【料理】10分振るだけの簡単手作りバターを失敗する方法
前回、生クリームからクロテッドクリームを作ることに成功した。
美味しいかどうかというと『普通』だったわけだが、初めてのものを試す体験というのは良いものだ。
でも実は、クロテッドクリームを作る過程で色々調べていたときに、生クリームから他のものを作れるということを知った。
それはバターである。
「いやバターは買えよ」という意見があるのはわかる。
なにせ「バター200g」と「生クリーム200ml」では、生クリームのほうが値段が高いのだ。
しかも作るには手間もかかるというのに、出来上がったバターは市販のものより量も少ないし、日持ちもしない。
でもこうやって作るバターは『フレッシュバター』というらしく、なんだか名前の響きがもう魅力的すぎやしないか?
興味が湧いたときがチャレンジするタイミングだ。
それにバターなら色々使えるし、一人でも数日で消費できるはずだから!
理論武装は完璧である。
というわけで生クリームを振っている。
なんとバターは10分振るだけで作れちゃうらしいのだ。
なお、パックのまま振っているのはめんどくさいからである。
レシピには「他の容器に入れて振ること」と書いてあったが、なんだか「容器の加熱殺菌がうんたらかんたら」でホント面倒だったので……
そんなわけで10分振り終わった。
なんかもう後半は振っても音すらしなくなったが、どうなっているのか。
レシピではバター(個体)とバターミルク(液体)に分離すると聞いていたんだけど……
パックを開けて水分を出そうにも、液体要素はゼロ。
うーん、ちょっとパックを全開にしてみよう。
???
なんと、中身は全部個体になっていた。
いや個体というよりクリームというか……
……クロテッドクリーム?
いや、もちろん振っただけなのでそんなわけがない。
(これはもしかして失敗したか……?)
一応パンに塗ってみる。
見た目は良いが味はどうなのか。
いただきます。
(ハムッ…)
うわ〜……
一瞬美味しいかなと思ったが、後から滲み出てくる水分がすごい。
これは駄目だ。
バターの美味しさとは雲泥の差がある。
塩味をつけたら多少はマシになるものの、やはり水分問題は解決しない。
クロテッドクリームといいバターといい、水分を除去する工程には美味しさの面でも大きな意味があったんだな……。
さて、いつもならここで反省パートでも入れて記事を終わりにしてそうだが、こんな失敗作が200gあっても困るのだ。
そもそも材料費500円ですよ!?(生クリーム代)
もう絶対に元は取れないにしても、少しは取り戻さないと!!
そんなわけで、プロテインシェイカーに謎バターを移し替えた。
シェイクするならプロテインシェイカーである。
なお、100℃の熱湯では容器が変形するので煮沸消毒は出来ない。
消費期限は更に早まることだろうが、背に腹は代えられないのだ。
最初からこれでやれという幻聴が聞こえるが、とにかく振っていこう。
でもまあ何度振っても水分が分離する感じなんて全然しな……
……ん?
(シャカシャカシャカシャカ……!!)
なんということだろう。
さっきまであんなにクリーム状だったのに、水分が湧いて出てきたぞ!?
一度良い感じにクリームになったものは分離なんてしないと思いこんでいたが、別にそんなことはなかったらしい。
凄いぞ生クリーム!!
シェイカーを開けると、バターらしきものが出来ていた。
諦めないで挑戦することの大事さを噛みしめる。
出てきた液体は別の容器へ。
これはバターミルクというレアなものなのだ。
普通に飲めるらしいので飲んでみよう。
(ゴクリ…)
うん! 牛乳!!
ところでこのバターらしきものだが、もっと水分を絞ったほうがいいんじゃないか?
もう少し振ってみよう。
(タポタポタポタポ……)←振る音
・・・
(なんでこんなことに……?)
水分をもうちょっと出そうと再度振った結果、室温で溶けたマーガリンみたいな物体ができた。
引き際を間違えましたねこれは……。
まあでも最初の謎バターよりはパンやお菓子に有効活用できそうだ。
消費期限は長くても2日だと想定して、さっさと使ってしまおう。
しかし生クリーム、振ってるだけで一体どれだけ変身するというのか。
なんだか生クリームの新しい一面が見れた気がするな……!
(という現実逃避)
というわけで、皆さんはちゃんとレシピを守って美味しいフレッシュバターを作っていただきたい。
どうか、自分のようなことにはならないように。
他人の失敗を繰り返す必要はないのだから……!
そして、全国のバター製造業者に感謝を。
これからは普通に買います!!
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