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【つながる旅行記#58】in宇和島 多賀神社(凸凹神堂)……素晴らしい……!

移動中に半額の白バラコーヒーを飲みながら塩パンを食べる。

……最高だ。

これこそが旅の醍醐味である。(飲みすぎると腹を壊すが)

ひらけた大地。
雲一つ無い空。

なんという旅日和だろう。

えっ……

なにこれ……?

(めっちゃあるやん……)


謎の物体に心が乱されつつ、電車は進む。

今日の目的地は宇和島

愛媛のあちこちを楽しみ過ぎて、旅行記の数が北海道を越えそうな勢いだ。

というわけで宇和島駅に到着。
なんだか南国の雰囲気を感じる。

宇和のわらぐろ

ちなみに先ほど見えた謎の物体は、宇和のわらぐろというらしい。
この地域特有の、「稲わらを乾燥貯蔵するために積まれた造型」とのこと。

乾燥のためだけにこんな物体をつくるとは、この地域の農家はかなりのクリエイター気質を持っているのかもしれない。

宇和島初めての機関車
闘牛

さて、四国といえばお遍路だ。

ぶっちゃけ水曜どうでしょうのイメージしかないが、もしかしたら今後自分も四国八十八箇所の霊場を回る可能性もあるかもしれない。

というか、今後四国を巡っていて近場にあったら、ついでに寄っておこう。

そんなとき看板を見つけた。

四国霊場四十番奥の院
四国霊場別格六番
伊予十観音霊場
 龍 光 院

いやもうどんだけ設定盛り盛りなんだよと思ってしまったが、四十番といってるので、四国八十八箇所のひとつなんじゃないだろうか。
寄ってみることにしよう。

”新”四国八十八箇所……?

調べてみると、龍光院は四国八十八箇所の中には存在しない。
どうやら四国には八十八箇所以外にも色々あるようだ。

ここで八十八のうちの一つを制覇というわけにはいかなかったか。

寺は高台にあるものというが、このお寺もなかなか高いところにある。
階段登りまくりだ。

龍光院は元和元年(1615)初代藩主として伊達秀宗公が宇和島へ御入部のみぎり藩と領民の安泰を計り、宇和島城の鬼門に当たるこの地に鎮めとして建立され、寺領として百石を賜り代々の藩主の信仰深く伊達家の祈願寺として定められる。

どうやら龍光院は伊達家に深い関係があるらしい。
ここは仙台じゃなく宇和島なのだが……?

違う伊達家かな?と思って調べると、ちゃんと仙台のあの伊達家だった。

そう、宇和島は伊達家と深い関わりがあるのだ。
先に仙台に行っておいてよかった。
事前に知識があれば、吸収量も増すことだろう。

それはともかく、本当に高いところにある寺だ。
鬼門を塞ぐにはやっぱり高さも大事だということなのか。
あたりの住宅を見下ろせるレベルだ。

遠くの山に宇和島城らしき物体が見える

宇和島城の存在も確認したが、今日の目的地は別にある。

職場の人に聞いたのだ。

凄い神社があると。

俺たちのFuji

歩き続けてようやく到着した。

多賀神社だ。


中に入ってみると、ずいぶんと色々な物が敷地内に置いてある。

まるで血管のよう

なんとなく察した人も居るかもしれないが、
ここは性にまつわるものに関する神社なのである。

婦人病に効く粟島神社
これは……!
ご立派ァ!!

いや、茶化してはならない。
子供を作るのは生物の大切な営みである。

昔の出土物を見ても、石棒などは男性器を模したものだと言われているし、こういうものは非常に意味のある大切な文化の一部なのだ。

マヤ文明なんて性器に関する執着がものすごくて、占いまで性器でやったくらいで……いや、これは別のベクトルの話か。

さて、この神社の本番は、この先の凸凹神堂にある。

凸凹神堂

凸凹神堂とは、平たく言うと性のあれこれを集めた資料館だ。

入場料は800円。
早速入っていこう。


~数時間後~


めっちゃ面白かった……!



申し訳ないが画像は存在しない。

なぜなら写真を撮るためには追加で2万円が必要だからである。

そしてメモも禁止だ。
なんという厳しい決まりだろうか。

しかし一応メディアが取材した記事があるようなので、それを見てもらえれば大体の雰囲気はつかめるだろう。

この凸凹神堂、本当に素晴らしい。
3階建ての建物の中に、凄まじい量のコンテンツが詰め込まれている。

ショーケースの中どころか、もはや天井すらも、世界中の性的な文化についての説明文や画像で埋め尽くされているのである。その数5万点。
当時まだ文化財の流出に関して緩かった時代だからこそ、日本に持ってこれた物も多数あるらしい。

そしてまた解説文がめちゃくちゃ細かいし、しかも手書き

一日中居てもコンテンツを消費しきれる気がしない。

宇和島に来るための交通費を考えたら、2万払ってでも写真に収めて家でじっくりと説明文を見る人が出てもおかしくはない。というか、それでも良いと思う人はそこそこいるんじゃないだろうか?

コレクションの数々は多賀神社八代目宮司でもあった久保凸凹丸(あいまる)さんが生涯をかけて集めたものだ。もう他界されているが、ここには凸凹丸さんの人生の結晶がこれでもかと凝縮されている。
800円で見れることが申し訳ないくらいだ。

決して温泉街の秘宝館のように面白おかしく性を扱うわけではなく、性の文化を真剣に展示している印象を受けた。

今日は他にも予定があるので、説明文をじっくり全部見ることなど到底出来なかったが、惜しいことをしたと思う。

現代では性的なことはなかなか表立って話すこともないし、Youtubeくんはちょっとでも性的な話をしたら、収益化NGをすぐに匂わせ始める世の中。

そんな中で、この凸凹神堂の存在は凄まじく意義があるように思えた。


……なんか過去イチで感動してしまっている自分がいる。

みなさんも興味が湧いたのなら、
ぜひとも宇和島に来た際には寄っていただきたい。

来てよかった……!

またいつか……

凸凹神堂、素晴らしいところだった。

その後、職場の方に多賀神社の存在を教えてくれたことへの感謝と、
多賀神社の素晴らしさを熱く語った。

それを聞いた職場の方の反応は、「お、おう……」だったが、
あの反応は何なんだったのだろう。

謎は深まるばかりである。



~次回へ続く~


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