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【詩】若者たち

若者たちよ
いまのうちに楽しむがいい

そうだ
遊園地を勧めたい

アトラクションに歓声をあげ
おいしい料理を味わい
夜の
パレードに感動し
締めくくりの花火の
潔さに
涙を流しながら
愛する人と
手をつなぐ

だが若者たちよ
いずれその時が来る

声を出すことが出来なくなり
料理を味わう器官を失い
パレードは苦の象徴と化し
花火を感じることも
見ることも出来なくなる

絶望の耳に届くのは
「感動など遠くに行ってしまえ」
呪詛の群れの
羽の音

ただ
忘れてはならぬ
お前がどのような状態になっても
愛する人は必ず側にいる

そんな慰めはいらないと、君は言う
だが
慰めではない
ルールなのだ

愛する人は必ず側にいる
感じることも
見ることも
触れることすら出来なくても
絶望などする必要は
ない

愛する人が側にいる

それが、我らから
若者たちへの
メッセージ


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