つくえ

机の引き出しは多い方がいい。中身は沢山詰まっている方がいい。 見て、聞いて、読んで、触…

つくえ

机の引き出しは多い方がいい。中身は沢山詰まっている方がいい。 見て、聞いて、読んで、触って、心ゆくまで詰め込みましょう。 沢山集まったら、細かく包んで、そこら辺に並べておきましょう。 いつか、誰かの、何かに役立ちますように。

最近の記事

  • 固定された記事

自由が生み出すもの

動く、食べる、寝る。 本来、生きるということは至極単純な営みです。 野生に生きる動物などは、まさにこの根源的で単純な営みに集中して生を全うしています。 弱肉強食、自然淘汰、食物連鎖… 野生にはこれら自然界の厳然たるルールや価値基準に背く生き物はまず、いません。 皆一様に生存競争を生き抜くための行動を選択し、より生き抜く確率を上げるために自らを進化させていきます。 そこには迷いも躊躇いもありません。 私たち人間も、かつてはそうした枠の中に収まっていました。 とこ

    • 机上詩片㉔「私が嫌い」

      好き と話していると 私が 嫌いになる 好き はキラキラ輝いて 私が 小さく映るから あぁ 私が嫌い あぁ とても嫌い 嫌い と話していると 私が 嫌いになる 嫌い を嫌ってる 私が とても 醜く映るから あぁ 私が嫌い あぁ とても嫌い 私と 話していると 私が 嫌いになる 私に 甘えてる私が とても 汚く映るから あぁ 私が嫌い あぁ とても嫌い 私は 私が大嫌い 私のことを 嫌ってる 私自身が 大嫌い

      • 机上詩片㉓「砂場」

        砂場に座って 砂掴む 乾いた砂が 落ちていく 乾いた砂に 飲まれてく 砂場と僕に 雨が降る 砂が 雨を 飲んでいく 雨が 僕を 落ちていく 砂場に座って 砂掴む 潤んだ砂が こびりつく 潤んだ砂で 城が建つ 砂場と僕に 雨が降る 雨が 城を 落ちていく 城が 雨に 落ちていく 砂場に立って  歩く 歩く 歩く

        • 机上詩片㉒「道程」

          醜い顔 私の顔 汚い体 私の体 道程が 浮き上がり 黒い染み 刺激臭 痒くって 掻き毟る 血が滲む 空気が沁みる 雨の中 飛び出して 躓いて 水溜り 朱に染まる 雨上がり 水溜り うつ伏せで 覗き込む 真っ黒だ 水溜り 雨の臭い 嗅ぎ取って 思い出す 喉渇き 死にそうで とりあえず 飲み干して 不味くって 死に掛けて ひとしきり 転がって 立ち上がり  そしてまた  歩き出す

        • 固定された記事

        自由が生み出すもの

          机上詩片㉑「内なる森」

          不平不満 語るに落ちる 欲求不満 ドツボにはまる 耳を澄ませ 内なる森に 迫り来る宵闇に 獣達の唸る声を聞け 耳を澄ませ 内なる家に 守るべき同胞(はらから)の 怯え震える声を聞け 重い重い 槍を持て 不安の獣を追い払い 不満の獣を一突きにして 不穏の夜をねじ伏せろ 耳を澄ませ 内なる森に 訪れる夜明けに 獣達の慄く声を聞け 耳を澄ませ 内なる家に 守るべき同胞の 安堵の溜息を聞け 内なる森に光あれ

          机上詩片㉑「内なる森」

          机上詩片⑳「マッチ」

          真っ暗闇は こわいこわい 真っ暗闇には あかりが欲しい マッチを求めて オロオロウロウロ 手探りで 探し当て ランタンに 火を灯す 足元に 伸びる影 真っ黒で 真っ暗で 大きくって こわいこわい 照らせど照らせど 後ろにまわる 真っ黒なかいぶつの 足にマッチで火をつけた やがて真っ黒なかいぶつは 真っ赤な炎に包まれて そして白い 骨になった 白い骨の 下敷きになった

          机上詩片⑳「マッチ」

          机上紙片⑲「待っていた」

          待っていた 待っていた ガラスの靴を待っていた 黒いドレスで待っていた ブランコ揺らして待っていた 赤いシャツを待っていた 夕焼け眺めて待っていた あなたが来るのを待っていた となりのブランコ揺れている 小さな小さな女の子 いつからそこでまってるの? 悲しそうにつぶやいた 鳴り止まない鐘の音 鳥の羽ばたく音がして 白い羽根が空を舞い 黒いドレスを染め上げた 誰もいない公園に 真っ赤な真っ赤な夕陽が沈み ブランコだけがキイキイと 音をたてて

          机上紙片⑲「待っていた」

          机上詩片⑱「赤っ恥、青っ恥」

          赤っ恥 青っ恥 色は違えど同じ恥 赤っ恥の 赤い顔 青っ恥の 青い顔 恥っかきの 君と僕 顔付き合わせ 睨み合う 赤っ恥の 赤い君 青っ恥の 青い僕 色は違えど 笑い草 指差しあって 笑い合う 赤い顔 青い顔 笑い合って 混ざり合う 笑った顔は 赤くない 笑った顔は 青くない 紫でも ないんだけれど

          机上詩片⑱「赤っ恥、青っ恥」

          机上詩片⑰「抜け殻」

          道は常に 前にだけ 伸びている 足は常に 前に向かって 歩いている それなのに 時折 心だけが 後ろに 置き去りになる それでも 抜け殻の足は 歩き続ける 心を措いて 前へ 前へ

          机上詩片⑰「抜け殻」

          机上詩片⑯「夜の帳」

          一日が終わる 長くて短い 一日に 夜の帳が 降りてくる 真っ暗闇の カーテンが 今日の舞台の 閉幕を 慎ましやかに 告げに来る 風がぱたぱた 吹いてきて 惜しみのない 拍手をくれた カーテン下りた 舞台裏 真っ暗闇で 音もなく 役者もセットも 動き出す 明日を演じる 下準備 舞台の上では 団長が 皆々さまに ご挨拶 本日の演目 お気に召したら 幸いです 皆様どうぞ お気をつけて お帰りを おつかれさま おやすみなさい

          机上詩片⑯「夜の帳」

          机上詩片⑮「レイルウェイ」

          いつからか 四角い箱の中 レールの上 揺られながら 流れる 景色を ただ 眺めていた 代わり映えのない 日常は  なにもかもが 順調すぎるくらいで 涙もでない  涙もでないんだ 暇つぶしに 手にとった 世界さえ 僕らを 満たしては くれない どこでもいい ここじゃない何処かへ 僕らを連れだして 誰でもいい 誰でもいいから 退屈に 慣れたフリして 揺られ続ける 僕らは 流れる 景色さえ もう 見なくなっていた

          机上詩片⑮「レイルウェイ」

          机上詩片⑭「ねこ」

          みなもにあぶく ちいさなあぶく ぽこぽこ ぽこぽこ ちいさなあぶく すきとおる みずのなか めをこらす じっとみる ぽこぽこ ぽこぽこ さかなのこ くちを ぱくぱく さかなのこ おいしそう てをのばす おいしそう じっとみる みずおと ぱしゃり みずたま ぱしゃり てをみる ぽたり みずたま ぽたり うつむいて ひとこえ なく にゃあ

          机上詩片⑭「ねこ」

          机上詩片⑬「ナイフ」

          鋼のナイフは 命を殺す 切っ先向けて 握り締め 肉を 骨を 心臓を 突き刺し 切り裂き 抉り取る 切れば切るほど錆付いて 砥いで磨いて元通り 言葉のナイフは 心を殺す 口から飛び出す 無形の刃物 左の刃で 標的を 右の刃で 持ち主を 飛んで回って 切りつける 危険な危険な 諸刃のツルギ 切れば切るほど 鋭くなって 錆のニオイが キツくなる 傷も 刃も 悪臭も 二度と 元には 戻せない 鋼のナイフ 言葉のナイフ ためらい傷が一番痛い 一思い

          机上詩片⑬「ナイフ」

          机上詩片⑫「耳の歌声」

          夕暮れの 帰り道 誰もいない 帰り道で 不意に聞こえた あの歌が 旅の途中 耳に届いた 誰かの歌が 名前も知らない 誰かの歌が おぼろげに けれど力強く 脳裏に焼き付いて 離れない 耳の歌声

          机上詩片⑫「耳の歌声」

          机上詩片⑪「灰色」

          テレビで、ネットで、噂話で 耳に流れて来るニュース 窃盗、殺人、汚職事件 遠い 遠い 自分とは直接関わりのないところで 毎日のように繰り広げられる 黒い 黒い 話 優しさ、思いやり、助け合い いつもの通り道 行き交う人々 変わらない日常の中に 時折 見つかる 白い 白い 気持ち 白いままでいられたら 黒い靄が払えたら けれども心はウラオモテ 天秤のように オセロの石のように 白と黒の間を 行ったり来たり だとしたら 心動かない時は

          机上詩片⑪「灰色」

          机上詩片⑩「青」

          青は 静かな海の色 強く 厳しい 水の色 命を 育む 水の色 青は 遥かな空の色 それはとても おおきくて 全てを包む 風の色 青い 海を眺めたら 強く 生きていけるかな 青い 空を見上げたら 大きな 自分になれるかな 流れる涙 感じる風  私の中の ちいさな 青

          机上詩片⑩「青」