見出し画像

それぞれの学生生活

4月から都内で学生生活を送っている我が家の末息子。コロナ禍も2年目、何もかもが中止となった昨年の春に比べると、入学式も行われたし授業も対面をなるべく増やす方針ということで、何とかそれなりの学生生活が送れるのかな、と思っていた。

しかし、今回の緊急事態宣言を受けて、対面だった授業のいくつかが、オンラインに急きょ変更になってしまったらしい。これで、平日は日中のほとんどを自分の狭い部屋の一室でパソコンに向かって過ごすことになってしまう。こんなことでは、なんのために高い賃料を払って東京で学生生活をしているのだろう。考えるとため息が出てきてしまう。

一年前に、大学が全面オンラインになったとき、大学3年生の次男は「楽でいいよ。自分は平気」なんて強がっていたけれど、考えてみれば、少なくとも彼は1、2年生の間はキャンパスでの通常の授業だけでなく、好きなサークルに入って、仲間と合宿や旅行などを楽しんで来たのだ。はめを外しすぎて心配したことだってある。そういう大学生ならではの活動が今年も厳しく制限されている。

「せっかくだから何かサークルも入るといいよ。友達もできるしね。」入学前にそんな話もしたけれど、入学してみると目あてのサークルは実質活動停止中だったり、合宿や飲み会は禁止だったりと、従来イメージする大学生のサークル活動とは全く違っているように見える。

そんな現実があるからか、息子はサークルには入っていないようだ。4月の間数回あった対面授業程度では、新しい友達もできてはいないだろう。高校までたくさんの友達に囲まれてにぎやかな毎日を送っていた息子が一人でいる姿を想像すると胸が痛い。

休日なども、何をして過ごしているのかと思っていたら、早速アルバイトに申し込んだという。今流行りのウーバーイーツだと聞いて驚いてしまった。

「だって配達も何も、東京に引っ越したばかりで大丈夫なの?」「大丈夫だよ、アプリがあるから。」「初めてタワマンに配達したときは入り口で戸惑ったけどね。」

息子の生活費を振り込むために作ったネット銀行にバイト代が振り込まれてきて、けっこう稼いでいることにびっくりしている。たくましく生きていることは間違いなさそうだ。




いただいたサポートは、本の購入に使わせていただきます。