いい事したはずなのに。

褒められてもいいことしたはずなのに。

順番を間違えて
逆に謝ることになった。

残念。
そういうとこが私の惜しいところ。

ああ、残念。

その思い、トイレに流した。

バイバイ




＊＊

いい人なのに、ちょっと残念な人っているよね。




のり子の勤務先で、先月納車になったトラックの給油カードができてきた。

新しくガソリンカードを追加依頼するとこれまででは2～3週間かかっていた。


カードの追加依頼の仕方はこうだ。
カードの追加申し込みの書類をクレジット会社へ電話でお願いをする。
↓
その用紙は普通郵便で5日後くらいに届く。
この用紙は必要になった時に依頼するしかない決まりになっている。
↓
書類が届き、記入し上司へ上げる。多忙な上司はすぐには社印を押さない。遅い時は翌朝こちらに戻ってくる。
↓
それを普通郵便で送る。
↓
郵便を投函しておよそ２週間後にクレジット会社から届く。


このような流れになっている。
「書類を手配してから会社に届くまでの時間」と「上司の押印のタイミング」が時間ロスだとのり子は常々感じていた。




前回、のり子が追加申し込みの用紙が欲しいと電話したところ
Webで手続きができるようになったと言われた。
その時は書類で手配したが次回からはwebでやってみようと思った。



そして今回、トラックが納車になり、試しにwebで依頼してみた。
HPに必要事項を入力し送信するだけだった。

これまでのように用紙が届くのを待つ必要はない。また、上長から会社の印鑑を押していただく必要もない。

「カードを追加依頼しよう！」と思ったら数分後には依頼が終わっていた。


そしておよそ一週間後にカードができてきた。
ネットはなんと便利な物だろう。これからは思った時に行動するとすぐに仕事が完結する。
のり子はネットでガソリンカードを依頼することができるのが嬉しかった。



予想以上に早くカードが届いて嬉しかったのり子は上司に報告しようと思ってふと気づいた。

そもそも、このガソリンカードをwebで依頼できるようになったことを上司に報告していなかったのだ。

車が増えた場合、ガソリンカードを依頼するのはのり子の仕事で、いちいち「カードを依頼します」とはこれまで上司に報告をしなくてもよかった。
だからその延長線上のことをしただけと思っていたが、よくよく考えると、これまでの手書き申請の場合、会社の印を押した段階で上長はその事実を知ることになる。

しかし、webの場合、押印がないため、上長には何も連絡していないことになると気が付いた。




あぁぁ。

Webでカード依頼ができると分かったあの時に
「今度、webでできるようです。次回、やってみます。」
その一言が必要だったのだ。


上長は連絡・報告漏れには厳しい方である。

時間の節約にもなり、会社にとってとても良いことをしたとのり子は満足していたが、たったひと言、それを言わなかったことで逆に上司から注意を受けたのである。




これがいい。
そう思うと突っ走ってしまう性格ののり子である。

いい人なのに、ちょっと残念な人っている。
がんばってるね、のり子。










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いい人なのに、ちょっと残念な人っているよね