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ショートショート

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「こうだったらいいな」「ああなりたいなぁ」「もしもこうだったら怖いなぁ」たくさんの「もしも」の世界です。
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2023年10月の記事一覧

動く鞄の中を見られる時(ショートショート)【音声と文章】

※note毎日連続投稿1700日をコミット中! 1639日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、 どちらでも数分で楽しめます。 おはようございます。 山田ゆりです。 今回は 動く鞄の中を見られる時(ショートショート) をお伝えいたします。 よし!終わった! のり子は書類の束を事務用保存箱へ入れ終えた。 今月の振替伝票のまとめが終わった。 各科目ごとの内訳書もできた。 あとは会計事務所へこれをお届けすればいいだけ。 会計事務所へ書類をお届けする仕事はなるべくのり子はしないことにしている。 仕事とはその人でなければいけないことはするが、誰でもできることは他の方にお任せする方がいい。 のり子はパートのA子さんに話しかけた。 「A子さん、会計事務所へ出かけてほしいんだけれど、今、大丈夫?」 A子さんは快く承諾してくれた。 あとは車をどうするかだ。 のり子の会社は勤務中に出かける時は社用車を使うことと決められている。個人の車を使うことは厳禁なのだ。 その決まりに慣れなかった頃は不便さも感じたが、もしも事故が起こった時の補償問題の関係で、そうせざるをえないのだ。 営業員にはそれぞれ専用の車があてがわれている。 事務係にも事務用の軽自動車が1台ある。 しかし、製造部門でどうしても車が足りず本社の事務用車両は昨日から少し離れた工場に貸し出し中なのだ。 これは良くあることだった。 と言うことは、本社に今いる営業の方で当分出かけない人を見つけて、その方の営業車をお借りするしかない。 誰がいらっしゃるかな。 のり子は営業室に入った。 所長とタケさんがいた。 どちらも話しやすい方でよかった。 これまで何度かのり子が車を借りていたので話しやすかったからのり子は同年代のタケさんに話しかけた。 「タケさん、40分位、お車をお借りしたいのですが、大丈夫でしょうか。」 「うん、大丈夫だよ。」とすぐ答えてくれ机の端に置いてあった車のキーに手を伸ばした。 ここまではいつものパターンだった。 のり子は一仕事が終わり解放感に浸っていた。だから、気持ちにも余裕があった。 のり子はタケさんをちょっと試したくなった。 「行先は会計事務所です。で、車を運転するのはA子さんです」 するとタケさんの手が止まった。 そして、素直なタケさんは 「5分位、ちょっと待ってくれないかな。車の中、散らかってるから」 少しはにかみながらおっしゃってタケさんは会社を出て車へ向かった。 やっぱり^^ どういう事かと言うと いつもなら、「車貸して」「はいよ!」とすぐに鍵を貸してくださる。 タケさんの車の中は、いつも食べたカラをスーパーの袋に入れて助手席の足元に置いてあった。袋に一応入れてあるから散乱はしていないのだが、それでも綺麗とはお世辞にも言えない状態である。 営業の方々の車は大体はそうである。 会社の車ではあるが、いつも乗る人は同じだから自分の動く鞄のようなものである。 その車を誰かに貸すということは、自分のカバンの中身を見せることと同等だ。 私が車を借りたいと言ったらすぐに鍵を貸してくださる。それだけ気が置けないということだと良い方に解釈する。 だが、社内で一番清楚で若くて美しいA子さんが車に乗ると聞いたタケさんは、自分の車の中を片付けに行った。 5分はとうに過ぎている。 でも、まだ戻って来ない。 それを見た同僚のB子さんは 「私たちが車を借りる時は何でもないのに、A子さんが乗るって言ったら片付けるんだから。これってどうよ(笑)」 すると 「私が車を借りた時、片付けられたこと一度もない。ジェラシーだわぁ(笑)」 とC子さんが追随した。 「私も」「私も」 事務所内は笑いで温かくなった。 結局、10分位してタケさんが戻ってきた。 その後も一言二言、みんなにいじられながらタケさんは 「ちょっと散らかっているけど」とおっしゃって、A子さんに車のキーを渡した。 実は先日もそうだったのである。 今回と同じパターンで、営業のユウキさんに車を貸してほしいとのり子は頼んだ。 「うん、いいよ、いいよ」とふたつ返事ですぐにキーをのり子に渡そうとした。 のり子はキーを受け取る前に、運転するのはA子さんだと言った。 すると、ユウキさんは 「あ、僕の車の中、ちょっと散らかってるから片付けてくる」 そうおっしゃって片付けに行ったのだ。 その時のユウキさんの顔は少し赤らんでいた。 自分のカバンと同じくらい個人的な空間の車。 それを人に貸す時の男性陣の反応を見るのは楽しいのである。 今回は 動く鞄の中を見られる時(ショートショート) をお伝えいたしました。 本日も、最後までお聴きくださり ありがとうございました。  ちょっとした勇気が世界を変えます。 今日も素敵な一日をお過ごし下さい。 山田ゆりでした。 ◆◆ アファメーション ◆◆ .。*゚+.*.。.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。 私は愛されています 大きな愛で包まれています 失敗しても ご迷惑をおかけしても どんな時でも 愛されています .。*゚+.*.。.。*゚+.*.。゚+..。*゚+

歩くダイヤモンド(ショートショート)【音声と文章】

※note毎日連続投稿1700日をコミット中! 1630日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、 どちらでも数分で楽しめます。 おはようございます。 山田ゆりです。 今回は 歩くダイヤモンド(ショートショート) をお伝えいたします。 「すみません。仕事の関係で15分ほど遅れます。」 エリは相手にラインを送った。 「分かりました。大丈夫です。」 顧問先からの電話が長引き、エリは会社を10分位遅く出た。 今日は週末。 一緒にお食事をするだけの相手を見つけるアプリで 今日は初対面のその人とお食事をすることになっていた。 目的はあくまでも食事をするだけ。 それ以上のことはお互い求めないことを約束している。 信号機が青になった。エリは横断歩道を駆け足で渡ろうとした。 ふと、杖をついたおばあちゃんがのんびり歩いているのが見えた。 その歩き方だときっと信号は赤になってしまう。 白髪で背中が少し丸くなって歩くその姿は、2年前に亡くなった祖母を思い出させた。 「お荷物、お持ちしましょうか?」 エリはとっさにその方に近寄り声を掛けた。 「ありがとう。」 おばあちゃんは顔を上げ、しわ皺の顔を更にくしゃくしゃにして微笑んだ。 エリはおばあちゃんが手に持っていた荷物を右手で受け取り、左手をおばあちゃんの背中のあたりにあてて周りを見渡しながら一緒に歩いた。 おんぶしてあげたかったがエリはそこまで体力がない。 しかも今日はおめかしをしていて、ハイヒールだった。 信号機は青が点滅しだした。たぶん、間に合わないだろう。 でも、赤の横断歩道をおばあちゃんが一人で渡るよりは、大人の私が一緒なら少しは車を運転する人からは目立つかもしれない。 と、思っていたら、突然、後ろから声がした。 「お手伝いしますよ。」 そう言って、その人はおばあちゃんを軽々抱え上げ小走りに走り出した。 エリも彼につられて走り出した。 そして信号を渡りきった彼はおばあちゃんを静かに下ろした。 「良かったですね間に合って。」 歯並びの良い白い歯が、ニーッと笑った大きな口から見えた。 彼はそう言うと何事も無かったように去っていった。 引き締まった上向きのお尻が印象的だった。 一言二言、言葉を交わしたエリはおばあちゃんと別れ、待ち合わせの場所に着いた。 10分位遅れると予想して15分遅くなると相手に伝えていたが、 それより5分遅刻し、結局、最初の約束より20分遅れてしまった。 エリはあたりを見回したがそれらしき人はいなかった。 ラインを送ったら 「約束の時間に遅れるなんて、君、ほんとは僕と会う気がなかったんじゃない?期待させておきながらドタキャンするタイプか君は。そんな人はごめんだ。」 なんと断られてしまった。 エリは言い訳はせず、丁寧に謝り、ラインを閉じた。 「ふん、たかが20分遅れたからって何よ!そんな人、こちらから払い下げよ!」 足早にエリは歩いていった。 いつもなら時間通りに上がれるのに今日に限って、顧問先様の電話が長引いてしまった。 今日は美味しいお食事が食べられると思っていたのに。 今日は運が悪い。帰ろう。 でも、最初から会う気もなかったと勘違いされて、無性に腹が立った。 エリは怖い顔でさっそうと足早に歩いて行った。 するとエリを呼び止める声がした。 「何?ナンパなら他の人にして。私、今、とても腹が立っているんだから。」 その男性は 「どうしたの?何があったんだい?良かったら僕が話を聞いてあげるよ。」 「いえ、要らないです。今、虫の居所が悪いので、人に気を使っている余裕がありませんから。」 世の中の男と言う男どもとはおさらばしたい心境だった。 「僕で良かったら話を聞くよ」 30代中ごろのその男性はエリに歩調を合わせながら語った。 エリはお腹が空いてきた。 「私、お金払いませんよ。まずかったら食べません。それでもいいですか?」 相手はにっこり微笑み、すらりとしたその男性とエリは近くのレストランへ入った。 席に着き彼が聞いてきた。 「何をそんなに怒っているんだね?」 エリは今日のことを話し始めた。 彼は両手の指と指の間を広げて、胸の前で全ての指先をつけるような動作をし 時々大きく頷いてエリの話をじっと聞いていた。 なんて大きな指なんだろう。 エリは彼の指が気になりながら話を続けた。 エリは一通り話をしたら気が済んだ。 お腹もいっぱいになった。 「どうして私に声を掛けたんですか?」 「こんな寒空で、ダイヤモンドが歩いている!と感じたんだ」 何てへんな人なんだろう。 ま、私の美しさは今日始まったことではないから、分かるけど。 お腹もいっぱいになったことだし さぁ、帰ろう。 食事代は全部彼が払ってくれた。 そういう約束だったからとエリは自分に言い聞かせた。 一度築いた二人の距離は、そのままにしておきたかった。 ご馳走していただいたからといって、こちらから歩み寄りたくはなかったから。 女王様の気分でエリは分かれた。 別れ際、彼は「車代だから」と言って、小さく折りたたんだ紙幣をひと差し指と中指に忍ばせてエリにさりげなく渡した。 そして彼はタクシーを止め、エリひとり乗って走り出した。 彼はタクシーを見送っていた。 彼が見えなくなってエリは前を向いた。 不思議な人である。 怒って歩いている女性に声を掛け、食事をご馳走しながらただ話を聞いて そして車代まで出してくれた人。 エリはこれまでそんな人に会ったことが無かった。 不思議な一日だった。 *** その日はエリのプレゼンの日だった。 数週間かけて作った資料は部長にチェックしていただき その後、社内のミーティングで公開され、いくつか手直しをして 最善のものができた。 エリはお取引先のA社へ一人で向かった。 今日はくるぶしがちょっと見える丈のビジネススーツに身を包み 決め靴であるヒールの高いパンプスを履いていた。 カツカツと颯爽と歩くエリは、まさしく道を歩くダイヤモンドのようだった。 アポイントメントの5分前にA社の受付の方に名を名乗り エリは指定された12階のフロアへ上がった。 エレベーターのドアが開いた。廊下は厚い絨毯が敷かれていて この階が特別な階であることを証明していた。 エリは商談室1222のドアをノックした。 秘書の方が出迎え、奥の部屋へ通された。 数人の方が既に席についていた。 「株式会社〇〇の吉澤と申します。本日は△△のご提案にお伺いいたしました。」 エリは明るく挨拶をした。 一面ガラス張りの窓を見ていたその男性がこちらに振り向いた。 エリはハッとした。 あの時、エリを歩くダイヤモンドと言った人だった。 そして座っている方々を見てエリは更に驚いた。 あの時の横断歩道のおばあちゃんが白髪をきれいに束ね、上品な服装で着席していた。 その隣には、おばあちゃんを担いだあのお尻の美しい男性も座っていた。 「やぁ、またお会いしましたね。」 彼は椅子に座り、両手の指と指の間を広げて、胸の前で全ての指先をつけるような動作をしながらエリのプレゼンを静かに聞き始めた。 今回は 歩くダイヤモンド(ショートショート) をお伝えいたしました。 本日も、最後までお聴きくださり ありがとうございました。  ちょっとした勇気が世界を変えます。 今日も素敵な一日をお過ごし下さい。 山田ゆりでした。 ◆◆ アファメーション ◆◆ .。*゚+.*.。.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。 私は愛されています 大きな愛で包まれています 失敗しても ご迷惑をおかけしても どんな時でも 愛されています .。*゚+.*.。.。*゚+.*.。゚+..。*゚+

僕らは加害者なのか?(ショートショート)【音声と文章】

※note毎日連続投稿1700日をコミット中! 1627日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、 どちらでも数分で楽しめます。 おはようございます。 山田ゆりです。 今回は 僕らは加害者なのか?(ショートショート) をお伝えいたします。 「ふぅ~」 マサオは大きく息を吐いた。 今期の決算がやっと終わった。 経常利益と前期損益修正損の金額を見てひとり小さくつぶやく。 「前期損益修正損がなければ従業員の給与・賞与はもっと多いはずなのに」 かつての会社のトップと一部の上層部だけで行われたその件。 それが明らかになった時は、それに関与したトップ及び関係者は既に退職され、亡くなられた方も数名いた。 その金額は一度で精算できるものではなかったので、会社としては10年計画でその乖離を正すことに決めた。 そのため、毎期、前期損益修正損が計上されるようになった。 過去の人達が享受した利益。 そして、当時のことを何も知らない僕たちがその責任を負っているのだ。 昔の上層部だけで行われたその件について 当時関与していない現在の僕たちがその尻拭いをしているようなものだ。 決算上では営業利益も経常利益もたくさん出ているのに、莫大な特別損失の為に純利益が少し出ている状態で今期も終わった。 考えてみればおかしなことである。 なぜ、関係のない僕たちがその責任を負わなければいけないのか。 通常の利益活動から出る経常利益。 僕たちは本来、この経常利益に値する仕事をしているのだ。 もっと胸を張ってもいいのだ。 人によっては2年連続で昇給が無い人もいる。 それはその人が無能なのではなく その人より僅かに優秀な人を昇給したらそれ以上の余力が会社には無かったから、普通の人の昇給まで手が回らなかっただけだった。 バカげたことである。 今は亡き人が行ったことを正すために 当時のことに全く加担していない僕たちが その責任を負っている。 僕らは本来、もっと待遇が良くてもいいはずなのだ。 経常利益がそれを証明している。 最近、テレビなどの報道で賑わっているあの件も同等だ。 なぜ、加害者ではないのに、その責任の一端を今いる僕たちが負わなければいけないのか。 ある意味、僕たちも被害者なのだ。 だから 何も知らずに加害者を責めるのはキケンなことだと僕は思う。 加害者と一般的に言われている人たちの中に、実は被害者である、 そういう人が存在するかもしれないことを肝に銘ずる。 今回は 僕らは加害者なのか?(ショートショート) をお伝えいたしました。 本日も、最後までお聴きくださり ありがとうございました。  ちょっとした勇気が世界を変えます。 今日も素敵な一日をお過ごし下さい。 山田ゆりでした。 ◆◆ アファメーション ◆◆ .。*゚+.*.。.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。 私は愛されています 大きな愛で包まれています 失敗しても ご迷惑をおかけしても どんな時でも 愛されています .。*゚+.*.。.。*゚+.*.。゚+..。*゚+

苦手意識は幼少期の出来事が起因している(ショートショート)【音声と文章】

※note毎日連続投稿1700日をコミット中! 1623日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、 どちらでも数分で楽しめます。 おはようございます。 山田ゆりです。 今回は 苦手意識は幼少期の出来事が起因している(ショートショート) をお伝えいたします。 「今、おじいちゃんからもらったお金、よこせ!」 その人は鬼のような顔でテツコをにらんだ。 保育園児のテツコは目に涙を溜めながら、右手に握りしめていた五円玉をその人に渡した。 開いた掌は五円玉の穴の模様がかすかに見えた。 テツコはつい今しがた、おじいちゃんから手招きされて木の陰で五円玉をもらったのだ。 おじいちゃんは厳格な人だったが孫にはいつも優しかった。 おじいちゃんはいつもあの人がいないところでお金をくれた。 テツコは嬉しそうに家に戻る。 おじいちゃんはそのまま田んぼに向かった。 するとその人は鬼のような形相でテツコの前に立ちはだかった。 そして、おじいちゃんからもらったお金はその人によってとりあげられ、その人の薄汚れたモンペのポケットに移った。 おじいちゃんはその人がそんなことをしているのは知っていたからこそ、その人に隠れて孫のテツコ達にお金を上げていたのだ。 食事中にテツコは悔しくなって泣きながら言った。 「おじいちゃんからもらったお金、おばあちゃんに盗られた~。えーん。」 一瞬、しーんとなる。 「そりゃぁ、おじいちゃんのお金は私のもんだからだよ!」 強気なその人は恥ずかしくもなく当たり前のように言った。 母も、お婿さんである父も、何も言わない。 ** テツコの本当のおばあちゃんは身体の弱い人だった。 何度も妊娠し、7~8人産んだが、おっぱいがうまく出ない人だった。 だから赤ちゃんはほとんど数日後に亡くなったそうだ。 ご近所でたまたま出産したばかりの人がいらして、「もらい乳」でテツコの母と伯母の二人は生き延びたのだそうだ。 そして、母が10代の頃に病弱なおばあちゃんは亡くなった。 その後、母と伯母が家のことをしながら家業の農作業も手伝っていた。 祖父は当時、何町(ちょう)もの田んぼを持っていた。 1町(ちょう)はおそよ100m×100mで、野球のグラウンド部分くらいの広さと考えてもいいかもしれない。 当時の我が家は大農家の部類に入っていた。 男手がいなかったから数人の人を雇って稲作を続けていた。 母と伯母は家事と農作業で明け暮れる毎日だった。 やがて跡取りの母が父をお婿さんに迎えることになった。 それと前後して祖父は「その人」と再婚した。 それはなぜかと言うと、母が今後、赤ちゃんを産み育てるようになれば、家のことをする人が必要だからと言う理由からだった。 その人は色白できれいな顔立ちで、微笑むと女優さんのようだった。 しかし、その人の心の中は、美しい顔とは全く逆で鬼のような性格だった。 人を疑い、ねたみ、相手を悪く思う人だった。 しかし、とても愛想がいい人で口から出てくる流暢な言葉は、その人の本性を知らない人を圧倒させるものがあった。 その人は離婚歴があった。 生まれた子は何歳になっていたのか何人いたのかは分からないが、実家の方に置いてきたとテツコは母から聞いたことがある。 その人は、顔は綺麗だが家事が全くダメな人だった。 家の片づけもできない人で、その人が来てから家の中はゴミ屋敷に変わっていった。 やがて母が妊娠し、テツコの姉が生まれた。 しかし、ここで番狂わせが起こった。 テツコの姉が産まれたあと、その人が妊娠し出産したのだ。 そしてその一年後にテツコが産まれ、更に二年後に弟が生まれた。 つまり、当時、立て続けに4人産まれたのだ。その人の子どもはテツコにとって一歳年上の叔父さんにあたることになる。 その人はもともと家事も片づけもほとんどしない人だったが、出産をして更にしなくなった。 嫌々で家事をする程度の人だった。 気にくわないことがあるとすぐに大声で叫ぶ人で、華奢な体つきなのに声は地獄の底から湧いてくるようなドスがきいていた。 そんな人の下で育った叔父もその人と同じようにすぐキレ、大声を出す人に育った。 叔父の出生で跡取りではなくなったテツコの父と母は家を出ることを決断した。 そしてテツコたちは同じ町内の借家で暮らし始めた。 やがて祖父が92歳で天寿を全うした。 祖父が持っていた田んぼの内、数枚を婿養子だった父に相続してくれた。 残りは全て祖父の子どもである叔父さんのモノになり、それらは一つ残らず売り払ってしまった。 その人は年をとり、どんどん痩せていった。 歳をとりながらも人様にご迷惑をかけ続ける人だった。 その人は全く片付けないようになり、家の中は足の踏み場もないほどになっていった。 「あの人の売掛をなかなか精算してくれない」と町内のお店から母に苦情が来た。 ・広い敷地内の草がボウボウで何とかしてほしい。 ・使わなくなったテレビやPC、ゲーム機を庭に山積みに放置していて、とても見苦しいので何とかしてほしい。 ・町会費を何年も滞納している。 それらは叔父さんがするべきことなのだが、町内の人が苦情をその人の家に言いに行くと逆に怒鳴られてしまう。 だから、テツコの母に苦情がいつも来ていた。 「あの人が死んだ。」 テツコの母が嬉しそうにテツコに話してきた。 ある年の8月、布団の中でその人は亡くなっていた。 暑い日が連日続いていた頃だった。 「熱中症」と言う言葉は当時なかったが、その人は今でいう熱中症で亡くなったのだ。 夜勤の息子と高齢の母親(その人)は、同じ屋根の下で暮らしているのに、顔を合わさない日もあり、息子が母親の死に気づいた時は既に亡くなっていた。 テツコは流暢に話をする人が苦手でそういう人からずっと避けてきた。 話しがうまい人には気を付けないといけない。 その観念がずっとあった。 その考えに囚われているのはなぜなのかずっと分からなかった。 しかし、その人との思い出からきているのだと、あの頃のことを振り返ってみてテツコは気づいた。 人の性格は幼少期の出来事が起因していることが多いと感じる。 今回は 苦手意識は幼少期の出来事が起因している(ショートショート) をお伝えいたしました。 本日も、最後までお聴きくださり ありがとうございました。  ちょっとした勇気が世界を変えます。 今日も素敵な一日をお過ごし下さい。 山田ゆりでした。 ◆◆ アファメーション ◆◆ .。*゚+.*.。.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。 私は愛されています 大きな愛で包まれています 失敗しても ご迷惑をおかけしても どんな時でも 愛されています .。*゚+.*.。.。*゚+.*.。゚+..。*゚+

死角のポスト(ショートショート)【音声と文章】

※note毎日連続投稿1616日をコミット中! 1616日目コミット達成!! ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、 どちらでも短時間で楽しめます。 おはようございます。 山田ゆりです。 今回は 死角のポスト(ショートショート) をお伝えいたします。 そこはなぜか事故の多い場所だった。 T字路になっていて少し上り坂になっている。 右側は駄菓屋さんで家の角には小さな郵便ポストが壁にあった。 そのポストが死角になり右側からの車を見逃すことが無きにしもあらずだった。 だから上り坂でアクセルを少しだけ踏んで、上体を前のめりにして左右の確認をしなければならない。 私は今朝も時間が差し迫っていてそのT字路で左右を確認していた。 T字路のぶつかったところにはミラーが二つ設置されている。 たかがミラーだが、その存在のありがたさは毎回感じている。 二つのミラーで車が来ないのを確認し、上体を前のめりにして車を静かに発進させハンドルを右に切ろうとした。 しかし、何と、右側から車が1台すぐ目の前まで来ていた。 おかしい。 確かにちゃんと確認したのに。 次の瞬間、視界は寸断され私は真っ白な世界へ入った。 一瞬、赤い靴が見えたような気がした。 *** コンビニやスーパーがない小さな街にヒロシは住んでいた。 ひとり娘のユイは今年、小学校にあがり、お友達も少しずつ増えてきて楽しいと話してくれていた。 そんな娘を妻と一緒に目を細めながら見ていた。 その日、郵便を出す用事があった。 それほど急ぎではないが、それでも気が付いた時に出さないとうっかり忘れてしまうからすぐに出そうと思った。 郵便を出しに行ってくると言ったら 「ユイがポストに入れたい!」と言った。 じゃぁ、一緒に行こうかということになりその街に一つしかないポストへ車で出かけた。 ポストは駄菓子屋さんのお店の角にあった。 車を角直前に止めるのは危ないから、角よりずっと手前で止めた。 そして、郵便物を持ったユイが車からでた。 「気を付けていってくるんだよ。」 「うん!分かった!」 ユイは嬉しそうに最近できるようになったスキップをしながらポストに向かった。 レースのついた靴下と赤い靴が小刻みに動いていた。 これまで何度も私たちは一緒にこのポストにやってきていた。 今までは郵便を持ったユイを抱え上げて、ユイがポストに入れていた。 ポストの真下には大きな岩があり、今はその岩に登ると楽々ポストの投入口に手が届くようになった。 我が子の成長が嬉しい。 来年の春にはユイもお姉ちゃんになる。 そんなことを考えていたら、ポストの視線の向こうに左から黒い乗用車が見えた。 そこはT字路になっている。 その車はあたりを見回しながら右折しようとしているのが分かった。 その瞬間、ヒロシの後ろから白い車がやってきてグゥ~ンとヒロシの車を追い越した。 その白い車は追い越した勢いのままでT字路に直進し、右折した黒の車と衝突した。 ぶつかったはずみで白い車が大きく飛ばされポストめがけてぶつかった。 ユイ! ヒロシは慌てて車から降りた。 ユイは白い車に飛ばされ壁にぶつかりぐったりしていた。 もう少しで入るところだった郵便物はポストの下に落ちていた。 右折しようとした車はポストが死角になっていた。 さらにポストのところに人がいたこと。 その向こうに車が止まっていた事も悪条件が重なっていた。 ポストがそこになければ事故は防げたかもしれない。 ヒロシはその後、その街をあとにした。 今でもそのT字路は事故多発地帯とされている。 今回は 死角のポスト(ショートショート) をお伝えいたしました。 本日も、最後までお聴きくださり ありがとうございました。  ちょっとした勇気が世界を変えます。 今日も素敵な一日をお過ごし下さい。 山田ゆりでした。 ◆◆ アファメーション ◆◆ .。*゚+.*.。.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。 私は愛されています 大きな愛で包まれています 失敗しても ご迷惑をおかけしても どんな時でも 愛されています .。*゚+.*.。.。*゚+.*.。゚+..。*゚+

階段を上りきったら(ショートショート)【音声と文章】

※note毎日連続投稿1616日をコミット中! 1615日目(4年余り) ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、 どちらでも短時間で楽しめます。 おはようございます。 山田ゆりです。 今回は 階段を上りきったら(ショートショート) をお伝えいたします。 カチャリ 玄関のドアを控えめに開く音がし、私はその音で目覚めた。 スクロールカーテンを巻き上げた窓の外は真っ暗だった。 この暗さだと4時頃かもしれない。 多分、娘がごみを出してくれたのだと思う。 娘は週2回の燃やせるごみの日は必ず出してくれ、私はとても感謝している。 優しい娘である。 うとうとしながら私は娘の動きを耳で静かに感じていた。 私は基本、寝室のドアを開けて寝る。 そのドアは寝ている時間だけではなく一日中開けている。 すると家全体の家族の音が聞こえてきて安心するからだ。 足音は静かにキッチンに向かっていた。 冷蔵庫が開き少ししてバタンと閉じた。 我が家の炊飯器はつけている間、低温でビーっと連続音が鳴り響いている。 その音が一瞬止まり、カチャッと音がしてまたビーっと音が続いた。 ご飯を盛り付けたのだろう。 お腹が空いているのか。 娘はゴミ出しをしてすぐにご飯を食べることがよくある。 若い人は寝起きでもすぐにご飯を食べられる。数年前までは私もそうだったが、最近はある程度の時間が経過しないと食べたいとは思わなくなった。 歳を取ったなと思う。 昨夜の残り物は冷蔵庫にたくさん入っている。 おかずだけではなく、ガステーブルの上にあるお味噌汁も食べてほしいな。 お鍋のふたが鍋とこする音がした。 どうやら温めないでそのままお椀に注いだようだ。 温めた方が美味しいけど、冷や汁も美味しいからいいか。 私は娘の動く音を楽しんでいた。 娘がスーッと椅子を静かに引く。 4本の椅子の足には猫さんの模様のカバーを履かせていて消音にも一役かっている。 そして僅かの間、食べているのかほとんど音がしなかった 私は身体の中の耳の部分だけすっかり目覚めてしまった。 今、何時だろう。 4時頃なら起きようか。 私は枕もとの時計を見て、まだ寝ぼけているのかと思った。 1:55! 娘がこんな深夜にごみを出しにいくはずがない。 町内のゴミは当日の朝に出すというルールがあり、娘は必ず、朝と言える時間に出す律義な性格なのだ。 ぼんやりしていた脳が少しずつ動き出した。 そして、気が付いた! 今日は燃やせるごみの日ではない。 では、何のために娘は外へ出たのか? やがて静かにその足音は階段を上がってきた。 13段目を踏んで突き当りが娘の部屋で、右に曲がるとすぐに私の部屋がある。 何のために娘は外へ? 最近私は忘れっぽくなったと感じている。 昨日の夕飯さえすぐには思い出せないくらいだ。 昨日はどんなことがあったっけ? そして大事なことに気が付いた! 娘は今、旅行中だった。 昨夜もネズミの耳を頭につけてお友達と楽しそうにしている写真をラインで送ってきてくれていたのだ。 ということは・・・ 階段を上り切ったその足音は右に曲がって私の部屋の前に立った。 それは華奢な娘とは似ても似つかぬシルエットだった。 今回は 階段を上りきったら(ショートショート) をお伝えいたしました。 本日も、最後までお聴きくださり ありがとうございました。  ちょっとした勇気が世界を変えます。 今日も素敵な一日をお過ごし下さい。 山田ゆりでした。 ◆◆ アファメーション ◆◆ .。*゚+.*.。.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。 私は愛されています 大きな愛で包まれています 失敗しても ご迷惑をおかけしても どんな時でも 愛されています .。*゚+.*.。.。*゚+.*.。゚+..。*゚+

心のキーマン(ショートショート)「音声と文章」

※note毎日連続投稿1616日をコミット中! 1613日目(4年余り) ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、 どちらでも短時間で楽しめます。 おはようございます。 山田ゆりです。 今回は 心のキーマン(ショートショート) をお伝えいたします。 ビジネススーツにビジネスバックを持ったリョウコは会社の玄関のドアをノックした。 玄関を開けるとそこはワンフロアになっていた。 「本日、14時からの予定で面接に参りました〇〇と申します。」 リョウコは口角をあげいつもよりワントーン高めの声で相手に告げた。 受付の方に促されて椅子の方を見たら数人のリクルート姿が見えた。 ああ、私の前にまだこんなにいるのか。 皆さん、なんかできそうな感じ。 私大丈夫かな。 いや、大丈夫。 気張らずに、背伸びせず、誠実にお答えすればきっと私の良さは伝わるはず。 勧められた椅子に近づいた時、その2つ前の椅子に座っていた人が顔を上げた。 「あっ^^」 ミチヨだった。 そうだよな。 基本給が少し高くて職務内容からしてミチヨが応募してもおかしく無いよなとリョウコは納得した。 ミチヨはニッと笑い、リョウコも笑い返した。でも場所が場所だから何も話さなかった。 どうやら面接は予定よりかなり遅く進んでいるようだった。 ミチヨの番になり彼女はリョウコに軽く会釈をして面接室へ入って行った。 30分後、面接が終わったミチヨはニコニコしながらリョウコに小さく手を振りながら会社を出ていった。 リョウコは彼女にここは取られたなと思った。 仕事内容からして彼女は全てできる。だって前職の会計事務所の先輩だから。 ミチヨはご両親の介護のために会社を辞められた。 会社には特に不満はなかったがもう少し早く帰宅できる会社に勤めたいと言っていた。 それは良くわかる。 リョウコも同じ理由で最近、会社を辞めたから。 この辺の求人は一般事務の募集がほとんで、リョウコはそれが物足りなかった。 そして、たまたま見つけたこの求人は 一般的な事務から決算までする。 給料計算や年末調整もする。 社会保険などの手続きや建設業の各申請もする。 仕事内容が全てできる。 ワクワクしかない魅力的な求人だった。 だから、現在、一般事務として勤めているがこの会社に履歴書を送ったのだ。 この会社はミチヨに決まるかもしれない。 仕方ない。私は別を探そう。 面接が終わったらすぐハローワークに行ってみようとリョウコは思った。 面接が終わり会社を出たらミチヨが車から出てきた。 ああ、待ってくれていたんだ。 リョウコも話したかったから嬉しかった。 それから二人はそれぞれの車で移動して かつて、私たちのたまり場だったあの喫茶店に入った。 ガラガラと音がするドアを開くと店内からは静かにジャズの音色が流れていた。 「おっ、いらっしゃい。いつものでいいかい?」 グラスを磨きながらマスターがミチヨに話しかけた。 二人はいつものコーヒーを飲み最近のことを話した。 リョウコは久しぶりに気の合う人と話しができていつもより饒舌になった。 今の職場はまだ入ったばかりと言うこともあり、会社では私語をほとんど言えない雰囲気だったから尚更だ。 会計事務所時代は本当に忙しかった。 特に確定申告の時期になると、毎日残業で、夕食は近くの中華料理屋さんにみんなで出かけそこで食べていた。 特に炒飯が美味しくて、家で待っている子どもたちへのお土産として買って帰り、玄関で出迎えた子どもたちは小躍りしていた。当時、保育園児だった長男は今年高校に進学した。 毎年1月から3月14日までは 夕食を自宅で食べられる日は3分の1くらいだった。 2月にもなると、駆け込みの顧問先様が多くなり、休日出勤が当たり前で、リョウコ達は一緒に戦う同志のようなものだった。 琥珀色の空気の中で、大きくなった子供の話や夫への愚痴、親の介護の大変さなどを話し、「同じ40代同志、頑張ろうね」と言って二人は分かれた。 その後、ミチヨがその会社に入社し、リョウコもほどなくして別の会社に就職できた。 お互いの親の通夜の席で顔を合わせ、その後も何度かあのマスターのお店で落ちあい愚痴や将来の夢などを語り合っている。 長い人生の中で、ずっと離れていたのにひょんなところで一緒になる。 再開した時は昨日も会っていたような近さを感じる。 ミチヨとリョウコはそういう仲だった。 離れていても心の奥底では繋がっている。 そんな人がこの世に一人か二人は居る。 それは配偶者だったり親だったりする。 ミチヨはリョウコにとって心のキーマンなのかもしれない。 今回は 心のキーマン(ショートショート) をお伝えいたしました。 本日も、最後までお聴きくださり ありがとうございました。  ちょっとした勇気が世界を変えます。 今日も素敵な一日をお過ごし下さい。 山田ゆりでした。 ◆◆ アファメーション ◆◆ .。*゚+.*.。.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。 私は愛されています 大きな愛で包まれています 失敗しても ご迷惑をおかけしても どんな時でも 愛されています .。*゚+.*.。.。*゚+.*.。゚+..。*゚+

鳴らない電話(ショートショート)【音声と文章】

※note毎日連続投稿1616日をコミット中! 1614日目(4年余り) ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、 どちらでも短時間で楽しめます。 おはようございます。 山田ゆりです。 今回は 鳴らない電話(ショートショート) をお伝えいたします。 十数個ある事務所内全員の電話が一斉になった。 先週の土曜日、会社の電話器が一斉に新しくなった。 コールの音はこれまでよりも高音で、一台なら少し高級感のある音に感じるが、十数個が一斉に鳴り出すと心臓に悪いと感じる人が半数だった。 早速、取り扱い説明書を見ながら電話器の音を低くしてみた。 電話機の音のデフォルトは2のレベルになっていた。 それらを全て1レベルにして回った。 全て直し、試しに携帯電話から会社に電話を掛けてみた。 しかし、それでも電話の音は騒音の部類に入っていた。 「電話器、鳴らないように設定したら?」 誰かが言った。 えっ。鳴らない電話器ってあるの? 一瞬、その発想がばかげていると思った。 しかし、取り扱い説明書にやり方があった。 そして男性陣の電話は鳴らない設定にすることになった。 着信音が鳴らない電話器は一見、おかしいような気がするが、これはありうることだ。 ワンフロアになっていて、電話に出るのは半分の人数の女子社員だけだから、その人たちの電話だけ鳴るので十分だ。 そしてまた試しに電話を掛けてみた。 しかし、まだ不快なレベルだった。 今度は女子社員の電話機を消音設定にしてゆき、結局、4台だけ呼び出し音がなるようにした。 他の電話器は音はしないが、光ってお知らせされるし、ナンバーディスプレイでどこから電話がきているかが分かる。 電話がかかってきた時に鳴って当たり前と思っていた電話器。 ある方の記事を読んで、音に敏感な症状の方がいらっしゃることを知った。 鳴らない電話器。 これは、様々な方への配慮なのだと気づいた。 健常者の自分が基準ではなく、さまざまな状態の方々が使えるもの。 それが当たり前の世の中なのだと改めて感じた。 今回は 鳴らない電話(ショートショート) をお伝えいたしました。 本日も、最後までお聴きくださり ありがとうございました。  ちょっとした勇気が世界を変えます。 今日も素敵な一日をお過ごし下さい。 山田ゆりでした。 ◆◆ アファメーション ◆◆ .。*゚+.*.。.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。 私は愛されています 大きな愛で包まれています 失敗しても ご迷惑をおかけしても どんな時でも 愛されています .。*゚+.*.。.。*゚+.*.。゚+..。*゚+