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田畑を相続した我が家の場合~大きい畑~【音声と文章】

山田ゆり
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※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、
どちらでも数分で楽しめます。




おはようございます。
山田ゆりです。

今回は
田畑を相続した我が家の場合~大きい畑~
をお伝えいたします。



先祖代々の土地を持ち続けること~大きい畑」の場合~


農業をする気がない人は田畑を相続してはいけない。
これは我が家の田畑に関する淡々とした記録である。

お米と野菜の専業農家だった夫が急逝し、田畑の管理と言う大仕事が降ってきた。
相続した田畑は、大雑把に言うと、「田んぼ」と「大きい畑」と「小さい畑」の3か所になる。



「大きい畑」の方は道路に面しているところで、以前は田んぼだったところである。
亡くなった父の後を継いで、会社員から専業農家になった夫が、
田んぼから畑に変えたのだ。
だから周りは田んぼで、私のところだけが畑になっている。


夫の急死で私は田畑を相続した。
夫が亡くなり初めての春、周りの田んぼに水が入り清々しい状態なのに
私の畑のところだけが1m以上の草が生えていて
遠くから見ると砂漠の中に突如現れた密林のようで、異様さを感じる。


カマを手に草を刈ったが、思ったほど進まなかった。
我が家には夫が使っていた草刈り機があるが、それは重くて持つことができない。

仕方なく、女性でも使えるといううたい文句の草刈り機をホームセンターから購入した。
最初の印象は体重43㎏に満たない私でも使いこなせると感じた。


人力に比べて驚くほど早く草を刈ることができるだろうと私は意気込んだ。
颯爽と機械を繰る自分の姿を想像した。

しかし実際は、へっぴり腰で私はフラフラしながら畑の草を刈っていた。

わずか一時間後、のどがカラカラになり休憩した。
用意していた飲料は砂地に水が落ちていくように乾いた体の中に入って行った。

刈ったところを見る。まだ全体の10分の1にも満たない。
結局その日は一枚の畑の4分の1もできなかった。
草刈り機の重さが肩にずしりと食い込んでそれ以上草を刈ることはできなかった。

もっと体力があればきっとできたのだろう。
「世の中そんなに甘くはない」
そう言われているようだった。


娘が仕事帰りに少しずつ、手にカマを持って草を刈ってくれた。
私も時々、草を刈りに出かけた。

しかし、一週間に1度の休みの時は買い物や家事などが優先され、
毎回畑に行くことは無理だった。

また、時間的には行ける日でも、雨で行けない日もあった。
だから、畑の草は私たちが頑張っても成果は目に見えず、失望しかなかった。



田畑を貸そうと思い、調べてみた。
田畑の移動は「農業委員会」に届け出なければいけないということをその時初めて知った。
「農業委員会」の存在さえ私は知らなかった。
相続した田畑は、まずは「貸す」という選択を私は選んだ。

その手続きをして市役所を出た時「これで草刈りから解放される」と思った。
しかし、その後、「借りたい」と言う人はなかなか現れなかった。


やがて、そこを「買いたい」と言う人が現れた。
農業委員会と農家の仲介役である調整委員の方が我が家に訪れ、その話をしてくださった。

その方に売ったら私たちの苦労はもうなくなる。売ってしまえば楽になる。
そう思ったが、しかし、私はその土地をまだ売りたくはなかった。


その土地は道に面しているとても使いやすい土地だった。
今はできないけれど、将来、定年退職したら畑をやりたいとその時は思っていた。

そして一番の理由は、その土地は私が保育園児の頃、祖父や両親、姉や弟たちと稲刈りをしていた土地だった。

我がふるさとのお山が向こうに見えるその場所は、私の心の基地のようなのだ。
まだその思いは捨てきれない。
この景色を人に渡したくはなかった。


私は娘たちに自分の気持ちを伝え、娘たちは納得してくれた。
せっかく「買いたい」と言ってくださる方がいたが、その話は無かったことになった。




実は、夫が残してくれたこの「大きい畑」を畑として使用するには難問がいくつかあった。

・草がボウボウ
・畑の周りに農業資材のビニールがたくさん無造作に置かれている
・同じく畑の周りに特大の焼酎のペットボトルが散乱している
・大小2つのビニールハウスがあるが、ビニールがかかっていないところがある
・大きいビニールハウスの中にトラクターが放置されている


広大な畑には、大小合わせて2つのビニールハウスがある。
そのビニールハウスにはトラクターや農機具などが置かれている。

そして、畑の周りには、露地栽培用のビニールがところどころに無造作に置かれていた。
素人の私からすると、使わないならビニールハウスの中に置いておけばいいと思うのだが、夫はところどころにビニールを置きっぱなしにしていた。


それを寄せようと私はビニールを持ってみた。
しかし、それは予想以上に重かった。
長さが数十mのビニールハウスは女性の私では持てなかった。
だからそれを片付けることができない。


また、その畑には水があまりない。
父が健在だったころは井戸を掘ってその井戸水を機械で汲み上げて作物に掛けていた。
しかしその後その井戸は枯れてしまった。
そこで父は使わなくなったバスタブを持って来て雨水をためておいてそれを使っていたが、それだけでは足りなかった。


夫は毎晩、焼酎を飲む人だった。片手で持つのは重いと感じるあの大きなペットボトルに入っている焼酎を飲んでいた。

夫はそのペットボトルに水を入れて畑の周りに置くことにした。
その数は数個ではない。あの広大な畑の周りには数十個、もしかしたら百は超えるかもしれないそのペットボトルが散乱していた。


知らない人はなぜペットボトルを畑の周りに捨てているのだと思うかもしれない。
私は夫が健在なころから、そのペットボトルの存在が嫌いだった。
どうみても見苦しい。


でも、夫がしている農業に口出しはしないことにしていた。初めての農業を夫なりに頑張っているのが分かっていたから。


夫が急逝し、田畑の管理を私がしなければならなくなり、たくさんの問題を抱え込むことになった。

畑に散乱した農業資材のビニールと大きなペットボトル。それらを片付けなければいけない。

汚れものを運ぶためには軽トラックが必要だ。
夫が亡くなってすぐに軽トラックはもう使わないと思い、会社でお世話になっている自動車会社に買い取っていただいたが、それは早すぎた行動だったと後悔している。

私たちの軽自動車にあの汚いものを乗せて運ぶことはできない。


今年になってその「大きい畑」の方を借りたいという人が現れた。

農業委員会の調整委員に間に入っていただき、話はトントンと進んだ。
実際の賃貸借契約は来年の3月からで、それまでに、畑として使えるように借主が整備してくれるとのことだった。


長くなりましたので、続きは別の日にいたします。




今回は
田畑を相続した我が家の場合~大きい畑~
をお伝えいたしました。

本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。 

ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。

山田ゆりでした。








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