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短歌

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57577のふるえ
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#夏

連作短歌7:「アーリー・ブルー」

連作短歌7:「アーリー・ブルー」

産声をいつ上げたっていい たとえばおのれが産まれたいとき

どこまでも走っても走っても終わらない 朝も夜も永遠じゃない

爪が伸びることが許せなくてもいい 生きたい気持ちがあればいい

塩に触れとけゆくおのれをただ見つめ 梅雨に死ねるならそれでもいい

雨粒が肌に触れる冷たさは冬より命のぬるさがある

風鈴の「リン」の音だけを拾ったら硬くて冷たくて孤独だった

雲太陽雲雲雲雲 青葉闇 ひとつ

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