古民家、好きからの可能性
なぜ古民家が人気なのだろうか?
昭和40年位からでしょうか、電気製品が家の中に入ってきたあたりから、
私たちの住環境は大きく変わりました。
木造住宅から鉄筋コンクリート造りに変わり
長屋住宅が集合アパートへ
今の古民家と呼ばれている建物は、それよりもう少し前の建物でしょう。
だから実際は住んだ経験がある人は少ないと思うのです。
それなのに、古民家に対してあるなつかしさというか郷愁を持ってしまうのは私だけではないはず。
先日、西荻窪の古民家カフェを訪ねてみた
ゆっくりのんびりお茶でもしようと思っていたのに、
多勢のお客で溢れているのです。
みんなこういうノスタルジックな雰囲気が好きなのね。
並んでまでお茶を飲みたいとは思わないけれど。
カフェとは思えない佇まいは、時間を超えた特別な空間に誘われた感覚になるのです。
入ってみると
う~ん
やっぱりいいなぁ
こんなところで時間を気にしないで寛げたらいいな
古民家のイメージは人それぞれだろうけど、私がイメージする古民家は町中に不自然に建っている昔の家
えッ なにこの家 ずいぶん昔の家だわ
ちらりと覗いてみたくなる
その先には子供時代に見た風景がありそう
大事にしていた何かと出会いそう
急な階段をきゅっきゅっと鳴らしながら2階に上がっていく。
「おい、誰だい?」知り合いのおじさんが出てきそう。
勝手に物語が頭の中で作られている・・・
うん、やっぱり古民家はいいぞっ
そんなわけで
古民家好きをマーケティングの視点で整理して見ると・・・・
まずは商品価値という点から見ると
「住宅」というだけでは価値がない。修繕費や管理費が大変そうだもの。使い勝手も悪そうだし。
しかし、感情マーケティングから考えると、最高に響きます。
個人的感情が揺さぶられるというか、共感するものがあるのですね。
それは何?
物質的価値を超えたもので、感傷というものだったり郷愁というものだったり、日本人が持つ独特な感性から生まれるものなのかもしれませんがものすごくそういう自分の感情に驚きます。
大人はかっての子供時代に思いを馳せる。
若者は、見たことがないその姿に現代との違和感とノスタルジックな世界にプチ感動
個人的にその感情は自分の癒しに繋がり、行動(暮らし方)まで変えるきっかけにもなる。
こういうところで暮らしてみたい。
住まないまでも、ホッとした時間を過ごしてみたい。
そして、ある時に気がつくのです。
社会や会社のために頑張ってきたけれど、これからは違っていいんじゃない?ってね。
自分が心地よく暮らすことが大事じゃないかって。個の時代と言われる令和の世相も後押ししているような気もします。
全国各地で取り組まれている古民家の再活用はUターン Iターン 移住 安住 等の暮らし方まで変えつつありますものね。
また、
ブランディングから見ると、これ以上物語(ドラマ)を作りやすい商品はないのではないかと考えます。
それぞれが、その古民家に勝手に想像・妄想を膨らませて物語を楽しむことができます。
人々が繋いできたものや生きてきた証しがあり、歴史があるから、温もりさえ感じるのです。
虚構な世界ではなく、そこには明確に人が生きていたという事実があり、それと自分を重ね会わせられるドラマもあるのですね。
農家の空き家や旧小学校跡地、使わなくなった酒蔵等を地域創生の一つにして新たなコミュニティーを作り出しているところもあるし、
山村集落や旧武家屋敷等を地域の観光化資源にしているところもあります。
私たちはそういう感情に響くキーワードを聞くだけでわくわくし、行ってみたくなりますよね。
さて、今後の可能性は?
私は、コミュニティやビジネスの視点で見ると可能性は大きいと思っています。
特に私たちのようなフリーランスにとっては、新たなビジネスチャンスが作れるような気がしています。
フリーランスの人達のコワーキングスペース
シニアたちの居場所(デイサービスまでは行きたくないけれど、お茶を飲んだり、ビジネスの話や文学の話、趣味を語り合える場所)があったらいいと思いませんか?
あるいは交通の便とかを気にしないのであればテレワークの人たちの住まいにもなる
果てしなく可能性を感じています。令和は個の時代と言うけれど、個はそれぞれが自立し集まることによって価値が生まれるとしたら、古民家は最先端の暮らし方になるかもしれないと思うこの頃です。
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