まって四方から押し寄せてくるような感覚に陥ってしまう。
だけど世界はもっと広くて寛容なはずだ。だから苦しむ自分ごと包んであげるようなイメージで抱きしめてあげる。
心の緊張が解けるまで、意識を逸らして安心させてあげる。
こんなふうに自分を落ち着かせる方法を、私たちはそれぞれ持っているのではないだろうか。
小さい頃からいろんな方法を試して、一生懸命に生きてきたのだから。
何度も絶望し、不安に駆られ、泣き出してしまいながらも頑張ってきた過去の自分が見える。
恐れることは無い。夜に眠れる人になれなくても、電車に乗れなくても人格を否定しなくていい。そんな時もあるし、そんな人もいるさ。
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