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アフローコロナ 2038年 沖縄

西暦2038年、沖縄県の人口は300万人を突破した。平均年収も東京都を超える額になった。

200万人以上を抱える沖縄本島中南部圏が特別政令指定都市に指定され、国内有数の成長率の高い都市圏に生まれ変わった。そして、沖縄本島北部や離島は、豊かな自然や沖縄文化を特徴としたプレミアムなサービスを提供する観光地に進化した。

沖縄県の主要産業は、金融、IT、観光となった。

特に金融業とIT産業の発展は、2020年の新型コロナの経済危機からの政策の大胆な方向転換がきっかけとなった。

以下、2020年から2038年に至る過程を振り返る。

2020年からの激変

2020年に発生した新型コロナは、またたく間に、日本のみならず、世界中に広まった。新型コロナ自体での直接的な被害は従来のインフルエンザ程度にととまり、大きな損害ではなかった。しかし、未知の病気であることの不安により、人の移動が大きく抑制され、観光関連産業に大きなダメージを与えた。

さらには中国感染地での地域移動制限などで中国内のサプライチェーンが寸断され、世界の工場としての役割が果たしせなくなった。それ以降、中国は経済発展で抑え込んでいた各種の矛盾が吹き出し、経済成長に大きな陰りが見えてきた。

沖縄では、主要産業である観光業は大きく落ち込み、県内経済は大きく疲弊した。沖縄県は外部要因に大きく左右される観光業ではなく、IT産業振興に大きく力を入れることを検討し始め、従来の延長線上ではない施策を打ち出す動きが出てきた。

沖縄県だけでなく、最大貿易相手国のサプライチェーンの寸断・混乱は日本全体にも大きな打撃を与えた。日本政府もITによる大胆なDX化政策を模索し始めた。

各種のDX政策が検討された。その中で、沖縄の役割は、DX化の実験場となることであった。地理的に隔絶された存在の沖縄は、実験地に適していた。また、政治的にも優先的な特区を設けることに他の地域からの反発を受けにくいのが有利に働いた。

まず、沖縄県をデジタル自治体とした。

沖縄県域をデジタル自治体特区するために、各種の法規制を緩和・撤廃して、沖縄県を特別な自治体にして、エストニアで使用されてる電子政府システムをほぼそのまま導入できるようにした。デジタル自治体として利便性の向上と関連システムを含むIT需要の拡大が始まった。

沖縄県内IT産業にとって、従来の下請け型でないIT需要が発生する意義は大きかった。電子政府システム本体は、大手ITベンダーが受注したが、その関連システムを県内IT企業に優先的に割り当てたことにより、電子政府の先進的な技術やノウハウを習得できた。その後のデジタル政府の全国展開に県内IT企業が活躍する要因になった。

電子政府システムにおいて、お金の流れが把握されるようになったため、法人・個人の税務処理が大幅に軽減できた。そして、お金の流れが把握されるようになったため、不正な税務申請がなくなり、アングラマネーやマネーロンダリングなどのお金の流れが判明し、税金の歳入も増加した。

加えて、これまで知識不足で過度の税金納付や生活保護などの必要な申請が適切に行われ、知識の格差による公的支援格差が解消された。

次に、円のデジタル通貨を電子政府システムが稼働している沖縄で、まず、発行することになった。電子政府システムで培ったブロックチェーン技術が磨かれるようになった。

アフター・デジタル

更に、通信キャリア3社(後に4社)が連携しての"アフター・デジタル"実証実験の場として、電子政府とデジタル円が稼働している沖縄が選ばれた。

"アフター・デジタル"とは、オフラインでも、常にインターネットに繋がって、常に居場所や商品購入などのデータが採集されている状態である。オフラインでも、オンラインで通販サイトで買い物をしている状態に近い状況であり、人の状況により最適な体験を提供できる。

通信キャリアは共同して同一のスパーアプリを作り、アカウント管理機能・決済機能・ミニプラグラム基盤を提供した。(通常では競合で同一のアプリを使わないが、沖縄では実証実験であり、かつ、マーケットが小さいため同一のプラットフォームを使うことになった)

スパーアプリとは、メッセージングやソーシャルメディア、決済、送金、タクシー配車、飛行機やホテルの予約、Eコマースなど、スマホで一般的に行われるサービスがすべて詰まっているアプリである。関連性のないように見えるサービス群が、一貫したユーザー体験のもとで統合されているのが特徴。中国の「WeChat」や「Alipay」、インドネシアの「Go-Jek」、シンガポールの「Grab」などが代表的なスーパーアプリである。

生まれた背景には、ユーザーからすると複数のアプリのアカウント登録・管理、クレジットなどの登録・管理が非常に煩雑で、アカウント機能・決済機能を共通化された方が負担が少ないためアジアで急速に普及した。

通信キャリアがスパーアプリを提供したため、普及の速度は速かった。あっという間に、沖縄での決済のほとんどをスパーアプリが担うようになった。また、スパーアプリ上で動作するミニプログラムもその利便性の高さと、開発のハードルの低さから急速に普及した。独自の経済圏がスパーアプリ上に誕生した。

中国沿岸部に次いで、沖縄に"アフター・デジタル"社会が誕生した。決済情報と位置情報が詳細に把握できることにより、各種の予測が正確になった。特に、予測が難しい観光業に大きな効果が生まれた。

宿泊料金の最適化(レベニュー・マネジメント)、飲食店の顧客予測に効果が高かった。さらには、各種のデータが取れることにより、新商品開発・マーケティング手法から細かな施策の効果などの因果関係が明確にわかるようになり、データ分析による経営により、大きく収益力が向上し始めた。

また、個人・法人の信用情報が蓄積することになった。特に、法人の信用情報が詳細に取れることにより、銀行の融資リスクが大幅に低減することになり、融資額が急増することになった。

つづく・・・

こんな事を書こうかと思っています。

・ミニプログラム開発業者が乱立
・金融オフショアを沖縄に、それにより東京の金融産業も盛況に
・アジア・スタートアップ専門の証券市場が沖縄に(ポスト香港)
・証券市場の近くにAIによる高速取引マシン設置
・高速取引に関係するエンジニア多数移住
・海外からのIT技術者・VC受入(新久米村)
・2023年にテーマパーク開園(元USJのマーケッター森岡氏プロデュース)
・森岡氏による実践的な沖縄でのリゾート・マーケッター養成 アジアからの集客のため→沖縄観光の高収益化のきっかけに
・ベーシックインカム導入
・会社組織の崩壊
・ジェネラリスト激減
・スペシャリストが活躍・高収入化
・転職用のSNS LinkedInなどの台頭
・社会人教育マーケットの急拡大
・N高等学校→教育のネット化・VR化促進
・教育のネット化・VR化で大幅にコストが削減
・N高等学校の大学版も登場し大学進学コストが激減
・リアルのスクーリングの場としての沖縄
・リモートワーク、ワーケーションが一般的に
・エビデンスベースの政策立案へ
・IT活用による自給自足経済・・・

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