おやすみの前に金子みすゞを
一冊の小説を集中して読むのもいいけれど、何冊かを平行して読むのもとてもいいものです。
このところ、頭木弘樹さんの『絶望読書』に紹介されていた本の中から、山田太一『生きるかなしみ』金子みすゞ『金子みすゞ全集Ⅲさみしい王女』カフカ『変身』などを近くに積み上げて、気が向くままに手にとっていました。
頭木さんの本は以前から読みたいと思っていたのですが、noteの記事を読んだのに後を押されて、文庫になっているものを読んでみました。絶望とまではいかなくても、うつむきがちな時にそばにいてくれる本はありがたい存在になります。
平行してこれらを読みながら、本によって心地よい時間帯があるのに気がついてきました。
1日が終わって布団にもぐり込んでから、眠くなるまでの少しの時間、読書をするのですが、この時間に金子みすゞはなんともいいのです。やさしい童謡を聞きながら、眠りにつく感じでしょうか。
金子みすゞは「私と小鳥と鈴と」東日本大震災の時の「こだまでせうか」など、何度もブームがあったのを横目でながめただけで、それほど関心をもつことは今までありませんでした。あの頃は日々の生活が忙しくて、ひとりぼっちの子どものようなさびしさを理解する余裕はなかったからかもしれません。
読書にもふさわしい人生の時期があるのかもしれませんね。これからは金子みすゞの詩が私のそばにいてくれる気がします。
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