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「義理」が飛び交う時期【音声と文章】

山田ゆり
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1383
※note毎日連続投稿1414日をコミット中1383日目。
※音声・文章、どちらでも楽しめます。




おはようございます。
山田ゆりです。



今回は
「義理」が飛び交う時期
をお伝えいたします。




「じゃぁ、まさ子さん、お願いしますね」
「はい、分かりました。行ってきます」


「すみません。お願いします」
私よりずっと年上の美奈子さんが申し訳なさそうに言われた。
まさ子はにっこりした顔で応えた。


まさ子は上司からお金と車の鍵を預かり会社を出た。


今日はこれから、本社の男性社員のためのチョコレートを買いに行くことになっている。



毎年のことだ。
珍しいことではない。

まさ子は社用車に乗り百貨店に行った。

入り口近くにバレンタインデーの特設コーナーがあった。

さっ、どれにしようか。



まさ子の会社の本社では
バレンタインデーは男性社員に義理チョコを渡すことになっている。

その義理チョコは個人がそれぞれあげるのではなく、
本社の男性全員に同じチョコを上げることになっていて、
誰かが代表でチョコを買ってきて、
そのお金を女子社員全員で平等に負担することになっている。

その方が不公平感がないからということだ。
「義理チョコ」と言っても本社は
会長・社長・専務など重役にも同じものを差し上げるため、
数百円の義理チョコは論外で、かなり高級なものを買うことになる。



まさ子は店内のショーケースを眺めながらぶらぶらした。
仕事中にこんなことができるのは不思議な感じがした。

夫と子どもたちにはこれがいいかな?

本来の目的を果たす前に家族用のものが決まりかけていた。



心を込める人のチョコはすぐに決まるが
義理の義理のチョコは、変に気を使い
なかなか決まらない。

これにしようかな?
でも、あまりに小さすぎかな?
こちらはどう?
でも、お酒入りは仕事中に食べる人もいるから駄目だ。


小一時間かけてやっと義理チョコが決まった。
会社用と自分用を分けて精算しまさ子は売り場から離れた。



毎年のことだがうちの会社の義理チョコはどうにかならないものだろうか。

一か月後にホワイトデーがやってくる。
その時も、女子社員の代表がお返しを買いにいく。

そして、その代金は男性社員が割り勘で支払い、
その品物は女性社員全員に配られる。

そこに気持ちは入っていない。


ただ単に、
2月には男性社員にチョコレートがわたり、
3月には女性社員にお返しがくるだけ。

物と物が行き交うだけ。

その為だけに貴重な就業時間を使い
スキでもない人のために自分のお金を使う。

バカバカしいと思う。
大事な家族にあげるのはいいが
どうしてこれを仕事としてしなければいけないのか。


そうは思うが昭和的雰囲気たっぷりの今の会社に対して
まさ子は自分の意見を言う立場にない。

黙って従うしかないのだ。



電気のスイッチをこまめに切る。
暑くてもなるべくエアコンは我慢する。
カラーコピーは極力しない。
会社では経費削減を呼び掛けている。


みんな、経費削減に積極的に協力している。
それなのに、この義理チョコ騒動が無駄であるという発想が会社にはない。


時間と労力の無駄。


「チョコを渡したければ
やりたい人だけやればいいじゃん。
なんで会社の行事のようにするかなぁ。」


言えないけど。






今回は
「義理」が飛び交う時期
をお伝えいたしました。

本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。 

ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。

山田ゆりでした。





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