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月刊ムー タルパ紹介記事

このテキストは月刊ムー1988年5月号における「驚異の人工生命体「タルパ」の想念創造法」という記事を、著者である斉藤啓一氏の許可を特別に得て、国会図書館で書き起こして転載したものです。改変・無断転載など著作権法に違反する行為は堅く禁止致します。

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●超能力獲得プログラム(『ファウスト博士の超人覚醒法』<ムー・ブックス>より) 文=斉藤啓一/イラストレーション=田口智子

驚異の人工生命体「タルパ」の想念創造法

人は皆、現実という夢を見ながら眠ったままで、この世を機械的に生きている。だが、修行によってこうした眠りから醒めた人、つまり「覚醒」した人は宇宙の真理を手に入れあらゆる超能力を獲得できるのだ。そのための修行法をここで紹介しよう!

霊的召使「タルパ」をつくり自在に操る!

幻影か現実か?人工生命体「タルパ」の謎

「……彼は背が低く太っていた。無邪気な顔をし、ひと目で陽気なタイプだとわかった」

 目の前に煙のように現れた人物について、神秘学研究家のアレクサンドラ・デヴィッド・ニール女史はこう記録している。はじめはなかなか明瞭に見えなかったのだが、数か月もすると、こんな感じのラマ僧が出現したのである。

 文字どおりそれは出現した。なぜならこの僧は、ニール女史が創造した人工生命体「タルパ」だったからである。

 タルパとは幻影という意味だ。

 われわれが何かを考えるとき、それが明瞭であればあるほど、頭の斜め前方に、考えている対象物が形となって浮かんでいるといわれる。ちなみに、すぐれた霊能者にはそれが見えるらしい。

 チベット密教には、そうした幻影を想念の集中によってつくりだす秘術がある。ニール女史もかの地でその秘術を修行し、ようやく視覚化に成功したのだ。

 だが、そればかりではない。はじめのうちは彼女が思念を働かせないと消えてしまったラマ僧が、思念していないときでさえ目に映るようになった。そしてついには、他人の目にさえ見えるようになったのである。

 では、このラマ僧は幻影なのか、それとも現実なのか?

「……丸い顔をした太った男は痩せはじめ、顔もどことなく邪悪でずるがしこく、私をあざ笑っているかのような感じになってきた。人が変わった僧はますます大胆に振舞い、私を困らせた……」

 ニール女子(ママ)はこうも記録しているが、こうなるともはや現実といわなければならないだろう。彼女の想念がその人物像をつくったのは間違いないのだが、それは生命を持ち、個性ある存在として独自の活動を始めたからである。しかもそれは第三者にも見えるのだ!

 もし普通の人がこんな状況に立たされたならば、ラマ僧は現実の存在にほかならないと思うだろう。だが「覚醒」した人間は、たちまちそれを幻影だと見破ってしまう。

 もっと極端にいうならば、われわれが現実と思っているものすべてが、実は幻影にほかならないのである。われわれは“現実という夢”を見ながら眠っている――。覚醒した人間だけがその事実を知ることができるのである。

意識の覚醒によって超越した存在になる!

 では「覚醒」とは何か?

 それについては本誌3月号の実用スペシャル「神秘のグルジェフワーク」でも述べたが、かいつまんでいうと、現実という夢から目覚め、本当の自由を獲得する生き方ということだ。

 われわれが現実と思いこんでいるものはすべて夢であり、われわれは幻想の中で生きているにすぎない。われわれは過去に生きてきた環境によって形成されたプログラムのもと、外部の刺激によって反応している“機械”にすぎない。覚醒した人たちはそう喝破する。

 たとえば、「私はそうではない。自分の意思で自由に生きている」という人が、一方で、どうにもならない出来事にぶつかると、運命だからこれはしようがない、とあきらめる。だが、覚醒した人は運命の干渉から逃れられる!

 たとえば、恋人を得て幸福の絶頂にある人は、それを失ったとき不幸のどん底にたたき落とされるだろう。だが、覚醒した人には、どんなことが起ころうと決して悲嘆に変わることのない、絶対の幸福と自由が顕現する!

 さらに、覚醒すると意識が拡大し、通常では感知できない宇宙的真理を把握することができる!

 このように、覚醒した人とそうでない自分とを冷静に比べてみるならば、今の自分がまさに“現実という夢”を見ながら眠っていることに気づくはずだ。

 さて、本誌3月号の実用スペシャルで紹介したのは、こうした覚醒に至るための基礎的トレーニングであった。ここで、さらに高度な覚醒テクニックを紹介しておこう。現実という眠りに落ち入っている自分をはっきりと認識し、合わせて覚醒のために必要な強烈な想念力を養う方法だ。

 それは、人工生命体「タルパ」の創造である。これに成功するならば、現実と呼ばれる幻影・幻想に、はっきりと訣別することができるだろう。 

訓練1|想念を放射し魂を吹きこむ

 最初はタルパをつくるための基礎だ。人形や絵を用いる方法を紹介しよう。

 あなたは「能面」を見たことがあるだろうか。あの顔は喜んでいるのでもなく、かといって悲しい様子でもない。無表情といった感じだ。ところが、それをつけた人が謡曲を流して舞い、演技している様を見ると、無表情だった能面が喜んでいるように見えたり、悲しんでいるように見えたりするから不思議である。

 これは、見ているあなたの主観が能面に投影されるからだ。気分によって小鳥の声が楽しく聞こえたりするのと同じだ。

 この原理を応用すると、人形や人物画に自分の深層意識を投影することができる。深層意識は超感覚的な情報をキャッチする領域であるから、人形や人物画がどのように見えるかによって、霊感を得たり、未来を予知したり、さまざまな超能力を発揮したりすることができる。

 そのやり方は次のとおりだ。

●基礎的タルパの創造

①感情をあまり顔に表していない人形や人物画、写真を用意する。架空の人物を自分で描いてもいいが、その人物に敬意をはらえることが大切だ。

②用意できたら、この人物はいったいどういう性格なのかを決定する。ポイントは、尊敬に値する立派な性格にする、ということだ。
 頭がよく、やさしくて勇気がある。実行力は抜群で、決断も早い。上品でいつも平静だ――このようになるべく細かく決めていき、リアルなキャラクターにする。あなたの理想像を描いてもいいが、その際、欠点は考えないこと。

③さて、そうしたら、一日何回かこの人物に話しかける。口にださず、こころの中で話しかけてもいいが、その人物が本当に生命を持った存在なのだというつもりで行うこと。実際、それは魂を持ちはじめるのだ。

④話しかけたら、その人物が答える様子を想像する。最初は自分が人形のかわりに答えてみる。このとき、前の②で決めた人物の性格に合った答えをいうこと。やさしい人物として性格づけたのに冷たい返事をするのは矛盾していることになる。

⑤この作業を、考えて答えを出すのではなく、瞬間的に答えがいえるようになるまで続ける。

⑥そうなったら、今度は、たとえば「転職したいのですが、どうすればいいのですか」というように問いかけ、答えを思わないで、受け身の状態でじっとその人物の顔を観察する。主観的な感情を交えずに、ただ見るのだ。

⑦すると、その顔が何となく変化していくように見える。転職に反対している顔か、あるいは賛成している顔か、いずれかに見えるのである。
 これは、あなたの霊感がその人形や絵の人物に投影されたことによるものだ。こうして得られた答えは、正しいことが多いのである。

⑧以上の過程を続けていくと、あなたから発する想念波動が人形や絵に染みこんで、想念霊が宿るようになる。つまり、魂を宿したような感じになるのだ。そこまでくると、まるで一個の人格として、あなたの呼びかけに答えてくれるようになるだろう。その応答はテレパシー的な感じで行われる。

訓練2|強烈な想念でタルパを形づくる

自分が想定した人形や絵の人物が、まるで魂を持っているかのように応答してくれる――。そうした感覚を十分に磨いたら、次はニール女史のように実践的なタルパの創造に入る。

●実践的タルパの創造

①まず、基礎で紹介したやり方で魂を与えた人形なり絵の人物を、強烈な想念によって視覚化する。空中に向けてイメージをほとばしらせ、視覚化するのだ。明瞭に、細部にわたって視覚化して見なければならない。目は、鼻は、口は、頭は、手は、胸は、足は……といった具合にひとつひとつ形成していく。

②この作業は、夜、暗くした部屋で、壁やカーテンなどを背景にして行うとスムーズにいく。まるで目の前にその人物がいるつもりで思い描くのだ。いや「つもり」ではいけない。まさにそこに実在する!という段階まで行う。

③はじめのうちは、目を描くとそのほかの部分がぼやけてしまったり、からだに注意を集中していると顔がなくなったりする。コツはやはり意識の集中にある。そして細部から全体というのが基本。ただ人によっては全体から細部のほうがやりやすいかもしれない。自分に合ったやり方を早く見つけることだ。

④根気よくやっていると、しだいにはっきりした人物像ができあがってくる。そうしたら、基礎の③と同じ作業をする。話しかけ応答してみるわけだ。
 最初は意識的に自分自身で答えるのだが、基礎の訓練を十分に積んだ人なら、すぐにタルパが答えてくれるかもしれない。いずれにしろ、そのうち彼はひとりで話すようになる。

⑤普通の人と変わらないような会話ができるようになったら、たとえば、自分でもどうしていいか迷っているような問題について、タルパに質問してみる。
 ただし、それを無条件に受け取ってはならない。はじめのうちは、彼のいうとおりにしてうまくいくかどうか、意識的にチェックをする。すでに述べたとおり、タルパは幻影である。潜在意識の投影物と思ってもいい。その取り扱いに慣れないうちは、間違った情報をもたらすこともあるのだ。

⑥こうして徐々に慣れてきたら、こちらが質問しないのにタルパのほうから何か話す場合もある。そうした会話は十分に吟味しよう。たとえば、危険を知らせるメッセージであったり、だれかからの伝言であるかもしれないからだ。タルパが忠実な召使になってきたのである。

⑦この段階までくると、タルパを実践的に使うテクニックが身についてくる。たとえば、だれかのもとにメッセージを届けさせることもできる。遠方にいるだれそれにこういう伝言をしてきてほしい、というだけで、タルパは忠実にそれを実行してくれるのだ。この場合、先方は“ひらめき”という形でそれを受け取る。

⑧さらに高度な使い方もできる。守護霊として使いにだすのだ。だれか守ってあげたい人がいれば、命令すると、その人のもとにいき守護してくれるのである。


 こうした訓練をひとつひとつ重ね、チェックしながらタルパの取り扱いに習熟していくと、幻影としてのタルパが現実そのものになってくる。

 そうなったときに注意しなければならないのは、あなたがだれかを憎んでいたりすると、タルパは頼まれもしないのにその人のもとにいき、危害を加えることもあるということだ。これは当然あなたの罪であり、カルマ(業)の法則によっていつかはその報いを受けなくてはならなくなるだろう。もちろん、覚醒していればそうした事態には陥らないですむ。 

意識を覚醒させれば超能力が発揮できる

 さて、タルパという存在を介して、幻影といい現実といっても、それがいかにあやふやなものであるかがはっきりしてくる。だからこそわれわれは、覚醒することによって真実をこの手につかまなければならないのである。

 そのためのひとつの修行が、タルパという驚異の人工生命体の創造というわけだが、このトレーニングはそう簡単なものではない。が、もし、あなたの覚醒レベルがかなり高まっているならば、あなたが今考えているほどむずかしいことでもないのである。

 覚醒するにつれ、人は超能力を簡単に発揮できるようになるからだ。オーラを見る視覚、透視や予知能力、願望をかなえたり幸運を招きよせたりする能力、人を異常に魅きつける魅力の発生、そしてタルパの創造など、その驚くべき超能力には目をみはるものがある。覚醒すれば、それがごく日常的なレベルのものになるのである。

 紙数の関係で修行法のひとつひとつについては紹介できないが、こうした超能力獲得の詳しいトレーニング法については、拙著『ファウスト博士の超人覚醒法』(ムー・ブックス)を参照してほしい。そこに用意した10のプログラムを実践していけば、超意識の覚醒と超能力の獲得が、段階を追って修得できるはずだ。

 いずれにしろ、覚醒すれば超能力はだれにでも発揮できる。しかし、筆者がここで強調しておきたいのは、これまで述べてきた修行法は超能力の獲得が目的ではない、ということだ。

 そうではなく、われわれはあくまで「覚醒」をこそめざすべきなのである。たとえさまざまな超能力を獲得して幸福になったと思っても、完全に覚醒していなければ、それはいずれ悲嘆に変わる幻想でしかない。

 眠ったままで現実を生きているわれわれは、人間に秘められたすばらしい力である超能力を、真の意味で使いこなすことはできないのだ。

 さて、覚醒とは何かということについて、いくらかでも把握していただけただろうか。いずれにしても、覚醒への修行は、山に籠ったり、生活を犠牲にする訓練を必要としない。むしろそれは、日常の生活を通して行われる性質のものだ。日常の仕事、人との交流がそのまま修行なのである。

 筆者がそれを実感したさまざまな体験については、先にあげた本に書いておいたので省くが、最後にひとつだけいっておきたいことは、覚醒するまでには長い年月がかかると思う人が多いことだ。それは正しくない。覚醒に際して時間は関係ないのだ。

 条件が整えば、今この瞬間にも覚醒するかもしれないのである。逆に条件が悪ければ、覚醒の訪れは遅くなる。ただいえることは、筆者の体験を読んでもらえばわかるが、覚醒への道は万人に等しく開かれている、ということだ。

 超意識の覚醒と超能力の獲得という人類未到の壮大な夢は、あなたのすぐ前にも広がっているのである。

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