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宝くじの思い出【音声と文章】

山田ゆり
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今回は、宝くじの思い出 をお伝えいたします。
8分10秒の音声です。
音声と文章どちらでもお好きな方をどうぞ。

**文章はここからです***
おはようございます。山田ゆりです。
今回は、宝くじの思い出
をお伝えいたします。


先日、宝くじ売り場の前を通りました。
以前は、年に1回、年末に宝くじを購入していました。

あなたは宝くじを買われますか?
一度に何枚くらい買い求めますか?
当たった事はありますか?

長女と三女を妊娠している時に
年末の宝くじが当たりました。

当選金は普段の宝くじ売り場で換金できない金額で
隣の市の第一勧業銀行でなければ換金できませんでした。

それまでそのような大金は当たった事がなく
事前に持参するものなどを電話で問い合わせ
有給休暇をとり受け取りに行きました。


妊婦さんは宝くじが当たりやすいというジンクスを聞いた事があります。

妊娠すること自体、天文学的な確率だそうです。
妊婦さんは引き寄せの法則が強く働いている時期なのかもしれません。


宝くじの話で、思い出すことがあります。

私は独身の頃、弟の入院に3か月間付き添いをしました。

「バカ」が付くほどの野球やスポーツが大好きな弟が、
突然、不治の病に罹りました。
テレビドラマなどによく登場する病名でした。

体調不良が続き
小さな病院数件で診てもらっても
「良く分からない」と言われ

最終的に大学病院で検査したら
検査結果当日、緊急入院し
「現在、生きているのが不思議なくらいだ」

と医師に言われるほど
弟の病状は既に末期でした。


弟は普通病棟に1か月
ICTUという無菌室に1か月
そして最後に個室に1か月入院しました。

無菌室に入る時、医師から、
「無菌室を出る時は、覚悟する時期です」
と両親と私は言われていました。

私はこの3か月間、弟のベッドの近くに
布団を敷いて寝泊まりをしました。

薬の副作用で髪の毛がどっさり抜け
吐き気や突然の40度を超える高熱
辛い治療の中、

見舞客が入れない無菌室での生活で
私との会話が弟にとっては
唯一の気晴らしになっていたと思います。

ある日、弟がそろそろ宝くじが発売されるから、
あそこの売り場から買って来てほしいと私に頼みました。

弟には正式な病名も、そして、
余命3か月であることも知らせていませんでした。

本当の事を知っているのは
両親と私の3人だけでした。

助からない病気だと本人に伝えてしまうと
本人は勿論、私たち周りの皆も
そのことを信じすぎてしまい

もしかしたら治るかもしれない病気が
治らなくなってしまうかも。

だから、本人へは本当の事を言わないと
私たち3人は決めたのです。

だから、今までのケガの入院と同じで
治療したら退院できると弟は信じていました。

無菌室に入って、髪の毛が抜けても
弟は退院後の事をいろいろ考えていました。

苦しい闘病生活ではありましたが
弟には夢も希望もありました。

そして、お楽しみのつもりで、
宝くじを買うというイベントを
弟は思いつきました。

私は弟から委託され宝くじを買いに行くことになりました。

おふざけで、宝くじを買いに行く
壮行式を弟の前でして
無事に宝くじ購入のミッションはクリアしました。


その後、弟の容体が急変し、
無菌室から個室に移りました。

そして「知らせたい人がいたら
今のうちに連絡してください」と
医師に言われました。

私は弟のお友達の連絡先は
一人しか知りませんでしたので
その人に連絡しました。

その時、初めて、病名をその方に伝えました。

あんなに友達がたくさんいる人なのに
知らせる人は一人しかいない。
しかも深夜。

私は弟にとても申し訳ないと思いました。

しかし、深夜に会いにきて下さったのは十数人の方でした。

ハアハアと苦しそうにしている弟をガラス窓越しで見た皆さん。
まさか弟が亡くなる病気だとは今まで思っていませんでしたので
集まった皆さんの反応は痛いほど分かりました。

泣き崩れて周りの人に支えられている女性の方もいらっしゃいました。

医師の「長くて3か月」の言葉通り
判を押したように3か月間の闘病の末
弟は28年の生涯を閉じました。


壮行式までして購入したあの宝くじはどうなったのか?

弟が亡くなり、病院から荷物を引き上げ
弟の入院中の日記やお見舞い金
そしてあの宝くじなどが入った
弟の私物。

突然の事で動転していた両親が
なんと燃やしてしまいました。

私は弟の自筆のノートを宝物にしたいと
以前から思っていましたが

あの混乱期に両親は中身を確認せず
全てを畑で燃やしてしまいました。

宝くじよりも何より、
弟の温もりを感じられるノートを
焼かれてしまったのはとてもショックでした。

しかし、我が息子が自分より先に死ぬ。
その苦しみに耐えていた両親の事を思うと
強くは言えませんでした。


妊婦さんは宝くじが当たりやすい。
では、入院中の方には
引き寄せの法則は存在するのか?

その答えは、分からずじまいです。


本日は、宝くじの思い出
をお伝えいたしました。

本日も最後までお聴きくださり
ありがとうございました。

ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日にしましょう。

山田ゆりでした。

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