【つながる旅行記#292】多祢山(たねやま)で起きたトラブルと、「何かを買うなら周辺知識も頭に入れようね」ということ
前回はふるるファームと黒石白石の浜を訪れて満足しつつ、でもなんだかもうちょっとだけサイクリングしたくなった。
というわけでマップアプリでどこに行こうかを考えよう。
行きは海側のルートを通ったことだし、今度は山ルートで帰るのがいいか。
……よし、多祢山(たねやま)の山道を通ることにしよう。
まあどう考えたって山道は坂になるので、関西電力の坂でヒィヒィ言っていた自分が行くべきではないのだ。
しかし溢れる冒険心は正常な判断を失わせたらしい。
自分は山に向かって突き進んでいったのだった。
ハァ…!ハァ……!!
案の定、山道でボロボロになっている自分がいた。
ごっくん馬路村の水を飲みつつどうにか自転車をこぎ続ける。
ふるるファームで飲み物を買ったりはしたが、今あるのは500mlのペットボトルが残り1本。
まあ自転車なら20kmくらいの行程なら水なしでも行けるということを考えてのことだが……。
多祢山の頂上へと誘う道があったが、さすがにこの状態で登山はしない。
今回は登山靴ではなく軽量タイプの靴なのだ。
登山はしっかり準備をして望むものなのです。
……ん?
……なんだか立入禁止っぽい表示を発見。
どうやらこの先には牧場があるようだ。
部外者の立ち入りで牧場に変な菌を侵入させてしまうというのは聞いたことがある。
じゃあ、素直に引き返そうか。
まあさっきまで登ってたので今度は坂道を下るだけだ。
この折りたたみ自転車はハンドルがかなりクイックなのでスピードが出ると怖いのだが、車は全然来ない道なのでなんだかとても楽しい。
へへっ……山道もいいもんだな……!
”ボンッ!!!!!!!!”
「地雷ッ!?」
んなわけがない。
……しかし一つ言えることは、なんかタイヤがしぼんでるということだ。
これは……山中でパンク!?
おいおいおいおい勘弁してくれ!!
ところがどっこい、これが現実である。
後輪は見事にパンクし、もうこの状態で坂を下るのは無理だろう。
買ったばっかりなのになんで……!?(しかも高かったんですよ!?)
さて、状況を整理しよう。
・パンク修理キットは持っているか?→NO。
・飲料水は十分か?→NO。
・ここから5km歩けるか?→嫌です。
……終わりだわこれ。
いやいや、終わりにしてはならない。
そもそも頑張って歩けば田んぼのあった辺りには行き着くのだ。
大間で5km歩いたことを思い出せばなんということはない。
(はっ……!)
そのとき、ふるるファームで見たクマ注意ポスターを思い出す。
ここは山なんですかね……?
ひえぇ……
まあこうやって旅行記を書いているということは、無事に下りてきたということである。
(紋別山に行ったときよりはマシな恐怖感だった)
……しかしこの自転車、どうしたものか。
舞鶴の市街地までまだまだ距離もあるし、このまま押していくのは想像したくない。
そうだ、もう電波も入るだろうし自転車屋を検索してみよう。
(歩いていける距離に都合よくあるとは思えないが)
するとなんと、『出張自転車修理』という神サービスが存在したのである!
速攻で電話だ!!!
……きっとこの業者さんも、こんなところに呼ばれたことは今までなかったことだろう。
いやしかし、本当に助かった。
神は舞鶴にいたんだなって。
そうだ、業者さんにこの自転車に何が起きたかを聞いておかねば。
すると……?
り、りむうちぱんく……?(無知)
なんでも自転車というものは、適度な圧で定期的に空気を補充しないといけないらしい。
そうしなければ強い衝撃を受けた際にチューブに穴が開くのだ。
そしてこの折りたたみ自転車は、小径車なので空気圧が下がりやすく、週に一度は必ず十分な空気圧を保つようにしたほうがいいとのこと。
へぇ……
(買ってから一回も空気入れてなかったわ)
そんなわけで、自分の常識の無さが産んだ悲劇だったらしい。
思えば学生の頃も自転車に乗っていたが、空気圧なんて一切気にしたことがなかった。
……というかそれ以外も全部気にしてなかった。
もしかしてあの自転車に6年間乗れていたのは、車好きの父が定期的にメンテをしてくれていた結果だったのか……?
そういえば自分は「黒板消しの粉を吸い取る機械」が、無限に粉を吸い込んでくれると思っていたりした。
(そんなわけないだろうに)
同じノリで自転車も空気圧なんて全く気にしてこなかったし、
タイヤは減らないものだと思っていたし、
チェーンは錆びても使えるものだと思っていたのだ。
ああ……なんという常識の無さだろう。
もうこの折りたたみ自転車にこれ以上の悲劇を起こさないよう、これからは自転車についてしっかり学ばねば。
何かを買ったら、しっかりその商品の周辺知識を頭に入れないといけないのだ……!!
そんなわけで、自分の常識の無さに向き合うことになった、舞鶴の北の方の旅なのだった。
今回の顛末、自転車に詳しい人は盛大に笑って欲しい。
そして自分と同じレベルで何も知らなかった人(貴重)は、自分と同じ悲劇を決して繰り返さないで欲しい……。
それだけが私の望みです。
反省しつつ、次回へ続く……!
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