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【roots2】 《7章》安全な家・2


食卓を囲みながらディランの海からきつねの森で穴に落とされた話で盛り上がった。
みんなで笑って良い夜だった。
ディランをきつね三兄弟に合わせる事が出来たのも嬉しかったし、大好きな人が集まっているこの時間が心を和ませた。

きつね三兄弟は和やかに帰って行った。
ディランは二階に。オーウェンは三階にそれぞれ降りて行き、4階はルビーとデイブの2人になった。
「いつでも皆がいるって心強いわね」
「ありがたいな」
そんな会話をしていると下から「デイビッド!」と声がした。「ディランだ、行ってくるね」デイブは階段を降りながら「今行くよ!」と嬉しそうに叫んだ。
しばらくして、デイブは笑って4階に帰って来た。「どうしたの?」ルビーが心配そうに聞くと
「風呂の沸かし方がわからないって」デイブが楽しそうに答えた。
「あら、大丈夫だった?」
「スイッチ一つが理解出来ないみたいなんだよ」
「スイッチ一つなの?」とルビーも驚くと
「ルビーもか!」とデイブは楽しそうに笑った。
「だって今までボイラー式でカチャカチャ点火するタイプだったもの」と膨れた。
まぁまぁと2人でスイッチの前に行き「ココ押すだけ」と確認した。
「オーウェンは大丈夫かしら?」ルビーが心配したのでデイブは走って三階に降りた。
「オーウェン!風呂だけどさ…」リビングにいない。オーウェンはすでに入浴中だった。
「あ、わかったんだ!」と洗面所から声を掛けると「何が?」と戸を開けた。
「スイッチ」
「何の騒ぎだよ。押すだけだろ?」と呆れた顔で笑って戸を閉めた。
「さすが!おやすみ」デイブが上へ上がろうとしたら「デイブ!用心を忘れるな。警報機のスイッチも入ってる。何かあればすぐ警報が鳴るからな」とオーウェンが濡れたままで追いかけて来てくれた。
「ありがとう。風邪引くぞ」と笑って階段を登った。

「オーウェンはもう入浴してました」
「デイブ楽しそうね。」
皆んながいる事に心強さを感じてリラックス出来ている様子にルビーもホッとした。
「警報機のスイッチが入っているから、突然警報が鳴ってもびっくりしないでね。セーフルームに移動するだけだからね」と言ったデイブの穏やかな声にあぁ、そうはいかないんだなと現実に戻された。ルビーがコクンとうなづくと
「ルビー先に入っておいで。お皿は僕が洗うよ」と台所に立ってシャツの袖をめくった。
ルビーは一緒に並んで黙ってただニコニコとお皿を洗った。

こんな時間はもう訪れないかもしれない。

to be continue…
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ただ笑って。毎日が送れたら🍀

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