【つながる旅行記#41】in森 「鳥崎八景」を目指して歩いた記録 part.1
森にいる。
「いや林だろこれ」というツッコミが聞こえてきそうだが、森である。
函館から北へ北へ行った果てにあるのが「森」だ。
上司の出身地だったので名前は知っていたが、今まで来たことはなかった。
ちょうど休みだったので来てみたわけだ。
かつて登った北海道駒ヶ岳にほど近い場所にある「森」。
今日の目的地は、鳥崎八景(とりさきはっけい)。
風光明媚な場所で、紅葉が素晴らしいとのこと。
いやもう完全に冬なので紅葉も何もないのだが。
でも冬だからこそ誰も居なそうだし良いじゃないかと思って。
歩いていると雪捨て場なるものがあった。
雪捨て場という概念があるなんて北海道に来て初めて知った。
確かに雪かきしてもそれを捨てる場所がないとどうしようもないのだ。
自分の実家ではさほど雪も降らないので、置いとけばそのうち溶けていったが、毎日のように降る地域では捨てないと雪を置く場所がなくなるのは至極当然。
知らんことばかりだ。
ちなみに海に落として溶かしたりもするらしい。
↓ 参考動画(小樽)
さて、メタい話になるが、今回の旅程、真似してはいけない。
例によって思い付きで行動している日の記録である。
鳥崎八景で有名な上大滝までは約12㎞もある。
今回は車でも自転車でもなく徒歩だ。馬鹿である。
アドベンチャーレーサーでもないのに。
最近長距離歩いてばかりだったので感覚が狂っていたんだろうと今にして思う。
果たして結末がどうなるか。ご覧いただきたい……。
歩いていると、さっそくヒグマ注意の看板がある。
そう、北海道にはヒグマが居る。
紋別山(#7)でもヒグマの存在におびえたわけだが、ここ道南の山には普通にヒグマが居ると会社の人も言っていた。
そして冬だからといってすべてのヒグマが冬眠するとは限らない。
ヒグマに会う可能性はゼロではないのだ。
……やっぱやめようかなという気になってきた。
いや、来てしまったものは仕方がない。
進むしかないのだ。
この発想は登山でやったら死ぬパターンだなと思いつつ、進む。
なんだか下北で大迷惑をかけた大縦断(#34)を思い出す風景だ。
きょ、今日はスムーズにいけば15時には戻れるはずだから……!
こんなところに三菱マテリアルの社有林がある。
そもそも社有林ってなんだろう。
つまりは「環境に配慮した企業であることを示すための要素の一つ」という感じだろうか。
考えてみれば、名の知れた企業ならお金かけて管理もしてくれそうだし、山にとってもいいのかもしれない。
看板を見ると、まだまだ先は長い。
やっぱり歩く距離じゃない気がする。
そんなことを思いながら歩いていくと、
ようやく鳥崎八景1番目のスポットに到着した。
「鳥地獄」である。
いや怖すぎだろ。
とはいえ特にガス臭さは感じなかった。
雪のせいもあって、風景はただの道端でしかないので早々に次へ行く。
先は長いのだ。
川の水はとても綺麗だ。
雪解け水だろうか。
そして第2スポット、屏風崖へ到着。
なんだか木で見にくいが、確かに崖だ。
ズームで寄ってみると雪解け水を川に供給してます感がすごい。
これらが集まってこの流れを生み出しているのか……。
2㎞の間、崖を横目に先へ進もう。
なんだかツララが大変なことになってる場所があった。
いやもはやこれはツララというレベルを越えている気がする。
さすが漢字で氷柱(つらら)と書くだけはある。
ちなみにこういう2文字以上で特殊な読ませ方をするようなものを、
”熟字訓(じゅくじくん)”という。
この記事を書き終わったら速攻で忘れそうだが、
昨日(きのう)や今日(きょう)だって熟字訓だ。
実は身近な存在。
またなんかすごいのが道沿いに……。
大迫力だ。
RPGとかで使えそうな素材。
氷柱を後にして歩いていくと、3つ目のスポットに着いた。
埋まりかけているが、二見ヶ滝だ。
シンプルな説明である。
正直この季節だとなにがなんだかという感じではあるのだが……。
いやまてよ? 上に何かあるぞ。
上を見ると、ささやかな流れによって作られた、ささやかな氷柱があった。
スポットを3つめぐり、時刻は11時30分。
なかなか好調なのではないだろうか。
やはり自然に包まれながら歩くのは良いな。
ヒグマへの恐怖はあるけど……。
さあ、残る鳥崎八景目指して、もうひと踏ん張りだ。
サポートには感謝のコメントをお返しします!