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麒麟がくる第40回感想・爆弾を仕掛けて散っていった松永久秀

本能寺の変まで、あと5年というところまできた「麒麟がくる」。
放送回数も今回の第40回も含めると、あと5回。
いよいよ物語も佳境に近づいてきたわけで
本能寺の変に向けて物語はどんどん加速していくことだろう。

「麒麟がくる」といえば
やはり本能寺の変がどのように描かれるのか、というのも気になるけど
そもそも「麒麟がくる」というタイトルの理由は何なのか
というのが視聴者は一番気になっているはず。
だって、十兵衛が生きてる間に麒麟は絶対来ない。
残念ながら、山崎の戦いで敗れてしまう十兵衛では
世の中に麒麟を呼べない。
江戸時代が麒麟がきた世の中だとするのであれば
それはもうちょっと先の話だ。
そんなことは多くの人たちが歴史の授業で習って知っていることだろう。
本能寺の変を起こして主君を裏切った明智光秀の結末は有名なだけに
この「麒麟がくる」のタイトルの意味は
不可思議であり謎であり、理由を知りたくなる。
個人的にはそこがこの大河ドラマに一番惹かれているところなのだろう。

そして今回、松永久秀がやってくれた。
彼はおそらく十兵衛を
本能寺の変へ進むルートを選択させた一人だw
信長さまが喉から手が出るほど欲しがっていた平蜘蛛。
それを十兵衛に託すことで
信長さまと十兵衛の間に亀裂を起こし
十兵衛自身が信長さまから離れるきっかけを作ってやった。
松永久秀といえば有名なのが平蜘蛛との爆死。
これが創作であることは今となっては周知の事実だ。
だが、麒麟がくるの松永久秀は
爆死せずとも爆弾を仕掛けて死んでいった。
十兵衛に託した平蜘蛛。
それが爆弾だったのだ。(たぶんw)

十兵衛も信長さまの言動に疑念を持ち始めていることは
松永久秀も既に知っている。
『座れ・座ってます』コントのやり取り(笑)で
十兵衛が松永久秀に心の声を漏らしてしまったからだ。
道三さまの後押しもあって
「大きな国造り」という夢を達成するための旗印に
信長さまを選んだ十兵衛だったが
比叡山や一向衆との戦いで神仏をも恐れず
完膚なきまで相手を叩き潰そうという
信長さまの性根が、十兵衛の考え方とは合わないのだろう。
そりゃそうだ。
信長さまは戦は好きだが(勝つと周りが喜ぶからw)
十兵衛は戦が大嫌い。
おそらく十兵衛は
戦わずして敵を従えられるのであれば
それでいいと思っているはず。
比叡山の焼討の際にも信長さまの命令に反して
女子供は逃がすよう伝吾たちに命じていた。
そういう意味では、信長さまと十兵衛は
まさに水と油の関係なのだ。

松永久秀はそんな二人の関係に気づいている。
十兵衛と信長さまが同じ方向を向いてはいても
その手段・手法は一致していないであろうことに
気づいている。
特に近頃の信長さまの横暴なやり方には
十兵衛も納得はしてないだろう。
それでも信長さまの忠実なる臣としての役割を
全うし続けようとする十兵衛。
松永久秀は
そこに喝を入れてやりたかったのではないか。
十兵衛の志の高さや
武士としての心意気も知っているだけに
少し盲目的に信長さまを推す十兵衛の目を
覚ましてやろうと。
そして可能ならば十兵衛、わしが倒れたらお前が信長を倒せ、と。
そんな思いを平蜘蛛の中に込めて託したのではないか。
つまり名器・平蜘蛛を
十兵衛と信長さまの関係をぶち壊す爆弾に仕立て上げたのだ。

ていう感じの妄想をするのが楽しい回だった(笑)

十兵衛が大好きで十兵衛の顔をみると
ニッコニコの笑顔を見せながら
「よぉ!」って話しかける松永久秀。
そこには戦国三大梟雄という印象の悪いイメージは
どこにも見当たらなかった。
「麒麟がくる」で松永久秀のファンも増えたであろうことは嬉しい。

でも出来れば
もう少し十兵衛とのコントが見たかったなぁ・・・。

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