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あの日以来の夏の味だ

今年の夏はどんな味なのだろう。
やはり、私の知らない味なのだろうか。
昨年の夏の日に『この夏は私の知らない味がした』と一言添えた。
とある漫画の受け売りだったりする。
知らない景色だった。
文字通り美しかった。
見たことの無い眺めがそこにはあったんだ。
二度と拝めないと知りながら、時に恋しく思うほど、それはそれは“夏夜のマジック”さながらで。
人はこうして日々を鮮やかに記憶するのかと思い知らされた。
あれ以来、夜行秘密を再生すると心が何故か痛むのは、アーティストのせいではないだろう。
相も変わらず選曲のタイミングが悪すぎる。
失った夜に〖約束のスターリーナイト〗を聴いた。
会えない夜に〖夏夜のマジック〗を聴いた。
たまには幸せな曲を選ぶといいよ、26年目の私。

夏は焼いてなんぼだ(唐突)。
小麦色の肌は、焼けた素肌は好きですか。
日焼け止めに勝てない弱肌の幼少期。だったらいっそ焼いてしまえと男子に混ざって外で走り回った。
あの無邪気さは就職から6年たった今、ランニングを趣味にする形で定着している。

昨日今日の2日間で私はすっかり夏色だ。
化粧をサボったら怒られるだろう笑。
(焼きすぎだと…)
職種は時に厄介だ。
好きでて足を伸ばしていながら、掴まれれば不自由だ。

そしてさらに先の見えない暗闇が待っている。
それでも尚、この場に留まるのは小さな灯りを信じるからだ。
大きな灯りが消えるというのなら、小さくても己の力で灯る、そんな灯りと手を取ればいい。
見つけたんだそんな灯りを。

公私共に。
私だってまだ走っていける。
きっと羽ばたける。
約束したんだ、『走り続けましょう』と。
まだ見ぬ夏に会うために。
知らない景色と出会うために。
大好きな夏を味わうために。

(2022/04/28 )

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