【つながる旅行記#102】生涯忘れない、宗谷丘陵フットパス
前回はモニュメント群に圧倒されたが、いよいよフットパスへ向かう。
しかしそもそもフットパスなんて単語を自分は聞いたことがない。
一体なんなんだろう。
なるほど。
さんぽ道的なものかな……?
ちなみにご覧の通り、車も普通にいける。
これを知っていたので自転車にしたのもある。
舗装されてる道なら自転車でもいけると思って。
しかしまるで高原の牧場のような風景だ……。
……ん?
立派な角をもっているエゾシカがいた。
思えば今までメスばっかり見てきた気がする。
調べたらエゾシカの角は毎年春頃に生え変わるらしいので、角が落ちたばかりのオスをメスだと思ってただけの可能性もありそうだ。
宗谷黒牛だと……?
昼ごはんは簡単に海鮮丼で済ませてしまったが、リッチにステーキという選択肢もあったのか。(ちなみに大間のマグロより高い)
いやしかし……
なんかもう……
すごいところへ来ちゃったな……!
本当に自分が今まで見たことのない景色が広がっている。
やはり植生がもう本州とは違うのだ。
こりゃ本州に住んでいる人が北海道を目指すわけである。
見たことがない景色はここにあったのだ。
牛も居る。
宗谷黒牛というのはまさにこれのことだろう。
めっちゃ地産地消。
しかしダイナミックな光景だ。
もう旅行記も100回を越えたが、
流石にこの規模の風景は今まで見たことがない。
本当に凄いな宗谷岬……。
しかしこの緑色の草と熊笹とのせめぎあいはどういう理屈なのだろう?
なにやら自然の力がうまく働いてこんなことになっているんだろうけど。
軽くこの辺りのことについて調べると、この地帯は昔は普通に森林があったらしい。今や草原にしか見えないのに!?
なんでも相次ぐ山火事によってこんなことになったとか。
森が消滅するほどの山火事とはすごい話だな……。
風力発電もしっかり見えてきた。
そしてたしかに南側を見ると背の低い木が存在するようだ。
なんだかどんなふうに山火事になったのかが想像できなくもない。
さて、遠くにレーダー施設のようなものもある。
あそこを目指して走っていこう。
レーダー施設の入り口には、自衛隊の人が見張りについていた。
やはり稚内は対ロシアの最前線なのだ。
お互い会釈を交わして通り過ぎる。
かつて宗谷地方の警備に津軽藩の兵士たちがついたように、今でもこの最北の地で任務についている自衛隊員もいるのだ。
自分で来てようやくそれを実感する。
しかし思う。
これ徒歩だとホントに大変だっただろうなと。
自分は自転車なので、きつい坂は押しつつ、下り坂は最高にいい気分で風を感じたりと素晴らしい体験を出来ているが、徒歩だったらクタクタになっていそうだ。
そんなことを考えて走っていると、いよいよ始まった。
この白い道が宗谷丘陵フットパスコースのメインコンテンツだ。
緑と空と白い道が3kmにわたって続く。
ここは自転車で押してゆっくり行こう。
ちなみに敷き詰められているのは稚内でとれるホタテの貝殻である。
素晴らしい有効利用だ。
自転車を押してフットパスを楽しんでいると、進行方向に人がいた。
自分らしからぬコミュ力を発揮して話を聞くと、雑草を抜いている公務員の人だった。
たしかに雑草はちょこっと生えてはいる。
しかしまさか人力でこの美しさが維持されていたとは。
こうやって多くの人が協力して、美しいものは保たれているのだな……。
なんだか今日は本当に多くを学んで……
……ん?
富士山……?
(※利尻島です)
はー……美しい。
風も気持ち良い。
本当に来てよかった。
利尻島を見ながら、最後の坂を下る。
フットパス終了。
ああ……
これは一生忘れないわ……。
今日こうやってここに来る選択をして本当に良かった。
だらだら休む選択肢もあったけど、これは行く方が正解だっただろう。
今日見た光景は間違いなく一生の宝物になった。
・・・
さて……
問題はここからなのだが。
なにせこの自転車を返さねばならない。
ちょっとくらい遅れてもいいよとは言われたが、それはそれ。
時間通りになったほうが良いのはいうまでもない。
地図アプリで距離を見ると23kmのようだ。
現在時刻は15時30分。
頑張れば17時につけなくもないか……?
GO!!
到着!!
自転車ありがとう「喫茶you」!!!
……いやー大変な1日だった。
ちなみに17時30分に着いたので、普通にちょっと遅れた。
そしてここはまさかの稚内駅の中。
カフェに映画館に無料電源スポットもあるしで、そこらの駅より好きだ。
最果て感があるかと思いきや、普通に機能的で建物もイカした感じである。
さて、これでまた稚内からしばらく離れることになる。
しかしまた強い繋がりが自分の中で出来た気がするのだ。
アニメの聖地巡礼とかではない、自分だけの繋がりが。
さよなら稚内。
またいつか。
次回へ続く……
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